淡路島は名物いろいろ 玉ねぎ、牛肉、海の幸…そして瓦 淡路伝統の瓦を割って兵動さんスカッと体験 【兵動大樹の今昔さんぽ 関西テレビ「newsランナー」】 2023年09月29日
【兵動さん】
「今回は淡路島に来ております。やっぱりいいですね淡路島。景色も最高。本日の写真ですが、ほー、今回無理です」
これは昭和30年代に淡路島で撮影された写真です。実はこの写真には淡路島の名物が写っているということです。
■写真に写っている“淡路島の名物”とは?
【兵動さん】
「淡路島の名物いうたら、玉ねぎとか、牛乳とか、海鮮でしょ。うーん、玉ねぎ畑とかどっかに写ってる?分からへんわ」
写真の手がかりを求め、まずは洲本の中心部で淡路島の名物について聞いてみました。
「玉ねぎです」
「お肉か玉ねぎやな。淡路ビーフいうてな」
「茎わかめとか、オレンジスティックとか、バームクーヘン」
いろんな名物が登場するものの、今回の写真と関係するようなものはなかなか出てきません。
【兵動さん】
「立派なお店がある。これめちゃくちゃテンション上がるお魚屋さんですね。すごいこれ、パックされてもまだ動いてるよ」
【島のさかな屋花光 店員】
「今日の昼網(で取れた魚)。これも動きますわ(とイカをたたく)」
【兵動さん】
「起こし方が派手やな。こういうの買ったらどうしてくれるんですか?刺し身とか?」
【店員】
「刺身にしてそこ(店内の座席)でも食べられるんですよ」
こちらのお店では淡路島自慢の海の幸を買ってすぐに食べられる場所があるんです。すでに切り身になったものを選ぶこともできますが、せっかくなのでいけすからおすすめの魚を選んでさばいてもらいました。
【兵動さん】
「出た!これすごないですか?これでいくらぐらいですか?」
【店員】
「5000円ぐらいです」
【兵動さん】
「4人ぐらいでシェアできますもんね。つかぬことをお伺いしますけど、白ごはんとかないですよね?」
【店員】
「そうゆうのはないです。持ち込みがOKなんです」
【兵動さん】
「持ち込みOKなん?白ごはんだけ持ってきたらここで食べれんねや。タイいただこか。うまい。というか甘い。わさびとしょうゆの辛みでタイの甘みがぐっと出てくる」
【兵動さん】
「つかぬことを伺いますけど、日本酒なんか置いてないですよね?」
【店員】
「それも持ち込みでOKです」
【兵動さん】
「日本酒、いうてる場合やないわ。写真のこと聞かなあかん」
【兵動さん】
「ちょっとこれおんなじとこから写真撮りたいんですけど、淡路島の名物が写ってるっていうんですよ」
【店員】
「『淡路瓦(あわじがわら)』かな。有名ですね。この店舗の屋根は淡路のいぶし瓦使ってるんですけど」
【兵動さん】
「この上?見せてもらおう。(外に出て屋根を見上げて)これが淡路瓦ですか。めちゃくちゃきれいな」
【店員】
「そうですね。色が独特の(いぶし銀)」
淡路瓦は400年以上の歴史を持つ淡路島の伝統産業です。いぶし銀の美しい色合いが特徴で、日本三大瓦の一つにも数えられています。
【店員】
「自慢の(屋根)。100万円以上しましたね」
【兵動さん】
「でも値打ちはあるわね。これ作られてるのって、どのあたりで作られてます?」
【店員】
「洲本ではないですね。南あわじ市のほう。今も工場があります」
【兵動さん】
「煙突もひょっとしたらその関係かもしれないですね」
■南あわじ市で「淡路瓦」の工場を訪ねます
南あわじ市の中でも津井という町が特に有名だということで行ってみると、街のいたる所に瓦が飾られたり、瓦を作っている工場が見られます。
【兵動さん】
「あーなんかいっぱいある。ちょっと聞いてみよ」
【兵動さん】
「お忙しい所すいません。関西テレビの『newsランナー』っていう番組で、兵動ですけど。こちらは瓦を作られているとこですか?」
【谷池健司製瓦所代表 谷池永充さん】
「はい、瓦作ってます。淡路瓦です」
【兵動さん】
「昔の写真持って、今どうなっているのかいうので回らせてもらってましてね。これが昭和30年代の写真で」
【谷池さん】
「これ見たことあります。僕分かります。今でも、トンネルの上から見た景色がこれですね。この近くです。瓦を作る工場の屋根ですね」
【兵動さん】
「淡路瓦って話だけ聞いていて、淡路瓦と普通の瓦と何が違うんですか?」
【谷池さん】
「淡路島で採れる粘土がキメが細かいんですよ。キメが細かい瓦を焼くことによって、いぶし銀の艶がきれいで、豪華なので、きれいな屋根になるということですね」
【兵動さん】
「結構しっかりしてる。これを1枚づつ作って、並べるんですか?」
【谷池さん】
「そうです。うちの会社は一番上ばっかりを作る専門の会社なんですよ。『棟(むね)』っていうんですけど。淡路瓦っていうのは分業制なんですよ」
【兵動さん】
「分業制なんや。それは知らんかった。ほんなら全部(屋根の)横だけ作っている会社もあると」
