成人年齢引き下げで 「18・19歳もローン契約を結べる。金融リテラシーを身につけて」 金融担当の内閣府大臣政務官・宗清皇一議員に訊く! 2022年03月31日
東京駐在のカンテレ記者が、キーパーソンに取材するWEB特別レポート。
今回は、内閣府大臣政務官(金融担当)で衆議院議員の宗清皇一氏です。
4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられます。これまでよりも早い“大人”の仲間入りで社会参加が促される一方で、親などの同意を得なくても様々な契約ができるようになるため、国も「トラブルに注意!」などと警鐘を鳴らしています。
成人年齢が20歳とされたのは、明治9年。およそ140年ぶりの大変革にどう備えたらいいのか、ポイントを訊きました。
■権利が増える、それに対して責任を負う 当たり前の理屈ですよね
―――Q:成人年齢が下から18歳に引き下げられます。意味合いは
4月1日から、18歳、19歳の子が色々な契約を結べるようになる。例えば、携帯電話の契約や、ローンを組んだり、クレジットカードを作ったり、お金にまつわる契約ができるようになる。18歳、19歳の方にも知ってもらいたいのと同時に、「うちの息子、娘が勝手に契約してきたわ」ってことにならないように保護者の皆さんにも知ってもらいたい。
―――Q:未成年者が親などの同意を得ずに契約をした場合、原則として契約を取り消すことができた「未成年者取消権」が使えなくなる。
一定、自己責任になってくるわけですよね。正当な契約については取り消しができなくなる場合もあります、しっかり見てもらわないといけない。部屋を借りたりもできますからね。
―――Q:やれることが増えるかわりに、責任も増える。
そうです。それは当たり前の理屈ですよね。権利が増える、それに対して責任を負う。
■自分がどういう人生を歩んでいくのか 若いときから考えてもらいたい
―――Q:各省庁のHPでは、積極的に注意喚起をしている。気を付けてほしいことは
まずローンですね。18歳、19歳も成人としてローン契約を結べるようになる。僕らの時は全部現金で、お札がないと支払ができなかった。でも今の若い子はスマホでどんなことだって契約をする。物を購入したり、お金を借りたり、何でもできる。お金が借りやすい環境になったことに加えて、金融に対して知識のない方が借りやすい環境になるので、注意が必要です。金融庁では、18歳、19歳の若年者が過大な債務を負うことがないよう、貸金業者が自主ガイドラインを遵守しているかを確認するなど、適切にモニタリングを行っていきます。無理な貸し付けが疑われる場合には、当然、是正を求めることになります。
―――Q:一方で、できることも広がる。将来に向けてどういう知識をつけてほしい
人生がすごく長くなり、生き方が多様化しています。だから、金融リテラシーをしっかり身につけておかないと自分がどう資産形成をどうするのか、どういう人生を歩んでいくのかっていうことを若いときから考えてもらいたいです。
■まず公的保険を知ってもらうということ
―――Q:具体的に知ってほしいところは
生命保険を含めて、民間の保険がたくさんあります。一方で、公的保険もあるので、公的保険でどこまで補償してもらえるのか、どんなサービスがあるのかっていうことを知った上で民間保険を選んでほしい。結構かぶっている所があるんですよ。これだったら、民間保険に入らなくて十分だと思ったら別の部分をカバーする保険に入るとか、金融商品を買うとかできますよね。
(つづき)年金制度もそうです。基礎年金では、お子さんが18歳になるまでの保障もちゃんとつけてあるわけですよ、世帯主が亡くなったり、重大な障害を負ったケースですね。ほとんどの方が知らないので、知らないから無駄な保険に入ることもあるので、それも親子で知っといてもらったらありがたいですよね。
ステージ、ステージで見直しをしていったらいいけど、その知識がなかったら見直せない。なんとなく入ってしまって、ずっと無駄にお金を払い続けていることって結構あるんですよ、大人でも。まず公的保険を知ってもらうということが大事でしょうね。
(関西テレビ東京駐在・原佑輔)