「海南市独自の考え方が続いている」小1の時にイジメを受け不登校になりPTSDになった女性 今春から高校生になるも教育委員会はいまだ「重大事案」と認定せず 第三者委員会は「いじめ」認定 和歌山・海南市 2026年03月17日
2017年、和歌山県海南市で、被害者が小学1年の時に起きた「いじめ」。
13日、9年もの時を経て「いじめがあった」と認められ、第三者委員会は、「重大事態に認定すべきだった」と指摘しました。
しかし会見で明らかになったのは…「(市教委は)今でも重大事態とは認めていないという話で愕然。率直に認めるべきではないのかというところで、我々としては非常に残念」
【被害者の母親】「海南市独自の考え方が続いていて。そういうものの理解をまず改めてもらわないと何も変わらないんじゃないかな」
前代未聞の状況を海南市はどう説明しどう答えるのか。緊急ツイセキです。
■「自分は悪いことをしていない」転校を拒否した被害児童
事の発端は9年前。和歌山県海南市の小学校で、1年生だったAさんが同級生からいじめを受けたことでした。
【Aさんの母親】「入学してから1週間くらい。下校時にランドセルに入れているキッズ携帯を貸せと言われて。後ろから蹴り倒して、腰のあたりを踏みつけて」
Aさんは「自分は悪いことをしていない」「逃げたくない」と転校や引っ越しを拒み、学校に通い続けました。
しかし…
(Q.先生はいじめてきた子になにも言ってくれなかった?)
【Aさん】「むしろそっち(いじめてきた子)の味方というか」
【Aさんの母親】「不登校になる寸前は『お母さん学校行ったら殺される』って言われて」
AさんはPTSDを発症。学校に行けなくなりました。
■文科省は年間30日以上の欠席は「重大事態」と捉えて調査求める
文部科学省のガイドラインでは年間30日以上の欠席や、被害者からの申し立ては「重大事態」と捉え、調査することが明記されています。しかし、何度訴えても学校側は「重大事態」と認めることはありませんでした。
状況が動く気配があったのはいじめから2年後。教育委員会が教育長の印鑑付きで、Aさんの両親に文書を提出したのです。
【教育委員会の文書】「Aさんが登校できていない状況は、認知したいじめと関係があると平成30年6月から考えています」
いじめとAさんの不登校に関係があると初めて公的な資料で言及。しかしその後、教育長は議会で真逆の答弁をしました。
【西原・海南市教育長】「訴えにあった事実を私どもは確認できませんでした。保護者にも説明を申し上げましたけれども納得いただけないことが続いた」
■第三者委員会「用水路に入るよう強要したこと」などを「いじめ」認定
その後、メディア報道を受け、「市民に不安や迷惑をかけている」として、教育委員会は第三者委員会を設置。外部の有識者が調査にあたり、13日、ようやく報告書の公表に至ったのです。
第三者委員会は、加害児童がAさんに対して「ミッション」と称して用水路に入るよう強要したことや、ランドセルから携帯電話を奪い取ったことなど、4つの行為をいじめと認定。「不登校との因果関係があった」と認めました。
さらに、調査で明らかになったのは、学校や教育委員会のずさんな対応でした。
いじめの相談を受けた教師は、加害児童がいる前で、Aさんに対し大声で「仲良くするように」と言い放っていて、第三者委員会はこれを「配慮に欠けた指導」と指摘。
また、教育委員会が教職員を集めて説明会を開催したとき、配られた資料には「母の主張が矛盾している」と記載されていました。
第三者委員会は、「記憶が薄れていく中で、母親の主張が矛盾している、と誘導する、いわば『口裏合わせ』と見られるような不適切な行為だ」と指摘しました。
さらに第三者委員会は「今でも(教育委員会が)重大事態とは認めていないというお話で愕然とした。ここまで話が来ているのであれば当然重大事態があったことを率直に認めるべきではないかとことで、我々としては残念」
中間報告などのタイミングで「重大事態だ」とたびだび教育委員会に伝えてきたという第三者委員会。対応を変えない姿勢を改めるよう、要望しました。
■海南市教育長「調査報告書の内容を慎重に精査し、今後の対応について検討」
重大事態に認定しない教育委員会のトップ、西原孝幸教育長13日、海南市として重大事態に認定していない中で第三者委員会の答申が出たことに対し、「調査報告書の内容を慎重に精査し、今後の対応について検討してまいります」とし、重大事態への認定については言及しませんでした。
一連の問題をどう捉えているのか、海南市の神出政巳市長に取材を試みましたが…
記者を避けるように走り去り、コメントに応じませんでした。
海南市と教育委員会の対応についてAさんの両親は「(第三者委員会の報告書が出ても)終わらないだろうなとは思っていました。(市教委に対して)思っていることはすごくいっぱいあって。海南市独自の考え方が続いていて、法律や子供の権利への理解をまず改めてもらわないと何も変わらないんじゃないか」
■小1だったAさんは今春から高校生に
この春から、Aさんは高校生になります。9年の歳月が経過してもなお、癒えることのない心の内を明かしました。
【Aさん】「私の小学校時代は何もなかった。行事にも参加できなくて思い出が全くない。同じ被害にあっていた友達も転校してしまって楽しいことが全くなかった」
(関西テレビ「newsランナー」2026年3月16日放送)