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2017年6月20日(火)

外国人が注目する”宿坊”

宿坊は、お寺を参拝する人が寝泊まりする施設です。

日本の文化を体験したいという海外からの観光客に大変人気なのですが、

大阪の都心部に新しい宿坊がオープンしました。

 

大阪の道頓堀を満喫している、外国人のファミリー。

夜はどこに泊まるんでしょうか?

 

【アメリカ人男性】

「ワクウ シテデラマチ」

「アメリカや他の国では得られないものがあると思う」

 

 

道頓堀からタクシーで約10分。

向かったのは、大阪市天王寺区にオープンした“都市型の宿坊”「和空 下寺町」です。

 

宿坊とは寺の参拝者などが宿泊する施設のこと。

和空では、外国人も過ごしやすいように、すべての部屋にベッドも用意しています。

夜は大広間で、写経や写仏を体験でき、翌朝には近くのお寺で護摩だきに参加できます。

 

 

この宿坊ができたのは天王寺区下寺町。周辺には約80の寺社が密集しています。

聖徳太子が建てた日本最古の官寺・四天王寺などもあり、
都市部にいながら日本文化に触れることができるスポットです。

 

【アメリカ人男性】「スピリチュアルで、私達が経験したかった文化だ」

 

いま外国人観光客の間では、「日本文化の体験」に人気が集まっています。

 

世界遺産・高野山。
ここにはあわせて52の伝統的な宿坊があり、泊まった外国人の数は、2013年から去年までの3年で約3倍に急増。

宿坊も、おもてなしを充実させています。

【恵光院の僧侶】

「(英語で)目は閉じず開けず。半分、開けてください。目を完全に閉じてしまうと

内面に集中しすぎて、眠りに落ちてしまう人もいる」

 

年間の宿泊者の半数以上が、海外からのお客さんだという恵光院の宿坊。

留学経験のある僧侶など3人が、英語で直接、「日本の文化」を伝えていきます。

 

 

弘法大師の御廟を目指し2キロほどの参道を歩くナイトツアーも大人気。

20万もの墓などに囲まれた、ほぼ真っ暗な道を歩きながら目にみえるものを通して、宗教観を説明します。

 

【恵光院の僧侶】

「(英語で)これは、五輪塔といいます。この塔はこれ自体が“宇宙”を表しています」

 

この五輪塔は、下から『地』『水』『火』『風』『空』を表しています。

 【恵光院の僧侶】
「(英語で)そしてもう一つ、『識』。私たちが心と呼ぶもの。
5つのシンボルと『識』の6つがこの“宇宙”の万物をつくっている。
あなたたちも皆、(死んだときには)宇宙にかえるということ。これが五輪塔の表す意味です。
手を合わせて、心の中で弘法大師様に挨拶を」

 

【ニューヨークから来たカップル】

「仏教についてもっと知りたかったから、ここに来たことは本当に特別だった、神秘的な場所だったよ」

「難しい概念だったけど、わかりやすく説明してくれた」

 

このように、日本の文化を体験したい観光客が訪れる、宿坊。

いま、大阪には過去最多の外国人観光客が訪れていますが、その都市部にできた新しい宿坊は、
地域の寺社の活性化を担っているともいえます。

 

 

【愛染堂の住職】

「(英語で)この寺は1400年以上前にできたんです」

 

お寺側としては、宿坊を通して、守り続けてきた“伝統”を知ってもらいたい、という思いがあります。

 

【吉祥山 青蓮寺 玉島文明副住職】

「大阪というと割と観光で来られる方が外国の方も多いですから、
たぶんご興味があって寺をのぞかれるがチラッと見て写真だけ撮ってという方が多いですよね。
宿坊を利用される方々に対して、僕らが働きかけをするひとつのチャンスなのかなと思っています」

 

この宿坊の「文化体験」では、周辺のお寺や地元のボランティアなどが協力して

地域ぐるみで、宿泊客をおもてなし。

 

ボランティアガイドが案内する寺社巡り。

 

天王寺区の一心寺では、遺骨で作られた『骨佛』に、多くの人が手を合わせていました。

この『骨佛』は、20万人以上の遺骨からできています。

寺に納められた遺骨10年分で1体が作られ、これまでに14体が祭られてきました。

 

【ボランティアガイド】
「だから、たくさんの人が祈りに来るんだよ」

【アメリカ人男性】
「とても独特だね」

【アメリカ人女性】
「家族は、どの仏像に遺骨が入っているかわかっているの?」

【ボランティアガイド】
「もちろん。10年周期で新しい骨仏が作られるから」

 

 

この日、1時間半ほどかけて宿坊周辺の3つのお寺をまわりました。

皆さん、大阪での文化体験どうでしたか?

 

【アメリカ人男性】

「静かな時間を過ごせたし、内面を見るきっかけをくれた良い経験だった」

「娘たちが覚えていてくれることを願うよ。妻と僕もずっと忘れないと思う」

 

【フランス人男性】

「日本に来たとき、天王寺でも働いたことあったけど、このお寺は知らなかった。

けっこうびっくりだし面白かった。昔の日本を守って現在の日本を作ることを考えればいい。
チャンスだと思う。特にこれからも観光の人は多いので」

 

大阪の一味違った魅力。
新しい宿坊に泊まると、見えてくるのかもしれません。

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