真っ黒な煙が立ち上り激しく燃え上がる炎…。
目撃者:
「やばい、チャリンコが燃えた…」
2022年5月、東京の都営住宅の駐輪場で起きた火災。バイクや自転車、合わせて38台が燃える事態に。小学生3人がマッチを使って火遊びをしていたところ、バイクのカバーに火が燃え移ったのです。
警察は7月4日、男子児童3人を失火の疑いで児童相談所へ書類送致しました。子供を持つ親は…。
親:
「親が見てないところで何をするか分からない」
「(Q:何歳から子供の責任が出てくる?)中学生くらいやったら物事はっきり分かってくるのかな」
「17歳くらいになったら本人の責任の方がちょっと大きくなるのかな?小学生くらいの年なら100%親かなと思う」
それでも、親の思わぬところで子供は問題を起こすようで…。
親:
「(子供が)やんちゃばっかりして呼び出されたり、しょっちゅうありましたね。(夜遅くに友達と)たまってて補導されたり」
「子供のけんかで謝りに行ったことはあります。両成敗だと思うけど、最終的には親の責任がゼロとは言えない」
子供が起こした事件や事故。親はどんな法的責任を負うのでしょうか。菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「今回の駐輪場で起きた火災の件ですが、場合によっては親が罪に問われる可能性もあります」
――今回は“失火”ということですが、親が失火罪に問われることがあるのでしょうか?
菊地弁護士:
「そうですね。例えば子供にマッチを与えて遊ばせておいたり、子供が容易に取り出せる所にマッチを置いておいてたき火で遊んでみせたりとか、そういう親側に落ち度があった場合には失火罪として刑事責任を問われることもあり得ますので注意していただきたいと思います」
――今回は38台のバイクや自転車が焼けたということですが、損害賠償についてはいかがでしょう?
菊地弁護士:
「子供さんの賠償責任は年齢などで変わってきます。ちょうど小学校の高学年になるような年齢のお子さんになりますが、言われているのはだいたい10歳ぐらいまでの場合は、子供さんが良い悪いの判断をする能力がまだないということで、子供の責任が認められず親が代わって賠償をすると。否定された例もありますので100%ではありませんが、基本的にはこういうことになります。それよりも上の11歳、12歳くらいから本人の良い悪いの判断がついて子供自身の責任が認められるケースが多くなってきます」
――しかし、それくらいのお子さんですと賠償責任があっても支払い能力がないということになりますね。
菊地弁護士:
「じゃあその支払い責任が親の方に行くかどうかということですが、親側に落ち度があったのか、なかったのかがポイントとなります。親がそういうことをしてはダメだと教育していなかったり、あるいは以前にもしたのに再びすることを防ぐのを怠っていたりした場合、落ち度が認められて親に賠償責任があるということになり得ます。一方、ちゃんと教育をして万全の体制をとっていたということであれば、親の責任はなしということもあります」
(関西テレビ7月13日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)