森友学園との国有地取引をめぐって、財務省は”廃棄”したとしてきた交渉記録などを国会に提出しました。
さらに「国会の答弁に合わせるために廃棄を進めていた」と明らかにしました。
改めて政府の説明責任が問われる事態となっています。
【財務省・太田充理財局長】「内容はこれから国会でご報告しますから」
高く積みあがった書類は、950ページを超える森友学園と財務省との交渉記録。
これまで財務省が「破棄した」と説明してきた交渉記録が個人のパソコンなどに残されていたとして、国会に提出しました。
その際、財務省から予算委員会の理事に対し、驚きの説明が…
【財務省・佐川寿宣前理財局長(当時) 去年2月】
「財務省の行政文書管理規則に基づきまして、速やかに事案終了で廃棄をしているということだと思いますので、記録は残ってございません」
【財務省・佐川寿宣前理財局長(当時) 去年4月】
「パソコン上にもやりとりみたいなデータは残っていない」
当時の佐川理財局長は交渉記録は「規則に基づいて破棄した」と説明してきましたが…
実は去年2月に森友問題が明るみになった後、財務省は佐川答弁との整合性を取るために、決裁文書の改ざんと同時並行で『保管していた交渉記録の廃棄を進めていた』ことを明らかにしたのです。
【立憲民主党・福山哲郎幹事長】
「昨年からの国会の1年間は何だったのか、国会と国民を馬鹿にするのもいい加減にしろと」
では、ようやく明らかになった交渉記録には、何が書かれていたのでしょうか?
例えば2015年9月の記録では、これまで財務省が指示を否定していた「地中ごみ」の埋め戻しについて施工業者と合意したととれる記述が…
また2015年11月の記録には、安倍昭恵総理夫人付きの政府職員だった谷査恵子氏と理財局とのやりとりが…
谷氏の言葉として「安倍総理夫人の知り合いから優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、問い合わせをした」と記されていました。
これは、森友学園側が国有地の貸付額の減額を昭恵夫人に頼み、その要望を谷氏が理財局に伝えていたことになります。
さらに小学校の説明として「安倍総理夫人が名誉顧問に就任した小学校」とあえて記載している個所もありました。
野党側は「昭恵夫人が交渉に関与した疑いが強まった」として追及を強める姿勢です。