2021年12月、真夜中の午前0時すぎ。大阪市の運送会社に現れた、フードをかぶった人物。
突然トラックの窓ガラスを割ると…。運転席に何かを入れた次の瞬間、車内に白い煙のような物が充満しました。
被害に遭った運送会社代表:
「ガラスが割られて消火器の粉が中に噴射されている状態」
座席やハンドルなど、運転スペース全体がピンクの消火剤まみれに…。
しかし、これだけでは終わらず、その後もう1人が車でやってきて、2人がかりでトラックの窓ガラスを次々と割り、同様に「噴射状態」の消火器を全ての車に投げ入れたのです。
わずか6分ほどの犯行で、18台のトラック全てが運転不能となりました。
被害に遭った運送会社代表:
「消火器の粉はすごく粒子が細かくて、トラックの電気系統全部アウトになるので。4トン車で(修理代が1台)500万円。(修理費合計は)8000万円ぐらいですね」
別のトラックのレンタル代なども含め、被害総額はおよそ1億円にも。
警察は犯人の行方を追っています。
犯人はどのような罪に問われるのか、菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「この運送会社はトラックが全てダメになってしまって業務を妨害されてしまいました。しかも消火器の噴射という威力を用いていて、威力業務妨害罪は明白だと思います。あとはトラックに対する器物損壊罪もあります。被害額からして懲役2年くらい、場合によっては実刑もあり得る犯罪です」
(関西テレビ6月15日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)