「どんなペットを飼っていますか?」という調査によると、1位の犬、2位の猫に続く3位になんと『メダカ』がランクイン。
4位の金魚よりも上位となっています。
(出典:一般社団法人ペットフード協会「令和3年全国犬猫飼育実態調査」)
愛好家も続々と増加、メダカブームが高まるヒミツを取材しました。
■ブームの主役は“品種改良”されたメダカたち
犬・猫に次いで人気のペットというメダカ。
大阪市内のホームセンター『コーナン東淀川菅原店』を訪ねてみると…。
薄田ジュリアキャスター:
「メダカが特集されていて水槽がたくさん並んでます。このメダカ黒い!こっちは赤と白」
メダカは地味だったイメージですが、いつからこんなにカラフルに…。
ペットプラザ 東淀川菅原店 島田一磨店長:
「川で泳いでいるメダカを品種改良して、どんどん新しい色を生み出しています。今で大体16種類くらいお店にいます。毎年のように新しい品種が出てくるので」
実は近年のブームの主役というのがメダカ同士を掛け合わせて品種改良された個性豊かなメダカ。
この店では、観賞魚全体の売上の3割以上はメダカが占めているといいます。
また『MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店』には、次々登場するという新しい品種を紹介した図鑑や飼育法などが書かれた新刊が並んでいました。
売上も好調のようで、取材中にも新しいメダカ本を買いに来た大学生が…。
大学生:
「メダカの教科書・vol.6って書いてあるんですけど、1から5まで持っててこれをメインに買いに来ました」
自慢のメダカを見せてもらうと…。
学生:
「ベテルギウスっていう品種でペア7000円です。今まで出した最高額は1匹3万5000円」
たった1匹で数万円ものオカネが動くメダカの世界。
なぜ今こんなに盛り上がっているんでしょうか。
■1時間余のオークションで約25万円動く
最近は各地でメダカの専門店が増加中。
東大阪市に去年オープンした『改良めだか専門店 めだか屋Me』では、常時30品種程の改良メダカを扱っているそうで、見た目も様々です。
色鮮やかな改良メダカは、その見た目の美しさから『泳ぐ宝石』とも呼ばれ、値段も数百円から数千円、中にはそれ以上のものも…。
薄田キャスター:
「ちょっと驚いたんですが、このあたり1匹1万円するんですね」
改良めだか専門店 めだか屋Me 桃田一成店長:
「『花魁』は黄色と黒と白の3色で、さらに背中が光ることで価値が出る種類です」
他にもヒレが長い特徴的な姿のメダカも登場するなど、愛好家たちに交配されて増えた品種の数は、今や1000種類とも。
希少な品種ほど価格も上がり、参考価格ながら100万円の値が付いたメダカもあります。
桃田店長:
「やっぱりメダカの飼いやすさが一番ブームのきっかけかなと思うんです。熱帯魚みたいに水槽とか大掛かりなものが必要なくて、酸素が少ないところにも強くて。極論を言えば、ケース一つで飼えちゃうんです」
丈夫な種類が多いメダカは、熱帯魚などと比べ、飼育の手間や費用がかからず、簡単に増やして楽しめるといいます。
この誰でも飼えるという手軽さと、コロナ禍のおうち需要も相まって人気が爆発しているのです。
そして、今の盛り上がりを象徴するようなイベントも…。
8月7日、大阪・難波で開かれたのは「大阪めだか祭り」。
関西のほか、各地の人気店やブリーダーなどが出店して展示即売などが行われた会場は、子どもや大人で大賑わい。
目玉企画として始まったのは、メダカのオークション。
質の良い人気の品種や珍しい品種などが出品されるとあって、次々と落札されていきます。
わずか1時間あまりで、動いたメダカマネーはおよそ25万円。
ちなみに、この日最も高値がついたメダカを落札したのは、「3か月前に飼い始めたばかり」という女性でした。
女性:
「2万5000円で。もう少しきれいなのが欲しいなと思ってて」
鑑賞目的でメダカを購入する人が増える一方、趣味と実益を兼ねて副業を始める人も増えています。
イベント出店者:
「副業で、始めたのは今年からです。まだ半年くらい。好きで育てていたんですけど、上手に増えてくると、人にもらっていただいて喜んでもらえて嬉しいですね」
■趣味→副業と来て本業を視野に入れる人も
そして、枚方市の郊外で見つけたのはポツンと佇むメダカの無人販売所。
『枚方メダカ』と書かれたSNSのアカウントにメッセージを送ったところ、本人が来てくれました。
枚方メダカ 川角裕哉さん:
「普段サラリーマンしてまして有人では販売できないので、無人だったら補充してお金を回収して、それだけでいいので」
無人で販売できるのも世話のかからないメダカならでは。
この形での副業は、去年9月頃から始めたそうで、枚方市内に2カ所設置して販売。
月の売り上げを聞いてみると…。
川角さん:
「月で10万円ぐらいは副業で出ていますね」
本業の傍ら、自宅で飼育しているのは約20品種、1000匹ほどのメダカで、自身で品種改良も手掛けているそうです。
メダカは繁殖期になると、ほぼ毎日卵を産むそうで、10日から2週間で卵がかえります。
品種改良は狙った色などが出るか、ひたすら交配の繰り返しです。
川角さん、メダカに詳しくなったのもあくまで趣味が始まりだそうで…。
川角さん:
「たまたま見かけたメダカが綺麗だったんで、ホームセンターで買った感じですね。繁殖したら、綺麗だったので1匹1匹が。かわいいなと思ってどんどん何匹も増えた感じです」
以来、メダカの繁殖や品種改良にのめり込み、マンションでは手狭に。
より広いスペースが欲しいと、今年4月に一戸建てを購入。
ゆくゆくは副業から本業にしたいと話します。
川角さん:
「趣味でもありつつ仕事でもありつつ。天職じゃないですけど、一番やっていて楽しい業界かなと思ってます。奥さんは後々、お店とか持った時に店番してくれたらいいなぐらいの思いもありますけど」
薄田キャスター:
「その思いは奥様に話されました?」
川角さん:
「まぁ…めちゃくちゃ嫌がってましたね(笑)。店作った時にまた考えたらいいかなっていう感じです」
(関西テレビ8月9日放送『報道ランナー』内「ヒットにワケあり!オカネのヒミツ」より)