特集コーナー/バックナンバー

2017年5月8日(月)

トランプ大統領の公約は?アメリカとメキシコの国境は今

不法移民の排除を選挙公約に掲げていたトランプ氏。

【トランプ大統領】

「メキシコから来るやつらが問題ばかり起こしている」

「壁が必要だ。みんな分かっているだろう。壁が必要だ!」

 

一方、その国境の壁では… 

抱き合い、涙を流す家族たちの姿が…。

 
国境の街はいま、どう変わっているのでしょうか…?

 

【記者】

「この一帯にそびえたつ非常に高いフェンス。ですが下を見てみますと土台はまだ新しいセメントです」

 

ずらりと続くフェンスは国境線。アメリカとメキシコを隔てています。

国境の街、メキシコ・チワワ州フアレス市。アメリカに渡ろうとする不法移民が後を絶ちません。
貧困から抜け出し、アメリカでの豊かな生活を求めるからです。

 

【不法移民の男性】

「国境のところは危険だけど、家族を養うため、どんな方法でもアメリカに入ろうとする」

「アメリカで1時間働いたら、メキシコの日当になる」

 

国境を挟んで収入の格差は6倍。
メキシコでは麻薬組織による殺人や誘拐で、ここ10年間で20万人以上の死者が出ているとみられています。

不法移民に強硬な姿勢をみせるトランプ大統領は4月、就任100日目に行った演説でこう語りました。

【トランプ大統領】

「私が就任してからたった100日で、国境問題に歴史的な進展があった。
これほどまで移民をコントロールできていた事を今まで見たことがあるかい?」

 

国のリーダーが移民を排除しようとするアメリカでは、4月30日、特別な日を迎えました。

アメリカ・カリフォルニア州、最南端の街にある「国境の扉」。

ここに大勢の家族が集いました。

 

扉に駆け寄る人たちは、メキシコから無断で国境を越え、アメリカで生活する「不法移民」です。

不法移民は、一度アメリカを出ると、再び入国することはできません。

故郷の家族と直接触れ合えない不法移民のためにこの日は6組の家族に、
特別に抱きしめあうことが許可されました。

与えられた時間は、1家族につきわずか3分間。

涙も乾かぬ間に、国境の扉は再び硬く閉ざされました。

 

【不法移民の女性(母と7年ぶりに再会)】 

「3分間はあっという間で、1分にしか感じませんでした。とても震えました。
抱きしめられて生きていると実感しました」

 

【不法移民女性(ジャネット・フェルナンデスさん)】

「父とは10年ぶりに会いました。3分間とても幸せだったけど、同時に寂しかったです。
だって、次にいつ会えるかは分からないから…」

 

アメリカ国内にいる不法移民は1100万人にのぼり、その6割がメキシコ出身です。

多くの人が日雇い労働で生活し、今や、アメリカの経済を底辺で支える存在になっています。


【不法移民女性(ジャネット・フェルナンデスさん)】

「トランプが移民の立場を大きく変えたことが悲しい。
彼がすべきなのは壁を作る事じゃなくて、他の選択肢を選ぶことです」

 

揺れる「移民の国」アメリカ。その国境は今…

 

アメリカとの国境、リオグランデ川。

メキシコ・フアレス市側の土手には

アメリカに見えるように書かれたトランプ大統領を揶揄する落書きが、去年11月から消されることなく残っています。

その近くでは日常生活を送る人の姿が。

 

【メキシコ人】

「アメリカ側に行く権利は、私たちにはありません。子供と遊びに来ただけです。」


【記者】

「ここはまだ金網のエリアです。誰かが金網をこじ開けたような形跡があります。
そしてさらに進むと、やわらかい砂を掘って人が通れるようになっています。
このようなエリアですから、すぐ近くでボーダーパトロールが監視の目を光らせています」

 

取材中にも低空飛行を続けるアメリカの国境警備隊のヘリコプター。

貨物列車が停止し、地上にも警備隊の姿があります。

何者かが国境の金網を越え、列車に飛び乗ったといいます。

 

 

【記者】

「誰か国境を渡ったのか?」

 

【国境警備隊】

「・・・(無言)」

 

フアレス市にはアメリカから強制送還された不法移民を一時的に保護する教会があります。

一度に160以上の家族を受け入れたこともあるといいます。

この日、教会にやって来た2人の男性。

アメリカで身柄を拘束され、メキシコに強制送還されてきました。

 

【ルイスさん】

「人生すべてをアメリカで過ごしたかった。普通に暮らしていたのに追い出されたんだ」

 

21歳のルイスさんは、2年前にアメリカに不法入国し、整備工として働き、アメリカ人女性と結婚。子供も2人います。

オバマ政権は、ルイスさんのようにアメリカで子供ができた不法移民に対しては、就労資格を与えようとし、
摘発の対象を「重大な犯罪を犯した」不法移民に絞ってきました。 

 

しかし、トランプ政権の誕生以降、状況は大きく変わったと言います。

 

【ルイスさん】

「最近は、ことあるごとに職務質問されました」

Q身分のことを?

「前と違って、身分証明書の提示を求められるようになった」

 

教会によると、ことしに入り、家族にアメリカ人が居て、重大な犯罪歴がない人の強制送還が相次いでいるということです。 

摘発の対象が拡大する様相をみせるなか、アメリカ国内で生活する不法移民は…

 

【不法移民女性(ジャネット・フェルナンデスさん)】

Q何か変化は?

「今はまだ分からない、でも将来的には変わるかも…」

「私たちは犯罪者じゃない、愛する家族もいるの。トランプが言うような人間ではない。
働いて税金も払っているの。アメリカで生きる機会を与えてほしい」

 

故郷を捨て、不法入国が相次ぐ背景は、新政権になってからも変わっていません。

不法移民に対する強硬な政策は、今後、何を生み出すのでしょうか。

記事一覧へ戻る

関西テレビ ページトップへ戻る