手を後ろで組み、腰を低くして走っていく、上半身裸の男たち…。建物の中に、ずらりと並ばされています。
ここは中米・エルサルバドルの刑務所。彼らは全員ギャングで、その数は2000人。まだ空が暗い中、バスに乗せられます。車内は裸のギャングたちでびっしり。
空が明るくなったころ到着したのは、彼らが入る新しい刑務所です。次から次へと入ってくるギャング。裸の男たちの列がどんどん増えていきます。
実はエルサルバドルでは大統領がギャング撲滅運動を行い、この1年間で6万人以上のギャングを逮捕。その結果、刑務所が過密状態になってしまったのです。
新しい刑務所は4万人を収容でき、アメリカ大陸最大の刑務所といわれています。
こうしたことは日本でもあり得る話なのでしょうか。菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「日本では一応人権がある程度尊重されていまして、あり得ない話です。刑事施設の中の規律に関して昔は監獄法という法律がありましたが、今は刑事収容施設法という法律が施行されたことで、我々弁護士から言えばまだまだというところもありますが、受刑者の人権を配慮するという扱いになっていますので、パンツ一丁で顔も全部公開する形で移送するということは、ちょっとあり得ないと思われます」
(関西テレビ3月1日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)