インスタントラーメンや落語で知られる池田市 熱狂的なファンを持つ希少な動物・ウォンバットがいる動物園へ ある国との意外なつながりを発見!【兵動大樹の今昔さんぽ 関西テレビ「newsランナー」】 2023年11月17日
【兵動さん】
「今回は阪急池田駅前からスタートでございます。池田といえば、インスタントラーメンの街、池田。落語の街、池田ですね。楽しい街です」
大阪の北部に位置する池田市は、古典落語の舞台として多く登場することから“落語の街”と呼ばれています。そして、日清の創業者・安藤百福さんが世界初のインスタントラーメンを生み出したのも、この街です。
■写っているのは何の動物?しかし有名なのは…
【兵動さん】
「えぇ、これもすごい写真やなぁ。なんだこれ?」
これは1967年(昭和42年)に池田市で撮影された写真です。どこの風景か分かりますか?
【兵動さん】
「僕、あんまり動物に詳しくないから分からないですけど、これ何やろ?(写っている動物が)逃げたってことでもないですよね。英語の何かが書いてある」
まずは駅前で聞き込みをすることに。
【兵動さん】
「(写真を見せながら)これ何やと思います?この動物」
【街の人】
「ワラビー。カンガルーの小さいやつ。五月山の動物園があるから。市がやってる動物園で、タダですよ。もともと、池田市は“ウォンバット”っていう動物が(有名)」
【兵動さん】
「ウォンバット?」
【街の人】
「池田市の動物って感じです。ここ(五月山動物園)にもいてますわ」
写真の場所は「五月山動物園」だそう。開始早々に有力な情報を得ました!しかし、気になるのは、写っているワラビーよりも、ウォンバットという動物の方が有名ということです。
【街の人】
「ウォンバットは有名です」
他の人に聞いてみても、やはりウォンバットは池田では有名な動物とのこと。
【街の人】
「(池田市は)ウォンバットだらけですよ。めっちゃウォンバット。そこの観光案内所とか行くとウォンバットグッズがいっぱい売ってます」
【兵動さん】
「なんでそんなにウォンバットだらけに?」
【街の人】
「多分、ウォンバットが日本で(いるのは)ここ(池田市)か長野しかいないみたいな」
【兵動さん】
「(ウォンバットを見に)行かれたことあります?」
【街の人】
「あります。一人で行ったり、子どもと行ったり」
【兵動さん】
「一人で行くこともあるの?」
【街の人】
「ウォンバットに会いたいなと思って。めっちゃ癒される」
【兵動さん】
「癒される?まだウォンバットのフォルムが(頭に)出てきてないのよ」
【街の人】
「今行っても会えないんですよ、まだ。今は(お昼寝時間で)寝てて…」
【兵動さん】
「なんでそんなウォンバットに詳しいの!すごいね」
【街の人】
「私、ウォンバットの人形と一緒に寝てるんで」
【兵動さん】
「来世、結婚するならウォンバットですか?」
【街の人】
「もちろん」
【兵動さん】
「むちゃくちゃ楽しみになってきた」
熱烈なウォンバットファンの方から情報を教えてもらい、期待が高まる兵動さん。今動物園に向かってもワラビーにしか会えないかもしれないということで、「池田市観光案内所」に寄り道します。
■池田ならではの“ある食品”を使用した名物グルメ
観光案内所に到着すると、気になるのぼりがありました。
【兵動さん】
「なんやこれ。池田名物“池カラ”やって。衣がチキンラーメンやって。ほんま?」
観光案内所に入ってみると、中はまるでカフェのようです。
【兵動さん】
「案内所って聞いたんやけど。めちゃくちゃ洒落た案内所やんか。1個ずつ処理しよう。ウォンバットのグッズがあるって、どれがウォンバット?」
【池田市観光案内所 スタッフ】
「こちらです」
案内所には、ウォンバットのぬいぐるみなどのグッズがありました。ぬいぐるみを手に取る兵動さん。
【兵動さん】
「むっちゃかわいいやん、ウォンバット。ほんまに、リアルにこんな顔してるの?」
【スタッフ】
「はい。とってもかわいい顔をした動物です」
ウォンバットがどんな動物か知ったところで、もう一つの気になるものをチェックします。
【兵動さん】
「すごいな、周りが全部チキンラーメン?」
砕いたチキンラーメンを鶏肉にまとわせて揚げた「池カラ」をいただくことに。チキンラーメンは池田市で発明された、世界初のインスタントラーメンです。
【兵動さん】
「めちゃくちゃうまい!何これ。チキンラーメンの麺がすごくいい味付けやから、これを衣にして、あとは何も味付けいらんよね」
【スタッフ】
「池田市のB級グルメの“池-1(いけワン)グランプリ”というコンテストで優勝したものなんです」
【兵動さん】
「もうちょっと範囲広げようよ。北大阪グランプリで“北-1(きたワン)”とかさ。池田って観光で来る人も多いの?」
【スタッフ】
「最近は海外のお客様がとてもたくさん来てくださっています。日清の(カップヌードル)ミュージアムに行った帰りに寄られる方が多いです」
【兵動さん】
「世界の(インスタント)ラーメンがどこで作られたかって、来るわな。あと、池田の街にはウォンバットだらけっていうのは、ほんまに?」
【スタッフ】
「銅像とかマンホールとか、たくさんあります」
