東京駐在のカンテレ記者が、キーパーソンに取材するWEB特別レポート。
今回は、経済産業大臣政務官に就任した衆議院議員の宗清皇一氏です。
小泉内閣で財務大臣を務めた塩川正十郎氏の秘書、大阪府議会議員を経て、現在2期目。
新型コロナウイルスの影響で、開催が約1年延期されていた「ドバイ万博」が今年10月1日からUAE(アラブ首長国連邦)で行われます。
テーマは「心をつなぎ、未来を創る」
これは、2025年の「大阪・関西万博」の1つ前の万博に当たり、日本政府もパビリオンを出展するなど、力を入れています。
「アイディアとの出会い」 新しい行動を起こすきっかけになったら
――Q:4年後の日本での万博を控えて、ドバイ万博をどのように位置づけていますか
ドバイ万博のテーマは「心をつなぎ、未来を創る」なんですね。コロナ禍で今求められるテーマだと思います。その中で日本は、「アイディアの出会い」というテーマでパビリオンを出展します。
日本は、島国で様々な文化を取り入れて独自に文化や生活スタイルを作ってきました。良いものを取り入れて吸収して独自のものを作っていった、日本独特のアイディアとの出会いというのをパビリオンでしっかり発信をしていきたいと思います。さらに、それを見た人が、新しい行動を起こすきっかけになったらいいですね。
――Q:日本は課題先進国という面があります。日本だからこそ、ドバイ万博で表現したいことは
地球規模の問題の解決、SDGs(持続可能な開発目標)の解決ですね。貧困、差別、気候変動など問題は山積です。そういう課題の解決の一助になるようなものを紹介していきたいと思います。
――Q:日本館の準備状況はどうなっていますか
外観については、ほとんど出来ています。また、中身のコンセプトはしっかり出来ているのですが、来ていただいた人にどのように見ていただくかというのは、コロナの中なので、非常に工夫が要ると思うんですよね。
コロナ禍で世界が抱えていた課題が顕在化
――Q:コロナ禍で行うことになり、当初の予定から何か表現など変わった点はありますか
コロナ禍だから中身を変えるということではありません。
今回、コロナ禍でそもそも世界が抱えていた課題が顕在化したんだと思うんですね。
今までの万博は、新しい技術を展示するなど、国威発揚型の万博でした。
でも今はそういう時代ではなくて、地球規模で色々な問題を解決していくということを知ってもらうきっかけになる、テーマやコンセプトを大事にした万博にするべきだと思うんです。
そういう意味で、ドバイ万博の意義は大きいと思います。
だからドバイ万博があるということを、まず皆さんに知ってもらうということが大事。その先の向こうに大阪・関西万博があるという位置付けで考えています。
――Q:インターネットが発達して情報へのアクセスが容易になりました。現代において、万博を行う意味をどのように考えていますか
確かにインターネットが発達して、画面上で検索することは容易になりました。だから“新しいことを発信する”という意味での万博の意義が薄らいでいる可能性はあります。一方で、実際その場に行ってみないとわからないものもあると思うんですね。
だからバーチャルかリアルかではなくて、バーチャルがリアルを補完するなど、互いに補完しあうことが出来るので、実際に来てもらって体験してもらう方がいいと思います。
インターネットが発達したから、バーチャルでいいんだってことではないと思うんですよね。
内向き・閉鎖的では何も残らない 世界の人が集まって“未来”を作っていく場に
――Q:なぜ、コロナ禍のこの時期に万博やるのとかという声もある。
万博には世界各国から人が集まりますから、そこにも意義があると思うんですよ。
そこで心が繋がって、問題を一緒に考えて、新しい未来を作っていく。
今は、コロナのことで万博に対する関心が薄れちゃっていますよね。
だからこそ地元では、万博をやらなあかんじゃないですかって言っているんです。
やっぱり前に目標とか夢とか必要だと思うんです。やっぱり大阪や関西の人にも、2025年には大阪で万博やるんだから、みんなで頑張りましょうとか。こんな今だからこそ、やっぱり万博って言わないといけないと思っています。
みんなが内向きで閉鎖的になってしまっては何も残らない。
未来に残すようなものをやりますっていうことで、みんなが上を向けると思うんです。
ドバイ万博も一緒だと思いますよ。
――Q:ドバイ万博の開催が1年延期されています。大阪・関西万博にもたらす影響はありますか
時間的には、非常にタイトになってるのは感覚としてあります。
通常であれば、一つ前の万博が終わってから各国に対して参加してくださいと活動をするのですが、ドバイ万博が1年遅れたことによって、大阪・関西万博来てくださいという招請活動が遅れるというのは、やむを得ないし、そういう懸念はしています。
でもドバイ万博で日本館を出すわけですから、そこで大阪・関西万博のアピールもしっかりしていきたいと思いますし、各国の駐日大使を通じてのお願いや、外交ルートを通じての活動を今やっているので、全体的な遅れは、きちっと取り戻せると思います。
<2020年ドバイ国際博覧会 日本館HP>
https://expo2020-dubai.go.jp/ja
(関西テレビ・東京駐在記者 原佑輔)