都内の住宅街に響き渡るチェーンソーの音。切られていくのは、イチョウの木です。その傍らでは…。
反対する住民:
「この春、芽吹いたばかりのイチョウが悲しんでいます!」
イチョウの木にしがみつく人たちの姿が。
東京・千代田区は6年前、歩道を拡張するなどの整備計画を打ち出しましたが、この計画で樹齢100年のイチョウが伐採されることになり、反対する住民が抗議活動を続けているのです。
反対する住民:
「木を切らないで、沿道整備を速やかにやっていただきたい」
伐採が行われる当日、集まったのは20人の反対を訴えるメンバー。
ところが、開始予定時刻を迎えても伐採業者は現れず。木材を運ぶトラックも撤収したため、メンバーは4人を残して解散しました。
しかし、その30分後…。伐採業者がイチョウの木のもとに現れたのです。
意表を突く形で行われた伐採。およそ3時間で、2本のイチョウの木が切られました。
反対する住民:
「わたしたちの判断が甘かったなと思って反省はしております」
この道路にあるイチョウの伐採をめぐる騒動について、菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「私は自治体の対応はやむを得ないかなと思います。街路樹は生えている地面の所有権の延長ということで、下の道路が自治体のものということなので、伐採も自治体に任せるしかないんです。保存木で長い期間あるとか特殊なものとかは条例などで保護されていますけど、そうでない限りちょっとストップは難しいですし、裁判ということでもなかなか権利という形で訴えるのは少し難しいかなと思います。ただ私も緑豊かな環境は好きなので、伐採もなるべく自治体としては住民の方の意見を取り入れてやっていただければと思います」
(関西テレビ5月4日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)