「傘さし運転」は絶対やめて!「傘スタンド」で固定できる傘は「幅30センチまで」違反の恐れ 自転車青切符導入で取り締まり強化か 「自転車は交通弱者ではない」と専門家 2026年06月05日
近畿や中国地方、九州が梅雨入りした。
今年の梅雨は雨量が多い傾向にあるらしい。
自転車の青切符導入で「傘さし運転」は反則金5000円が科せられる。
警察庁によると、4月は全国で2100件を超える青切符が交付された。
最も多かったのが「一時不停止」で846件(40%)、次いでスマートフォンなどの「ながら運転」が713件(33%)、「信号無視」298件(14%)と続く。
「傘さし運転」も4件検挙されたという。
大阪などを中心に広く愛用されている、自転車に傘を固定して使う器具『傘スタンド』の行方も気になるところだ。 自転車ジャーナリストの遠藤まさ子さんに話を聞いた。
■「反則金」の前に『危険行為』と自覚して!
【自転車ジャーナリスト 遠藤まさ子さん】
青切符制度の導入で「反則金」に目が行きがちですが、そもそも青切符は「自転車の交通違反に対する制度」で、“危険な違反行為”が対象です。
『傘さし運転』も、反則金5000円の前にまず、「大きな事故に繋がりかねない非常に危険な違反行為だ」ということを分かって頂きたいです。
傘で視界が大きく妨げられるし、風に煽られてバランスを崩しやすい。道路がぬれていて制動力(ブレーキ力)が弱まっているのに、片手運転でブレーキが握れない。
周囲を巻き込んで大事故になりかねない危険行為です。絶対にやめて下さい。
■自転車は“交通弱者”ではない!
自転車に対して、多くの人が根底に「自転車は交通弱者。歩行者に近い存在だ」と思っているのではないでしょうか。
しかしこれは大きな間違いです。
例えば、傘さし運転をしていて車とぶつかった時、傘さし運転の違反に加えて、安全運転義務違反などが積みあがり、場合によっては車より自転車の過失割合が高くなる可能性もあります。
「事故のリスク」というと、自分(自転車)が被害者になるケースを考えてしまいがちですが、そうではありません。加害者になり得るのです。
自転車は、生活用品ではなく乗り物です。
乗り物を運転しているということを、今一度、自覚して頂きたいと思います。
■「傘スタンド」を使っても違反
大阪の女性を中心に利用の多い「傘スタンド」は、片手運転にはなりませんが、傘によって視野が妨げられるため危険です。
大阪府警のHPにも「視野の妨げ(道交法第55条第2項)」「通行人に傘が接触する危険など安全運転の義務違反(道交法第70条)」などの違反になる可能性があると書かれています。
また大阪府道路交通規則で、「軽車両の積載の制限」が定められていて、スタンドに固定できる傘は「幅 0.3メートル、高さ 2メートル」。つまり「傘スタンド」で利用できる傘の幅はわずか30センチですから、雨を防ぐことはできないでしょう。
既に製造を中止したメーカーもあるようです。皆さん、使い方には気をつけて頂ければと思います。
■泥はねも青切符 マナーとして徐行を!
また、雨の日に関係する違反行為の中に「泥はね運転(道交法71条)」というのがあります。
その名の通り、「ぬかるみ、または水たまりを通行する時は、泥よけ器を付け、または徐行する等して、他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること」で、この「他人」の中には、歩行者や車両等の運転者だけでなく、沿道の土地、建物の所有者なども含まれます。
ですから、例えば水たまりをはねて、店舗の看板や壁面、住宅の外壁などを汚した場合も、反則金5000円の対象となる可能性があるのです。
スポーツタイプの自転車では、泥よけが備え付けられていないものもあり、自分はもちろん周囲への泥はねの影響が大きくなります。
こうしたことは、周囲への気配りやマナーを守っていれば防げます。 道路事情が悪い日は特に慎重に走行してください。
■青切符導入で法律違反になったわけではなく“もともと違反行為”
「傘さし運転」や「スマホのながら運転」などは、青切符導入で法律違反になったのではなく、もともと法律で禁止されている行為です。
道路交通法に基づいて、各都道府県の公安委員会が「道路交通法施行細則」に具体的な禁止事項を定めています。
例えば東京都の細則には「傘を差し、物を担ぎ、物を持つ等視野を妨げ、又は安定を失うおそれのある方法で、大型自動二輪車、普通自動二輪車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと」と明確に禁止されています。
同様のものが、以前から全都道府県でも定められていて、今年4月から急に厳しくなったわけではありません。
むしろ、これまでは「赤切符」により、罰金刑で前科になっていた違反もありましたが、「青切符」導入で反則金の支払いで済むようになったので「緩和された」とも言えるかもしれません。
『傘さし運転』で言えば、「警察が注意をしやすくなった」というのはあると思います。 現認しやすい、見てすぐにわかる違反なので、今後、取り締まりや注意が増える可能性も考えられます。
■「だろう運転」ではなく「かもしれない運転」を!
免許を取る時に教習所で習った方も多いと思いますが、「だろう運転」と「かもしれない運転」があります。
「相手が気づいてくれるだろう」「車は来ないだろう」など、自分に都合のいい解釈をする『だろう運転』は事故に繋がります。
そうではなく「横から歩行者が飛び出してくるかもしれない」「車が突然曲がってくるかもしれない」と、常に危険を予測しながら運転する『かもしれない運転』をすれば、交通事故はかなり防げるのではないでしょうか。
自分も相手も過信しない。自動車やバイクに限らず、自転車も、歩行者も『かもしれない運転』を意識し、周囲への配慮を忘れないことが大切だと思います。
(自転車ジャーナリスト 遠藤まさ子さん)