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2017年5月29日(月)

小児救急の最前線 子供の命を守りたい

ことし4月、関西で初めて「小児救命救急センター」に指定された兵庫県尼崎市の病院。

全国でも珍しい「小児ドクターカー」が運用されています。

その小児救急の現場を取材しました。

 

助けられる命を助けるため、走り出す医師たち。

【山上雄司医師】
「出発出発」

「卵アレルギー、卵を誤って食べたことによる嘔吐」

兵庫県立尼崎総合医療センター。

ことし4月に関西で初めて指定された「小児救命救急センター」です。

医師9人、看護師33人体制で24時間子供の重篤な患者を受け入れています。

ここには全国でも珍しい15歳以下の子供のための「小児ドクターカー」があります。

【山上雄司医師】

「血圧測定のマンシェットっていう、いわゆる腕に巻くやつですよね。
ちっちゃい生まれたばかりのお子さんでも使えるサイズです」

 車の中には、子供の体の大きさにあわせた医療器具などが装備されています。

容態が悪化するのが非常に早い子供。
医師自らが現場に向かうことで、少しでも早く治療を始めることができます。

【山上雄司医師】

「また後で見せてな 大丈夫??」

 

運用から1年半で出動件数は350件を超えました。

幸いこの子はすぐに回復へと向かいました。

ここでは、小児ドクターカーでの出動のほか、小児集中治療室=PICUに運ばれてくる重篤な患者も治療します。

小児救急のリーダーは、菅健敬先生です。

【菅健敬医師】
「成人では当たり前のように整備されてきた救急体制っていうのは、小児はようやく始まった所ということで、
子供たちを必ずここで受け止めるっていうのが我々の役割ですし、それが小児救命救急センターだと思っています」

 

およそ1週間前にドクターカーで運ばれてきた1歳の男の子。

のどの奥に膿ができ、呼吸困難の状態でした。

人工呼吸器をつけていましたが、ようやく外せることになりました。

 

24時間すべての重篤な患者に必要な治療を行えるように、スタッフが交代で当直勤務しています。

【菅健敬医師】
「ちょっと咳のひどい子がいて、喉に何かひっかかってるかもしれないって。
この時間になったら騒々しくなるっていう」

 

ぜんそくがある女の子。

喉に何か詰まっているかもしれないといいます。

 

【菅健敬医師】
「本来麻酔なので色々説明と同意書とってからやるんですけど、もうまかせて頂きたいと思います」

 
物がつまり窒息すると、最悪死に至るおそれもあります。

緊急で麻酔をかけて喉の奥を調べます。

 

【菅健敬医師】
「結果としてなかってよかったねっていうことで、あったら大事なので必要な処置だったかな。
疲れますよ。寝たいときに、そろそろ寝ようっていう時にきます」

 

朝から通常通り働き、そのまま次の日の朝まで、24時間以上の勤務です。

少子化が進む中、多額の設備投資や人件費がかかる小児救命救急センターは、全国にまだ14カ所しかありません。

決して十分とは言えない小児救急の現状に、医師ですら困った経験があるといいます。

 

【菅健敬医師】
「昔子どもが熱を出して、小児救急始める前で、消防に問い合わせたら、
『きょうの小児の輪番はありません』って言われて、これが現実、子供の救急の現実はこういうところなんだと痛感して」

 

子供たちの命を守りたい。

菅先生は積極的に小児救急の知識を若手へと広めようとしています。

 

 

【3年目の小児科医師】
「まだ3年目始まったばかりで、救急不安なところがあるので、よく見る症状とか疾患とかどういう対処するか
統一する安心感もあるし、患者さんのためにも良いなと思います」

【9年目の看護師】
「うちは小児救急の先生がきっちり指導してくれて新しい知識とか悩むこととか聞けて良い環境」

 

呼吸困難でドクターカーで運ばれ、ようやく人工呼吸器がはずれた1歳の男の子。

 

【お母さん】
「やっとここまできた。最初の状態をわかっている先生から引き継ぎとかして、
お話していただいてるのでわかりやすいですし、安心ですね」

 

 

小さな命の最後の砦、小児救急。

きょうもどこかで助けを求める子供たちの命を救っています。 

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