昭和の初期には700軒以上の生産業者が存在し、京阪神で絶大な人気を誇っていた淡路瓦。しかし現在は約60軒にまで減少しているそうです。
【兵動さん】
「マンションも増えてきたし、瓦使う所が絶対的に減ってきたというのがあるんでしょうけど。昔、最盛期の頃はやっぱりこの辺にぎやかだったんですか?」
【谷池さん】
「にぎやかでしたね。みなさん瓦ですごくもうけて、“瓦御殿”がこの辺にはいっぱいありますね」
【兵動さん】
「今ご自身は、瓦御殿は?」
【谷池さん】
「僕、瓦御殿に住まさせてもらってます」
【兵動さん】
「先人の家に住まわせてもらっているんですね」
■生産減少する淡路瓦 新たなビジネスに取り組む生産者も
そんな現状を打開すべく、谷池さんはちょっと変わったビジネスも行っています。
【兵動さん】
「瓦割り体験道場!」
【谷池さん】
「入る時にですね、扉の真ん中を『たのも~』って言って入ってください。道場破りに来た感じですね」
【兵動さん】
「ほんまにやっていいの。『たのも~!』(勢いよく開けた扉が跳ね返って閉じてしまって)。なんやったんこれ。めちゃめちゃ恥かいた」
その名の通り瓦割りを体験できる施設。淡路島を訪れる観光客に向けて始めたそうで、ストレス発散に最適なこともあり、かなりの人気を集めているそうです。
【兵動さん】
「今ここに積んでんのは瓦割り用の瓦?」
【谷池さん】
「僕が作ってます。一生懸命。割ってもらったら拍手しています」
【兵動さん】
「普通、瓦屋さんやったら『割んなや』ってならへんの?」
【谷池さん】
「(先代の)父親は『割るな』っていうんですよ」
【兵動さん】
「お父さん世代は『割ったらあかんよそんなもん、瓦、ウチの売り物やのに』って、なんぼ割る専用やいうたってとなるけど、もう代変わりして好き放題してるんや」
【谷池さん】
「チャンスやと思って」
そして道場には気分を盛り上げるためのコスプレ衣装も豊富に用意されているので、兵動さんも着替えて気分を盛り上げます。
【兵動さん】
「押忍。ストレスの塊です。そのストレス、全部ここ(瓦)にいかせていただきます。いきます」
【兵動さん】
「『風呂入れ』って言うたら、すぐに入れ!」
お見事!兵動さん、10枚の瓦を真っ二つにしました。
【兵動さん】
「子どもが風呂に全く入れへんのがものすごいブワーっなってたんですけど、これで今スッとしました。これ(瓦割りしたのは)、最高齢何歳ぐらい?」
【谷池さん】
「92歳です。92歳の人が5枚割ってました。杖ついていたんですけど、(スッキリして)帰りはこう(胸を張った姿勢)でした」
【兵動さん】
「うそつけ」
さて写真の場所を確認しようとしたところ、その前に珍しい瓦を作っている人がいると紹介されました。
【谷池さん】
「オニシさんという方が…」
【兵動さん】
「オニシっていうのは?」
【谷池さん】
「鬼瓦を作る。鬼瓦の『鬼』に『師』。女性の方もおられます。(女性の方がやられているのは)かなり珍しいですね。女性にしかできないようなもん作ったりとか、いろいろ作られてますね」
■“鬼瓦”を専門に作っている工場におじゃまします
紹介された鬼瓦を専門に作っている会社におじゃましました。
【兵動さん】
「『鬼瓦』っていうのは、もう全部鬼の顔なんですか?」
【タツミ 興津裕扶社長】
「よく言われるんですが、屋根の棟の端っこをとめているのを総称して鬼瓦と呼んでいるです。鬼の面をした鬼瓦を『鬼面(きめん)』といいます」
そしてうわさの女性鬼師というのが…
【興津さん】
「私の妻なんです」
【兵動さん】
「えっ、そうなんですか。おじゃまします」
モノづくりが好きだった奥さんの直子さんは、当初はオブジェや雑貨などを作り、夫の会社を手伝っていたのですが、2年前から淡路島で唯一の女性鬼師として本格的に活動を始めました。
そんな直子さんが作る鬼瓦とは?
【兵動さん】
「これはきれいわ。すごい。花びらの鬼瓦。こういう発想はやっぱり男性にはない発想ですよね。お値段いくらぐらいするんですか」
【興津さん】
「5万円ぐらい。ほんで、猫が好きなんで、猫をちょっと入れたりとか」
【兵動さん】
「すごい。どっかの家にこの鬼瓦があるんですよね。すてきな話やな。旦那さんはそういう修行はしてないの?」
【興津さん】
「僕はしてないです。作らないんじゃなくて、作れない」
お2人に写真の場所を確認します。
【興津さん】
「昔はここが(街の)メイン道路で、両サイドに瓦屋さんがたくさんあった」
【兵動さん】
「この辺はほとんど瓦屋さんやったということやんね」
やはりこの街で間違いないとのこと。トンネルの場所を教えてもらい、写真と同じように、通りを上から眺められるポジションに行きます。
【兵動さん】
「はいはい。道は変わってないもんね。いきましょう。はい、チーズ」
「今回は淡路瓦という、いぶし銀の瓦があると勉強になりました。皆さんも家建て替えるときどうでしょうか?淡路島最高ですね。ほんとにまた来たいと思います。」
(関西テレビ「newsランナー」2023年6月23日放送)