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2018年11月8日(木)

新実のハッケン! 「見えない人の『目』に 小型カメラ付き遠隔援護サービス」

〈大阪・南森町 マンションの一室〉
リモートアシスト代表・藤井慎一さん(56)

画期的なサービスを開発した、リモートアシストの代表、藤井さん。

藤井代表「視覚障害者の方に装着していただき、目の前の風景を遠方にいるサポーターに送ります。視覚障害者が今すぐ知りたいことを、遠隔にいるサポーターがパソコンで見ながらお教えするというものです。」

今月1日から始まった「遠隔援護サービス」。小型カメラと専用のデータ送信機がセットになっています。お互いを有線接続し、カメラの電源をONにするだけで、遠隔にいるサポーターへ繋がります。サポーターは、カメラの映像をリアルタイムで見ながら、目の見えない人の”困り事”を助けるという仕組みなのです。

新実アナ「(実際に使ってみると…)映像が、ほぼリアルタイムで表示されますね。代わりにどこか遠くにいる方が読んでくれる?」

藤井代表「そうです。人間が、人間の目の代わりになるボランティアの方にお願いをしています。」

サポーターは、このサービスに賛同した全国各地のボランティアが行います。ネット環境があるパソコンの前、視覚障害者から離れた自宅でサポートします。利用時間は、朝8時から夜の8時まで。利用者はこの時間内なら、ボランティアの誰かに繋がる仕組みになっているので、困り事があった時、すぐに助けてもらえるのです。では、一体どういう事にお困りなのでしょうか?

藤井さんと一緒に、このサービスを開発した佐々木勝次さん(48)。30代の頃に「網膜色素変性症」という目の病気にかかり、今はほぼ見えない状態だといいます。

藤井代表「当事者から見た、サービスのあるべき姿を2人で話をしながら開発しました。

佐々木さん「カップラーメンを何個か買ってきても、どうやって調理するのかな?とか、冷凍食品なら、何分温めればいいのかとか。」

新実アナ「その時に、かゆい所に手が届くんですね。」

佐々木さんの家を訪ね、遠隔援護サービスを使いサポートをする体験をしてきました。

佐々木さん「(2つの牛乳パックを手に)賞味期限が見えないのですが、どちらから飲んだらいいですか?」

新実アナ「今、左手にお持ちのものが11月8日ですね。もう一つの右手の方は11月3日ですね。こっちが(賞味期限)早いです。」

佐々木さん「では、こちらの牛乳から飲みます。」

新実アナ「こういうケースもあるんですね…」

佐々木さん「次、これ(宅配便の不在伝票)を見て頂きたいんですけど。」

藤井代表「5番の方へ、持っていってもらっていいですか。そこが中心になっています。」

新実アナ「5番とは何のことですか?」

藤井代表「左上が一番右下が9番。電話の番号リモコン番号はこういう並び。視覚障害者の方は頭に入っている。その数字のポジションを利用して、どの位置に顔を向けて頂くのか。こういう風にしてはどうか、というのも佐々木さんのアイデアです。」

読みにくい文字があれば、静止画にして拡大することも出来ます。他にも、服の色や模様、さらには、同じ容器に入った調味料の区別や、お風呂の設定温度など、目の見えない人にとっては、かゆい所に手が届くサポートを、リアルタイムで行ってもらえるのです。

佐々木さん「生活が変わってきます。ちょっとしたことでストレスかかるので、すぐ解決できるというのがありがたい。」

新実アナ「ニーズは相当ありますね。」

見えないものを教えてもらうだけでなく、ストレスの軽減、時間の有効活用にもつながる遠隔援護サービス。

新実アナ「元々、この会社はどういう会社だったんですか?」

藤井代表「このウェアラブルカメラを作る為に起業しました。1年前に。それ以前は、普通のサラリーマンでした。(どちらの会社に?)パナソニックです。」

新実アナ「退職されて、今は売り上げゼロですよね…、早期退職・退職金でやりくりされていると…」

藤井代表「まあほぼ、そうですね…」

去年まで、パナソニックの営業マンとして活躍していた藤井さん。テレビを紹介する仕事を通じ、視覚障害者の方々と知り合う機会があったそうです。退職金をつぎ込んでまで、独立した情熱。それは、どこから来ているのでしょうか?

藤井代表「最初はクレーム対応だった。障害者向けの取扱説明書を音声で録音したCDがあって、それを出してるメーカーは他社にはあった。当時の会社にはそれすらなかった。松下幸之助の考え『お客様第一』という考えからして、全てのお客様に使って頂くモノづくりではないなと。」

新実アナ「パナソニックに残りながら開発っていう選択肢は?」

藤井代表「サポート体制を作るのは会社では難しい。ならば自分でやろうかと思いました。」

お客様第一。目の見えない人にも喜んでもらえるモノづくりを。試行錯誤を繰り返し、1年の歳月をかけて完成させたのです。

新実アナ「(後ろで)うなだれて聞いてる方が…奥様なんですよね。どう思いました?この話を聞いた時は。」

藤井代表の奥様「自分のやりたいこと、しはってもいいかなと。」

新実アナ「優しい!ケンカなんか絶対しちゃダメですよ。」

藤井代表「そのまま返します…」

先日開催された視覚障害者向けの展示会「日本ライトハウス展」にも出展。視覚障害を持つ人たちの反応は?

女性「すごい!これで書類整理が出来る。」

男性「いつでも自分が知りたいことが分かるのが一番いい。」

女性「機械ではなく人がサポートしてれるので、利用範囲が広がります。」

かなりの好評ぶり。サービスが始まってまだ1週間ですが、既に全国から多くの注文が来ているそうです。

新実アナ「今後の夢は何ですか?」

藤井代表「2025年の大阪万博に、海外から来られるお客様に装着して頂いて、母国語でサポートすることです。ちょっと困った時にすぐに助けることが出来る。視覚障害者の生活の質向上に貢献できるのではないかなと思っています。」

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