女性:
「心配です、昼に学校からメールがあって集団で帰りますって来てたので」
6月6日、大阪市に住む小学生の母親が見せてくれたのは…。
<メール画面>
「6月6日に市内を一人で歩き回る幼稚園児と女子小学生を誘拐するという内容の書き込みがありました」
6月に入って、大阪市のホームページの問い合わせ窓口に小学生や幼稚園児の誘拐をほのめかすメールが届き、保護者に注意が呼び掛けられました。
さらに大阪市には、6月28日の誘拐予告も届いています。実は、こうした子どもの誘拐や子供に危害を加えるといった書き込みが、5月末から全国の自治体に相次いでいます。
静岡県掛川市では、小学校の下校時間に合わせた防犯パトロールが行われ、市や学校の職員が警戒する事態に…。
掛川市 危機管理課 杉山公彦係長:
「不審者の把握や警察への通報に従事していく」
熊本県菊池市の小学校では集団での登下校が呼び掛けられ、保護者が付き添う様子も。
北海道から九州まで広がっている「誘拐予告」。親たちに大阪市内で話を聞くと…。
親:
「一人で外で遊ぶっていうのはちょっと無理な感じですね」
「いたずらかなと思ったり、でも現実になったら怖いので、しばらく不安は続きますね」
子供:
「友達と一緒に固まって帰ろうと思った。常に帰る時は防犯ブザーを持ってる」
地域を不安に陥れる誘拐予告。一体どんな罪になるのでしょうか。菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「誘拐予告は、イタズラのつもりでやっても実際は重い罪になります。こうした誘拐予告などがあると、市の職員がパトロールしたり教師が下校に付き添ったり、本来やらなくてもいいことで、業務を混乱させるということで、威力業務妨害罪に問われることがあります。
威力というのは『え!?誘拐?』というような皆がビックリするようなことでして、それで業務を妨害すると3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。単なるイタズラなどではなく立派な犯罪です。
しかも、1人によって多数の自治体に対して行われているとなると、罰金では済まず懲役で1年程度の可能性があります。初犯なら執行猶予になるかもしれませんが、実刑だってあり得ないではないという重大な犯罪です。
イタズラ半分でも、摘発されて自分が法廷に出ることを想像してください。これは結局自分が責任を取らなければいけない、大変なことになりますから、やめてほしいと思います」
(関西テレビ6月8日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)