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2018年4月18日(水)

ウナギが食卓から消える!?

日本の元気が出る食べ物といえば「うなぎ」

しかし、そのウナギが今…

【近畿大 田中秀樹教授】

「(ウナギの)資源の減ってくる速度が、かなり大きくて、それで絶滅危惧とされているわけですね」

 

ピンチを迎えているんです。

この現状に…

 

【漁師】

「最悪です。10分の1やけんね…水揚げの量も」

 

【養殖業者】

「一匹のシラスウナギ(ウナギの稚魚)が高ければ800円くらい。

 今年はちょっと異常です」

 

【うなぎ料理 吉や 店主】

「前はもっと大きかったんですけど、

 値段が上がってきたからどうしても(少し小さいサイズに)」

 

【お客さん】

(獲れなくなったら困る?)「そう!そう!」

 

このお店でも、先日やむなく500円値上げしました。

一体、日本のウナギに何が起こっているのでしょうか?

 

取材に訪れたのは「シラスウナギ」漁が盛んな徳島県。

実はウナギは何千キロも離れた太平洋沖で産卵し、1年近くかけて日本の川にやってきます。

私たちが食べる養殖ウナギは、この「シラスウナギ」を捕まえて育てているんです。

 

12月から4月にかけて、行われる漁の風景は春の風物詩。

しかし、今年は…船がいません。

 

港にいる漁師に話を聞くと…

 

【出港前の漁師】

(Q.シラスウナギ漁はどんな感じですか?)

「過去最低やね。ベテランの人もこんな年はなかったってくらい」

 

(Q.今年は?)

「最悪ですね。去年とかやったら、今の時期は4.5キロくらいはひとり獲れよったと思うんやけど…」

 今年はその半分。獲れてくれないと困りますね…

 でもあと(漁期が)6日やけんどないなっても一緒なんやけどね…最後のあがきっちゅうか」

徳島県の漁獲量は、過去最低ペース。

シラス漁歴10年の松本さんの漁に同行させてもらい、現状を調査です。

 

【松本光男さん】

(Q.いい条件というのは?)

「大潮の、闇夜の時。風がある時がええんやけど」

 

この日は、特によく獲れる満ち潮ではありませんが、大潮で月も出ていません。

雨風ともに強くコンディションは良好。

 

しかし、(30分経過…)待てど(1時間経過…)暮らせど獲れません。

 

「もしもし。こっちゼロよ。こんの?なかなか。その下、行ってみる」

 

仲間がきょう2匹獲ったという場所に移動し、再び水面を見つめること20分…

 

「おった!」

待望のこの日1匹目。

「やっと1匹目。もう2時間くらいたったんとちゃうんですか」

 

立て続けにもう1匹獲れましたが、その後は、ぱったりいなくなり、また1時間…

 

「あ!おった!」

水中を蛇のようにニョロニョロと泳ぐ、これがシラスウナギです。

この日の漁は3時間で3匹。これで終了。

「そうやね、こんなもんやね。趣味やね、趣味」

 

来年、再来年と続いたら…?

 

「ほんまよ、どうなるんかいな」

 

近年、漁獲量が減少傾向ですが中でも、今年は特別。過去最低を更新しそうなペースです。

こんな状況なのでシラスウナギの値段は、うなぎのぼり。

徳島でも有数の養殖業者に話を聞くと…

 

【養殖業者 犬伏正夫さん】

(Q.シラスの値段は?)

「今年はちょっと獲れんもんでね。高値の時は400万から始まりまして、

 今現在でも250万くらい。1匹のシラスウナギが、高ければ800円くらいの価格になるんで」

「今年はちょっと異常です」

 

シラスウナギが「白いダイヤ」と呼ばれる所以です。

 

(Q.どれくらいのお金がシラス購入にかかる?)

「(1キロ)400万やったら2億円とか、相場に応じて」

 

(Q.少し値段が上がっただけで、すごい額になる?)

「そうですね。それはうなぎ屋の宿命ですから。

 だから池屋(養殖業者)もなくなっていっきょんですけどね。

 

でもみなさん、「シラス捕れなくても卵産ませて養殖すればええやん」って思いませんか?

ところがどっこい、そうもいかない事情があるんです。

 

ウナギの完全養殖について研究している、近畿大学の田中教授に話を伺いました。

 

【近畿大学 田中秀樹教授】

「(卵から)稚魚まで育てるのが難しい。で、この原因は(ウナギの)生態がよく分かっていない。

 ほかの魚はプランクトン、あるいは配合飼料の粒をぱくっと食べてくれるんです。

 ウナギは流動食しか今のところ食べてくれない」

 

(Q. なにを餌として与えてる?)

「今はサメの卵、大豆のペプチドとかビタミンとかそういうもの。

 それをやると水の中で散って濁ってしまいますので、

 大量に大きな水槽で飼うというのが今の飼い方では難しいです」

現状では少量ずつしか育てることが出来ず、コストがかかります。

完全養殖ウナギの商品化には、まだまだ高い壁が。

 

このような現状を、ウナギ通のマダム達も…

【ウナギ通の客】

(Q.昔と比べて高くなったと思いません?)

「めっちゃ思います!獲れないのわかってるから」

「近畿大学さんにマグロだけ違って、ウナギも頑張ってもらわんと…笑」

どうしてシラスウナギは獲れなくなってしまったのか。

食卓からウナギは姿を消してしまうのでしょうか?

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