30日の参院予算委員会でも関西テレビが入手した音声データを基に野党が国の「口裏合わせ」について追及しました。
果たして政府は「丁寧な説明」をしたのでしょうか?
【共産・辰巳孝太郎議員】「本当に謝罪しないですね。官僚に責任転嫁する姿勢に国民は絶対に納得しないと思います」
政府が「適切な取引だった」と国民に嘘の説明をしたのではないかと、安部首相に謝罪を求めた共産党の辰巳議員。
これまで国は、森友学園の小学校建設予定地の地中深くにゴミが見つかったため、
その撤去費用として8億円値引きして国有地を売却したと説明してきました。
しかし、関西テレビが入手した音声データでは、籠池夫妻を前にして国が主導して“口裏合わせ”をしたようなやりとりが残されています。
<音声データ 去年3月下旬>
【国側の職員とみられる人物】
「その下にある(新たな)ゴミは国が知らなかった事実なので、
そこはきっちりやる必要があるでしょというストーリーはイメージしているんです」
【工事業者とみられる人物】
「そういうふうに認識を統一すべきなら我々合わせるが」
【池田靖国有財産統括官(当時)とみられる人物】
「そういう方向でお話し合いさせてもらえたらありがたい」
国が「値引き」ありきで、ゴミがあたかも深いところから見つかったというストーリーに誘導しているように聞こえます。
28日の衆院予算委員会で国はこの音声データについて初めて本物と認めましたが、「口裏合わせではない」と否定しました。
そして30日―
【財務省・太田充理財局長】
「(音声のやりとりは)一部を切り取られています。このことだけでうんぬんと言われるのかはいかがかと思う」
【共産・辰巳孝太郎議員】
「口裏合わせをしたと音声データもあるのだから、総理、調査をすべきじゃないですか」
【麻生太郎財務相】
「先ほど、太田理財局長から申し上げた通りで、それ以上でもそれ以下でもありません」
【安倍晋三首相】
「所管の財務大臣が答弁した通りでございます」
【共産・辰巳孝太郎議員】
「全く丁寧に説明する気がないということがはっきりしたと思います」
衆参合わせて4日間取り上げられた森友学園問題。
しかし、浮き彫りとなったのは、野党の連携不足による「一貫性のない追及」でした。
《27日・衆院予算委》
【立憲民主・長妻昭代表代行】
「(8億円値引きの経緯は)適切というのが会計検査院の報告で覆された。国会や国民への謝罪は?」
立憲民主党が強く追及したのは、会計検査院が「8億円の値引きは根拠不十分」と結論づけたことへの安倍総理の謝罪。
また共産党は、音声データを元にしたやりとりを追及しましたが…
民進党は音声データについては一切触れず、「国有地の再調査」を繰り返し要求しました。
さらに希望の党の長島政調会長は…
《28日・衆院予算委》
【希望の党・長島昭久政調会長】
「とにかく相手を叩けばいいみたいなそういう議論は私たちは致しません。お互いにこの国をどうやって良くしていくか、
そういう建設的な議論をやっていく。そういう政党であるとまず言っておきます」(与党から拍手)
と森友問題を追及する他の野党を戒めるかのような発言も…。
この状況に無所属の会の岡田代表は…
【無所属の会 岡田克也代表 28日】
「野党がなるべく協力しながらやった方がいい。衆議院・参議院(野党)三党がこういう疑惑解明の問題は
少なくとも一体となってやった方がいいのではないか」
これまで国会で森友問題を追及してきたある野党議員はこうボヤきます
【森友問題を追及してきた野党議員】
「無所属と希望は一緒にやろうとしているが、立憲は拒否した。混ざると昔の民進党と変わらないとの批判を避けたいらしい」
野党の足並みがそろわない中、今後も巨大与党に対峙できるのでしょうか?