7月10日に投開票を迎えた参議院選挙。熾烈(しれつ)な選挙戦が繰り広げられた中、ある候補者に頭を抱える事態が起きていました。
田村真菜さん:
「結局何がダメなのか、どこからダメなのかよく分からなかったです」
今回の参院選で、東京選挙区で立候補した田村真菜さん。4歳の息子をおんぶして街頭演説を行ったのですが、実はここに問題が…。
田村さんは普段、息子を保育園に預けていますが、「行きたくない」という日もあり、息子を連れて選挙戦を戦おうと考えていました。
しかし、法律で18歳未満の選挙運動は禁止されていて、田村さんによると選挙管理委員会から「選挙期間中に子供を抱っこしたり、一緒に歩いたりするのは法律違反になる可能性がある」と告げられたというのです。
田村真菜さん:
「私が近くにいるのがダメだったら、例えば街頭演説の時にボランティアのスタッフが列の端とかで子供を見てたら大丈夫なんですか?って聞いたら、『それも駄目です』っていうことだったので…。選管の方も意地悪で言ってるというよりは、他陣営から言われたりとか、今だとSNSで写真を撮られた時とかに違反でないと言い切ることができないみたいな言い方だった」
問題になるかもしれないとは分かっていたものの、子供がぐずってしまい、何度か子供をおんぶして街頭演説を行いました。
自ら警察に行ってこの行為について尋ねましたが、摘発はされなかったということです。
田村真菜さん:
「子供を生んだからこそ、地域の政治とか国政に関心を持たれる方っていらっしゃると思うので。それなのに小さい子供がいるお母さんが選挙に出づらいっていうのは、何なんだろうなとは思いますね」
一方、東京都の選挙管理委員会は13日、関西テレビの取材に対して「そういった事実はなく、街頭演説で子供をおんぶしただけでは違反にはならない」との見解を示しました。
この問題について菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「幼児特例の法改正をしたらどうでしょうか。確かに公職選挙法では、18歳未満は選挙運動をしてはいけませんと定められていますが、4歳のお子さんが『選挙運動』と分かるでしょうか。このケースに当てはめるのは疑問が残ります。また18歳未満の人を使って選挙運動をしてはいけません、ともされていますが、母親がぐずった子供さんをあやすのは正当な行為なのではないでしょうか。こういう疑問を持ちながら選挙運動をしなくてもいいように、例えば但し書きで『こういう場合はいいですよ』というような改正をするというのはいかがでしょうか」
(関西テレビ7月13日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)