11日、京都市で開かれた「王座戦」五番勝負の第四局で、藤井聡太七冠(21)が永瀬拓矢王座(31)に勝利しました。 すでに、竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖7つのタイトルを保持する藤井七冠は、今回の勝利で王座のタイトルを獲得し、「八冠」を制覇しました。 2017年に現行の八大タイトル戦になってから、初めての「八冠制覇」となります。
■14歳2カ月でプロ棋士に いきなりの29連勝
藤井七冠は2016年、史上最年少となる14歳2カ月でプロデビューしました。デビュー後、いきなり29連勝し、将棋界の連勝記録を更新。将棋界の新星登場に「藤井フィーバー」が巻き起こり、中学生とは思えない落ち着いた言動が注目を集めました。
2020年には史上最年少の17歳11カ月で初タイトル「棋聖」を獲得。その後も、数々の記録を打ち立ててきました。ことし6月には、名人戦で勝利し、七冠に。2017年に現行の8大タイトル(竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖)戦となってから、いまだ誰も達成したことがない「八冠独占」に向けて、最後の一冠となる「王座」に挑んでいました。
■最後の一冠をかけ 相手は「盟友」永瀬拓矢王座
今回の戦いで、藤井七冠の挑戦を受けたのが、永瀬拓矢王座(31)です。将棋へのストイックな姿勢から、ファンの間では「軍曹」とも呼ばれています。藤井七冠と年齢は10歳離れていますが、長年ともに練習を重ねてきた、いわば盟友です。 「最後の壁」にふさわしい永瀬王座との5番勝負は、接戦が続きましたが、藤井七冠が先に2勝をあげ、偉業達成に王手。10月11日、第4局に臨み、藤井七冠が戦いを制しました。
■「タイトルに見合った力があるかといえば、まだまだ…」
勝利後、藤井七冠は難しい将棋だったと振り返って自分の実力不足を感じると語り、「ここ1年のタイトル戦の結果はよかったが、それに見合った力があるかといえばまだまだで、引き続き実力をつけていくことが必要だ」と話しました。 一方、敗れた永瀬王座は「チャンスがあって、タイトル戦を藤井さんとした時よりも差が縮まったと思えた。4局だと全体的には押し気味だったが、終盤勝ちの局面でやりきれなかった。もう一局やりたいが、ゼロからやり直したい」と話しました。
(関西テレビ 2023年10月11日)