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2017年5月19日(金)

走れ!ギモン調査部 マグロが危機?

クロマグロの漁獲量は年々減少。

日本食ブームにより、中国や韓国での消費量も増えるなか、マグロはこれからどうなるのか。

 調査するために向かったのは 生マグロ・水揚げ日本一。和歌山県勝浦港。

【堀田アナウンサー】

「さぁ日本一のまぐろの町、勝浦に来ましたけども。すごいです。並んでますねー」

 

見渡す限り、マグロ、マグロ、マグロ!

勝浦港にやってくる漁師は、日本のクロマグロが直面する現状をどう考えているのでしょうか。

 

Q.どこから?

【漁師】
「高知の船ですね」

「ここ何年か、ホンマグロとれない。どんどんどんどん少なくなって来てたんで」

「10年前から比べると確実に減ってます」

 

実はクロマグロの漁獲量は、10年ほど前から比べると7分の1程に。

 

急激な減少を受けて、ヨコワと呼ばれる重さ30キロ以下のクロマグロの幼魚は

漁獲が規制されています。           

 

しかし、日本は、年間の漁獲規制量を4月末ですでに、オーバーしてしまっているのです。

この日偶然、1匹だけ仕掛けにかかった重さ9キロのヨコワ。

こんなに小さなものがかかるのは、初めてだそうです。

 

Q.小さいのは守ってあげた方がいいですか?

【漁師】
「漁獲制限してくれて、一番ありがたいのは僕らのはえ縄船じゃないかと」

「ある程度大きくなってから僕らの方に分け前がまわってくるかなと」

 

勝浦にやってくる漁師が行うはえ縄漁で狙うのは、大きくなったマグロ。

この方法では、漁場や針の大きさの違いにより、今回規制されている子供のクロマグロを釣り上げることが
ほとんどありません。

 

つまり、大きなマグロを狙う勝浦の船にとって幼魚の漁獲制限は、将来のことを考えると

ありがたいことだというのです。

 

では、消費者やお店にとってはどうなんでしょうか。

勝浦で40年以上マグロ料理屋を営むご夫婦に話をうかがいました。

 

Q.とれないと、お店に影響は?

【マグロ料理店店主】
「なんとも言えんけど、今は大丈夫」

Q.いままではヨコワ沢山、手に入ってた?


【マグロ料理店のお母さん】
「入ってた、入ってた。いつもヨコワね。買ってたね。安くておいしくて庶民的やったけどね」

 

この地域にとってヨコワは、いつでも食べられた庶民の味です。

 

【マグロ料理店のお母さん】

「でもそれも(規制は)ほんとは良いことやと思いますけどね。ちっさいのとるのは悪いわね。なんでも。

小さいまぐろ規制して、大きいのある方がええわね。我慢できるわな、みんな」

 

勝浦の町はマグロと共に歩んできました。あらゆる所にマグロが溢れています。

でも、無くなってしまうくらいなら我慢できる。

それほど、地域にとって大切な存在なんです。

 

では、そもそも勝浦はいつからマグロの町になったのか。

マグロ漁の歴史に詳しい山縣さんを訪ねました。

 

Q.まぐろはいつからですか?

【山縣弘明さん】
「昭和21年ごろからと聞いております。20年代ですね」

Q.一番栄えていたのは?

【山縣弘明さん】
「昭和40年ごろと聞いています」

 

 

日本中から船が集まり活気にあふれていた勝浦。

漁獲量の落ち込みや、後継者の不足などが重なり、勝浦港に所属するマグロ漁船は、

今ではほぼゼロになってしまいました。 

 


「こんにちは」

インタビュー中に突然現れたのは、昭和40年ごろマグロ船の船主として漁に出ていた立木さんです。

 

Q.小さいときからマグロは特別でしたか?

【立木吉也さん】
「そうやね。やっぱり王様よね。半年くらいしかとれない」

 

今のクロマグロを取り巻く現状を尋ねてみると…

 【立木吉也さん】

「とり過ぎちゃったんでしょうな。自分で自分の首をしめてしまって。

水産庁が網マグロの規制などやりだして、でもそういうことを言いだした時には手遅れというかね」

 

急激な漁業技術の進歩によって生まれた巻き網漁。

それまでの方法とは比べ物にならない量の魚を一度にとれるようになりました。

 

しかし、未成熟の幼魚なども区別できないままとることになってしまい、

結果、水産資源の枯渇につながっているんです。

将来のマグロを守る規制は、必要だという勝浦の声。

 

しかし、そうは言っていられない地域もあるというのです。

 

【和歌山漁連参事丸山さん】

「サンマ漁も不漁、カツオ漁も不漁が続く中、ヨコワ漁が規制されることによって沿岸漁業者は大きなダメージを受けています」

「ヨコワをとって生活している人が昔から結構いる」

Q.どこに?

「私たちの町にもいますし、串本周辺、田辺周辺にもいます」

 

地域によっては、クロマグロの幼魚が重要な収入源になっている。

現状を知るため、串本港に向かいました。

  

【堀田アナウンサー】

「小さい船が沢山停まっている印象ですね。ヨコワってあがってます?」

【漁師】
「今、規制かかってとったらアカンねん」

Q.今までは上げてた?
「そうそう」

Q.儲けに影響でてる?
「うんと出てる。だいぶ水揚げ違ってくる、収入」

Q.こういうところに春は(ヨコワが)混ざってた?

「そうそう。皆逃がしよったみたいやけどな」

 

沿岸部で漁業をする漁師は、1人で船を出し、カツオなどを狙います。

その中でクロマグロの幼魚がかかることもありますが、規制により水揚げすることが出来ず、カツオも歴史的不漁。

漁に出ても、燃料代がかかるだけで収入は、ほとんどないと語る漁師もいました。

小さな船にとっては、クロマグロの幼魚の漁獲規制は直接、生活に関わる問題なのです。

 

【マグロ料理店のお客さん】

「やっぱりまぐろ。まぐろが好きやな」「一週間に一回ぐらいは食べる」

 

漁業者によって違う、規制の捉え方。

マグロと漁師の生活、どちらも守っていく方法が見つかれば、

これからもずっと、美味しい日本のマグロが食べられるのではないでしょうか。

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