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2017年5月25日

新実のハッケン! 異例のベストセラー 「うつヌケ」 

今回のテーマは「うつ病」です。
最新の調査では、うつ病の患者数は、日本全国で112万人ほどに上るということです。

そんな中、ご紹介したいのが「うつヌケ」という、うつ病をテーマにした漫画で、
今ベストセラーとなっているんです。

うつ病の体験記が描かれているんですが、注目を集めているワケを取材してきました。


【新実彰平キャスター】
「大阪市内の大型書店です。このあたり,話題になってる本が集まっているんですが、
ありましたうつヌケ、関連書籍とまとめられて特設コーナーのようになっています」

ハッケンしたのはビジネス書や新書に交じって置かれたマンガ「うつヌケ」です。
テーマは”うつ病”。この日も多くの人が手に取っていました。



【書店のお客さん】
「テーマが重い割に、タッチが軽くて、手に取りやすい」
「周りにちょっと、うつの方がいらっしゃったので、どんな気持ちなのかなと思って」

【新実彰平キャスター】
「(鬱のマンガが)売れるんだというのは、どういうご感想?」

【ジュンク堂書店大阪本店 博田宏之副店長】
「病気の本は、本来割とデリケートなものであって、そんなにベストセラーというものはないが、
これに関しては、サラリーマンとかが多いと思うが、
若い女性の方とか、主婦の方とか、まんべんなくいろんな方が読んでいらっしゃるみたいですね」

書店も猛プッシュする「うつヌケ」。
その内容は・・・。

「ああ、つらい、つらい、つらいよ、なぜこんなに辛いんだ」
「わかった、お前らの辛い気持ちは分かったよ。僕が50歳をむかえる日に自殺してあげる」



生きるのがつらい。そう話す主人公、実はこの本の作者です。



「うつヌケ」の作者の田中圭一さん(55)。
自殺してあげると言っていた50歳を超えて、55歳になりました。

【新実彰平キャスター】
「関西テレビの新実と申します。田中先生、漫画の主人公の絵の印象と、全然違うんですね」

【うつヌケ作者 田中圭一さん】
「そうですね、自画像描いた時は30代後半ぐらいで、あの頃はあんな感じだったんですけど、
割とよく言われます、あれ詐欺だと」

田中さんは、マンガを描く傍ら、京都精華大学の准教授として、漫画家の卵を育てる活動もしています。



しかし、40代の頃の田中さんは、今とは別人のようだったといいます。
「向いていない」という気持ちを抱えながら営業の仕事を続けたことから、うつ病を患ったのです。

【うつヌケ作者 田中圭一さん】
「だんだん、だんだん自己否定というか。もっと頑張らないといけないのに、俺何やってるんだろうと。
何でこんなにできないんだろうと自分を責めてたんです、日々毎日。
そのうち、朝起きても気持ちが晴れないところから始まって、
何か大きな悲しみみたいなものをずっと抱えた状態。
原因不明の不安や悲しみが、毎日ずっと終わらず続くんですよ」

「うつヌケ」とは、うつから抜け出すということ。
マンガの中では、うつ病を患ってから、克服するまでの実体験が、コミカルに描かれています。

自分に合わない職場で無理をしていた田中さんは、
仕事がうまくいかず「自分を嫌い」になっていました。
その結果、10年間、不眠や疲労感、不安感に襲われたのです。

「うつヌケ」のために、田中さんが、どうしたかというと・・・



「自分を好きになればいい。ただそれだけです」

田中さんが実践したのは、毎朝、自分が大好きと唱えることでした。

【うつヌケ作者 田中圭一さん】
「起きた瞬間に自分が好きだ、自分はまだいける、自分は大丈夫という気持ちを
毎日毎日、2週間くらいやっていると、日々の生活の中で笑うのが増えてきたり。
面白い動画なんかをネットで見つけると、楽しいと思ったり、本当に気分が変わってきた」

【新実彰平キャスター】
「実際、ご自身がうつになるまでの、うつの認識と、なってから分かったことはありますか?」

【うつヌケ作者 田中圭一さん】
「うつは、心の風邪だと、一般的に言われていますけど、そんなものではない、うつは心のガンである」



ここでハッケン。うつ病は心のガン!
経験した人から出てきたこの言葉に、はっとさせられました。

【うつヌケ作者 田中圭一さん】
「風邪となると、会社は休ませてくれない。
心のガンとなると、すぐに休んで、会社やめてもいいから、入院しろとなるでしょう?
それだけ、うつというのは、軽くみてはいけない状態なんだよと。
わかんない人にはわかんないだろうけど、そういう認識はもってほしい」

こうした自分自身を含め、18人のうつ経験者の話をまとめたのが「うつヌケ」で、
27万部の大ヒットとなっています。

この漫画に救われたという人に話を聞きました。



岡本健さんは、大学の研究室で働きづめの日々を送る中、プレッシャーが重なり、去年うつ病を発症しました。

【新実彰平キャスター】
「たくさん、うつ関係の書籍はあるけど、何がうつヌケは何が違いましたか?」

【岡本健さん】
「著者の方も、自分もなっているというところが、説得力がありますし。
戦友というか、同士というか、こう同じような人たちがいるんだなという」

岡本さんが、一番心に響いたエピソードは、ある男性教師の体験記です。

うつ状態の男性教師に、奥さんが投げかけた一言が・・・



「つらいなら教師やめちゃえば?」

【岡本健さん】
「あれを読んだ時に、そうして解決した人がいるんだと思って。
僕も正直なところ、大学に、もう行きたくないのよねと、やめたいんだよねと言ったら、
妻が『そんなに言うなら、行かなくてもいい、やめたらいいんじゃないの』くらいのことを言ってくれて」

【新実彰平キャスター】
「岡本さんにとって、うつヌケというのは、どういう本でした?」

【岡本健さん】
「うつっていう世界が、分かりやすくなったというか、抜けるための手助けをしてくれるというか、
ガイドブックみたいなものですかね」

うつヌケした一人として、そしてこの本の作者として、田中さんはこんなメッセージを投げかけます。

【うつヌケ作者 田中圭一さん】
「この本がこれだけ有名になることで、どうすればうつって治りますかと聞かれるんです、
それが分からないという事が、この本が示していることであり、
いろいろなケースがあり、いろいろな抜け方があるんだということを知っていただくことが第一。
自分に合う方法を見つけていただきたい」
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