学校法人・森友学園をめぐる文書の改ざん問題です。
刑事告発されていた財務省の佐川元理財局長を検察は不起訴処分としましたが、一般の市民から選ばれる検察審査会は29日、「不起訴は不当」と議決しました。
森友学園に国有地が8億円あまり値引きされて売却されていた上、それに関する決裁文書が改ざんされていた問題。
売却を担当した近畿財務局の池田靖・元国有財産統括官らが国に損害を与えた背任の疑いで、改ざんを指示した財務省の佐川宣寿元理財局長らが公用文書毀棄などの疑いで刑事告発されましたが、大阪地検は不起訴にしました。
弁護士や大学教授からなる市民グループは「納得できない」として、一般の市民から選ばれた検察審査会に申し立てていました。
そして3月29日、検察審査会は池田氏と佐川氏らについて、「不起訴は不当と議決した」と発表しました。
値引きについては「政治家による働きかけがあったか証拠からは判断できず、さらに捜査を尽くすべき」改ざんについては「言語道断の行為」と指摘。そのうえで、「このような社会的注目を集める事件は、公開の法廷で事実関係を明らかにすべき」としています。
去年3月、改ざんを苦にした近畿財務局の54歳(当時)の職員が自殺していて、遺族は関西テレビの取材に対し、「真相を知りたい」と話していました。
【改ざんを苦に自殺した職員の父親(84)】※今年1月
「なんぼ腹立っても、仕方がないことです。終いにはごまかされた感じになってしまいます、我々にとっては。(佐川氏を)裁判でもかけてもらった方がいいように思いますけどね」
大阪地検は「内容を踏まえて適切に対応したい」とコメントしていて、今後捜査を再開することになります。