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2018年4月9日(月)

ごみ漁りを食い止めろ! カラスVSヒトの知恵比べ

兵庫県西宮市。 住宅街の山に向けてタカを放つと…。

無数のカラスが、慌てるように飛び立ちます。

寒い時期には、集団でねぐらを作るカラス。

そこに天敵のタカを飛ばして、住宅街から追い払おうという、西宮市の取り組みです。

【グリーンフィールド・江頭千景さん】

「一発目に飛ばしたときは400羽ぐらいがブワーッと出てきて。

 今は6~7回やっているので、もうだいぶ減ってこんな状態ですね」

 

私たちにとって、最も身近な野鳥の一つ、カラス。

しかし、厄介なのが…ゴミ漁りです。

くちばしで、器用にゴミ袋をあけて、食べられる物を探します。

町のあちらこちらで、ゴミ置き場がカラスに荒らされ、路上にゴミが散乱しています。

 

【西宮市民】

「もうかないませんわ。前はこんなことは無かったのにね」

【尼崎市民】

「ものすごいですね。被害は増えていますよ、ものすごく。

 ちょっと(ゴミ袋を)置いておいたら、カラスが10羽ぐらいブワーっと飛んでくるからね」

 

散らかったゴミを片づけるのは市の職員です。

至るところで散乱しているため、片づけるのには、かなりの時間がかかります。

 

【西宮市のゴミ収集担当職員】

「一年中、基本的にずっとですね。1回来たら、また同じ場所に来るので。

 カラスは賢いですから。いたちごっこですけど」

 

西宮市役所にはこの時期、カラスに関する相談が次々と寄せられます。

 

【西宮市農政課・増尾尚之課長】

「今から初夏にかけての繁殖期は、親鳥がヒナを守ろうとして、

 人のそばを飛んだり、威嚇したりして怖い思いをしたとか(の相談がある)」

(Q.ご自身もカラスに襲われたことがある?)

「大きなクスノキの中から喧嘩をしているカラスの1羽が落ちてきて、

 私の頭の上ぐらいでUターンして飛んでいく時に、パンと頭を蹴られたことがあります」

 

カラスは本来、森や林で樹木の種や昆虫などを食べています。

それらに比べると、私たちがゴミとして出している残飯には、カラスが好む脂肪が多く含まれています。

カラスにとってみれば、人間が出すゴミは「ごちそう」なのです。

 

カラスによるゴミ漁り対策としてよく使われているのが「防鳥ネット」。

しかしこのネットの使い方についても、注意が必要だと専門家は指摘します。

 

【兵庫県立人と自然の博物館・布野隆之研究員】

「カラスのくちばしの高さをみてもらいたいんですが、約3センチしかないんですね。

 3センチでも穴があったら、そこからカラスはくちばしだけ引きずり出すことが出来る。

 だからネットの場合は、特に3センチ以上の穴をあけてはいけないということが鉄則になります」

ゴミ袋にネットをかけても、隙間が開いていたり穴が開いていたりすると、途端に効果が無くなってしまうとのこと。

さらに、なんとカラスには、犬と同じぐらいの学習能力があります。

例えば新聞紙でゴミを包んでいても、いつの間にか「新聞紙の中にはゴミが隠されている」と学習して、

見破られてしまう恐れがあります。

 

私たちは一体、どうすればいいのでしょうか?

兵庫県立人と自然の博物館の布野さんによると、タカでカラスを追い払う方法は、

非常に効果があるそうですが、継続的に行わなければ、カラスが戻ってきてしまうとのこと。

鷹匠にお願いするための費用もかかります。

 

布野さんは、ネットに金属の支柱を入れて箱型にした「折り畳み式ゴミボックス」の利用を薦めています。

 

【兵庫県立人と自然の博物館・布野隆之研究員】

「誰がやっても隙間が出来ないので(防鳥)ネットではなくって、

 こちらにしたほうが簡単に解決ができるということになります」

しかし価格は一つ数万円と、決して安くはありません。

そこで兵庫県伊丹市は、価格の課題を解消する「画期的な道具」を開発しました。

 

【伊丹市民】

「これですか?これものすごいいいですよ。前はこれがなくてただかぶせるだけだったんですけどね」

 

田んぼなどで使われる、プラスチック製のあぜ板を切り…ドリルで穴をあけて結束バンドでつなげば

「折り畳み式のゴミボックス」になります。

あぜ板はホームセンターなどで仕入れ、一つあたりの製作費は1500円ほど。

きちんとネットを被せれば、隙間はできません。

伊丹市は、希望する自治会に無償で貸し出しています。

 

【伊丹市民】

「前は本当にネットの下からカラスとか猫とかが入り込んで、

 もう本当にしょっちゅうやられていたんですよ。これを使ってからほとんどないですね」

 

ゴミをめぐって繰り広げられる、人とカラスの知恵比べ。

学習能力の高いカラスに、「ゴミ袋は漁れないもの」と認識させることが、重要です。

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