【兵動さん】
「銅像とかマンホール?意識して見てみよう。それ見ながら向かいましょうか」
■初めて見るウォンバットに「ずっと見ていられる」
写真の撮影場所と思われる五月山動物園へ向かいます。歩いていると、早速ウォンバットのマンホールを見つけました。さらに、至るところにウォンバットの銅像も。まさに“ウォンバットだらけ”という言葉がぴったりの街です。
【兵動さん】
「五月山公園にやってまいりました。この先を抜ければ動物園ですかね。これ全部、桜やって、桜並木。(春は)きれいやろな。散歩しに来るの最高やね」
五月山公園は、春は桜の名所として人気のスポットです。
【兵動さん】
「これが動物園。かわいい入り口やんか」
五月山動物園は、地域の子どもたちの情操教育を目的に、1957年(昭和32年)に開園した市立動物園です。甲子園球場の10分の1未満の小さな敷地の中に、13種68頭の動物が飼育されています。
副園長の遠藤さんに園内を案内してもらい、ウォンバットに会いに行きます。
【兵動さん】
「大変ですよね。市が運営していて、入場無料でしょ」
【五月山動物園 副園長 遠藤太貴さん】
「そうですね」
【兵動さん】
「動物はどこかから買うんですか?」
【遠藤さん】
「購入もありますが、いただいてきたりとかもあります。他の動物園の閉鎖に伴って、こちらにいただいたり。あとはアルパカとかですと、プリンセス天功さんが池田市でイリュージョンショーをした時に、アルパカをいただいたんです」
園には寄贈された動物もいるとのこと。そんなお話を聞きながら園内を案内してもらい、いよいよ池田のアイドル・ウォンバットと初対面です。
【兵動さん】
「あ!かわいい!めちゃくちゃかわいいんですけど。何科の動物なんですか?」
【遠藤さん】
「一番近いのはコアラかなと」
ウォンバットは有袋類(ゆうたいるい)といって、お腹にある袋で子育てをする哺乳類だそうです。
【兵動さん】
「池田を象徴する動物だって聞いたんですけど」
【遠藤さん】
「ウォンバットはとても珍しくて、国内でも6頭(しかいない)。こちらでは4頭を飼育しています」
【兵動さん】
「(国内にいるウォンバットの)半分以上?なんでそんなに希少なんですか?」
【遠藤さん】
「オーストラリアの固有種ですので、輸入も難しいということで」
【兵動さん】
「ここの動物園でウォンバットが飼育できるのは?」
池田市は、オーストラリアのタスマニア州にある「ローンセストン」という街と姉妹都市提携を結んでいて、その友好の証としてウォンバットが送られてきたのです。
さらに、五月山動物園には、人々を熱狂させる特別なウォンバットがいます。世界最高齢、34歳のウォンバット「ワイン」です。
ウォンバットの檻の前で出会ったのは、開園から閉園までここにいるという、ウォンバットが大好きな女性でした。
【見物客】
「ワインさんかわいい。私はワインさんがすごく好きなんです。世界最高齢で」
【兵動さん】
「ギネスブックに載ってる?」
【見物客】
「毎日(記録を)更新中です」
【兵動さん】
「皆さん、(ウォンバットへの)ラブ感がすごいんですよ」
と言いつつ、兵動さんも「ずっと見てられるわ」と、ウォンバットの愛らしさに魅力を感じたようです。
ウォンバットが大好きな人たちのために、園では複数のカメラを設置し、ホームページやYouTubeで24時間のライブ映像を配信しています。また、街のマンホールには、今年からQRコード付きのものが登場。ここからしか見られない特別映像へつながるようになっています。
■今回の目的はワラビー 写真の撮影場所へ
噂のウォンバットとの対面は果たしましたが、本来の目的は…?
【兵動さん】
「これがワラビーですか」
さすが兵動さん、忘れていませんでした。本来、目的としていた動物は、ウォンバットではなくワラビーです。ワラビーは、カンガルーと似た姿をしています。
【兵動さん】
「ワラビーとカンガルー、何が違うんですか?」
【遠藤さん】
「大きさです。大型の種類がカンガルー、小型の種類がワラビー。さらにその中間もいまして、ワラルーといいます」
ここで、今回の写真について聞いてみます。
【兵動さん】
「昭和42年の写真でして、(写真を見せながら)これがワラビーちゃうか、ということなんですけど」
【遠藤さん】
「最初はワラビーと羊が送られてきたんです。(ウォンバットは)その後ですね」
ウォンバットは1990年に来園したそうです。
【兵動さん】
「ワラビーが来た時の写真ということですか?」
【遠藤さん】
「だと思います。この輸送箱があるので。(後ろに写っている)こちらの方はオーストラリアの関係者なのかなと」
写真について分かったところで、撮影場所を案内してもらいます。当時は今と違う場所でワラビーを飼育していたそうで、そこで写真を撮ります。
【兵動さん】
「はい、チーズ。無料で入れて、みんなを癒してくれる。また寄らせていただきます。僕がウォンバットの前で3時間くらいおったら、“もう3時間ですよ”と言ってください。それくらい癒されると思います。ありがとうございました」
(関西テレビ「newsランナー」 2023年11月10日放送)