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2017年5月22日(月)

丹波にこだわり・・・篠山市を丹波篠山市に!?

今「丹波」という言葉をめぐって議論が巻き起こっています。

街にあふれる丹波の文字。丹波市でも京丹波町でもありません。

今”丹波”という言葉をめぐって、兵庫県の”篠山市”が揺れているんです。

人口約4万3千人。

兵庫県の中東部に位置する篠山市。

山に囲まれた豊かな自然のある街は、丹波黒豆や丹波栗、丹波茶などの特産品が有名です。

この町で今、熱い議論が巻き起こっているんです。

 

【篠山市民】

「丹波篠山というブランドはすでに出来上がったブランドなんです」

「中途半端に市の名前を変えるだけでは何の意味もない」

 

先週、篠山市民と議員が集まって議論したのは、篠山市の名前について。

”丹波篠山市”に変更できるかを検討しました。

【篠山市民】

「市長さんもそれなりに乗り気やしこの機会に・・・」

「丹波篠山というブランド品については、・・・生活では困っていない」

 

改名には市長も乗り気ということで直撃しました。

【酒井隆明 篠山市長】

「丹波といえば篠山!丹波篠山は私たちなんだと。
市名にもきっちり表した方が良いのではということなんです」

 

篠山市がここまで”丹波”という言葉にこだわるのには、長い歴史が関係しています。

 

むかしむかし、実り豊かな丹波という国がありました。

時代とともに2つに分かれ、”兵庫”と”京都”と呼ばれるように。

丹波の名はなくなりましたが、篠山に住む人たちは、地元を”丹波篠山”と呼び、
「丹波」の国の名前をたいそう大切にしました。

 

篠山市の特産品を扱うおみやげやさんでは、商品の名前を見てみると”丹波篠山”。
篠山市にある酒蔵の商品は”丹波”の清酒とあります。
店内のほとんどの商品に”丹波”と文字ががみられます。

 

篠山市の特産品は「丹波」がブランド化されているのですが・・・

2004年、隣に”丹波”市ができたのです。

 

丹波ブランドを活用する周辺自治体の反対の声も上がる中、

誕生した丹波市が大きな影響を及ぼすことになったのです。

 
【篠山市民】
「篠山市がぼんやりしとったら丹波をとられてもうてね。

今頃焦っとったってしゃあないわな」

「先行っとたら、”丹波”をとれたのに」

 

でも、そうも言っていられない切迫した事情がります。

篠山市内で、丹波栗を50年以上作り続けている森口さん。

 

去年、ふるさと納税の返礼品として栗の詰め合わせを発送した時こんな事がありました。

 

【森口栗農園 森口昌英さん】

「ケースの中に栗のイガがはじけたやつと、うちのラベル”丹波栗”をいれて送るやろ。
そしたらもらった人が氷上丹波(丹波市)の丹波栗が本場やと思うから、
『篠山はなんでよそのやつ買って送るんや』と」

名前に”丹波”とつく市の存在によって”丹波栗”が、篠山市の特産品として認識されなくなってきたというのです。

 

実際に、篠山市と丹波市のふるさと納税の返礼品には、どちらも丹波ブランドの食材が並びますが、
篠山市の2016年のふるさと納税額は、丹波市の半分以下です。

 



さらに知名度を調べてみました。

 

【兵庫県出身 20代男性】

「ん〜 大阪のあたりかな〜 みたことあるようなないような・・・ちょっとわからないです」

 

【兵庫県出身 10代女性】

Qどこにあると思います?

「淡路?」

「奈良?奈良!奈良! 聞いたことないから奈良?!」

 

【兵庫県出身 20代女性】

「丹波ここらへんじゃない?」

「”コレ”・・・全然わからない」

Q”ささやま市”って読むんですけど・・・

 「おっ!そうなんや!」

 

【兵庫県出身 40歳代&60歳代親子】

たんば(市)は黒豆だよね。

篠山市はわからない。無名。

 

全国認知度調査:丹波市366位!  篠山市602位!

隣の丹波市に比べて認知度でも負けているのです。

  

丹波篠山市への変更を求める地元商工会の会長は、
丹波市ができておよそ10年の間に丹波ブランドが奪われていると感じています。

 

【篠山市商工会 圓増亮介会長】

「今までは篠山市産で通っていたのです。
(丹波といえば)丹波篠山しかなかったので、でも(丹波市産と篠山市産)どっちを買いますか?というと丹波市産」

「インターネットの時代になり、丹波と篠山がどんどん丹波・篠山という一緒のイメージになっている。
篠山市のブランドは丹波市にどんどん吸い上げられている状況。“丹波篠山”のブランドがどんどん薄れている」

 

丹波ブランドをめぐって危機を感じる篠山市側とは裏腹に丹波市側は・・・

【谷口進一 丹波市長】

「せっかくついた”丹波市”というビッグネームを使いたいと思うのは当然ではないでしょうか。
丹波篠山市に変えられるのであれば、それはそれでわれわれは静観しておきたいと思います。」

 

兵庫県の文化や歴史に詳しい専門家によると、篠山市民には”丹波篠山”への強いこだわりがあると言います。

 

【園田学園女子大学 田辺眞人 名誉教授】

「『(出身は)うちも兵庫から言いません』というたのが篠山の人です。
『どこへ行っても丹波篠山って言います』と、せやから篠山の人にはそういうプライドがあるんでしょうね。
地名に関して。どちらが上というわけではありませんが、黒豆などで丹波の名前が出てくると、
篠山側は、丹波という名前を使わなかったことにしまったという思いもあるでしょうね」

 

地域に根付いている丹波ブランドをどう生かすのか・・

”丹波篠山市”誕生がそのカギを握っているのかもしれません。

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