愛媛県松山市役所で今、職員向けの「身だしなみルール」が物議を醸しています。
(リポート)
「廊下には身だしなみの注意点が張り出されています。『ミニスカートは不可。髪は意図的に染めることは不可。白髪染めは地毛の色で』など細かく指定されています」
「勤務時間中の身だしなみモデル」と題したこの規定。ミニスカート不可など、強調された禁止事項以外にも気になるのが…。
<規定の内容>
「結婚指輪以外の装飾品は身につけない」
市議会で見直しを求める声が上がりました。
松山市 梶原時義市議:
「『身だしなみモデル』の中身には、社会の流れに抵抗するかのごとき、悪しき昭和のにおいがしてなりません。こういう規定はハラスメントではないのかということを含め、説明と見直しを求める答弁をお願いします」
これに対して松山市の総務部長は…。
松山市 総務部長:
「おしゃれを目的とした装飾品は、公務職場でふさわしいとは言えないため、(市職員に)身につけないようを示すことはハラスメントとは考えておらず、現時点で見直しは考えておりません」
そもそも、このルールは市役所を訪れる市民に好感を持ってもらうために、職員の制服が廃止された2006年度に細かく定められたのですが、当の職員たちは…。
松山市職員:
「その通りかなって思って働いています」
「多少(のおしゃれ)はいいのかなと、ちょっと厳しすぎるんじゃないかな。『古いな』と思いましたね(笑)」
市の人事課によると、「これまでにルールを守らなかったという理由で処分を受けた職員はいない」ということです。
今回の市の規定について、菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「自由の縛り過ぎは違法にもなってしまうのではないでしょうか。確かに市民に好感を持ってもらって、信頼されるという目的はいいと思います。しかし、例えば『髪を黒じゃなくて栗色にちょっと染めることが、好感度とどう関係あるんですか?』ということを、ちゃんと市側が説明できないような縛り過ぎはやめたほうがいいんじゃないかと思います。職員の方の自由、自己決定すべき領域への不当な干渉にもなるんじゃないのかと考えます。むしろ、ちょっとおしゃれをした方が、職員の方も生き生きと働けるのではないでしょうか」
(関西テレビ7月13日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)