「“身を切る改革”が完全に上滑り」維新議員の“国保逃れ”疑惑 橋下徹氏 「永田町スタイルに染まりすぎ。行き着くところまで来てしまった」と批判 2025年12月25日
議員による国民健康保険料の支払い逃れ疑惑が浮上した日本維新の会。
所属議員に対して、維新関係者からの勧誘の有無を調査していることが分かりました。
維新の創始者、橋下徹さんはこの問題について、「（維新の）『身を切る改革』というスローガンが完全に上滑りしている」とし「禁止ルールがなければ“全部適法”が今の雰囲気」だと厳しく非難しました。
■維新の複数の議員は“国保逃れ”のため社団法人の“理事”となり社保に乗り換えた疑惑が
日本維新の会をめぐっては、複数の議員が国民健康保険料の支払いを逃れるために、京都市内にある一般社団法人「X」の理事となり、負担がより軽い社会保険に切り替えた疑惑が指摘されています。
法人「X」の理事は、辞任した人も含めて700人以上が登記されていて、関係者によると、代表理事は維新の国会議員の元秘書。さらに、兵庫県内の地方議員4人が「X」の理事になっていたことも判明。
■維新は全ての議員らを対象に実態調査を実施
維新は全ての議員らを対象に、実態調査を行っています。
【日本維新の会・吉村洋文代表】「登記簿の該当者だけでなく全特別党員※に対して（調査を）やるべきだという判断」
議員らに協力を依頼する党本部の文書によると、調査内容は、「社会保険の加入状況等」について。
調査はアンケート形式で、法人「X」や類似する法人に関与しているかどうかなどの項目も。さらに、議員や秘書など維新関係者から“国保逃れ”の勧誘を受けたことがあるかについても回答を求めています。
ただ、回答はすべて自己申告で、裏付け調査が行われるかどうかは不透明です。
※特別党員:国会議員、地方議員、首長とその候補予定者
■「虚偽の申告をするとなれば別の大きな問題に」維新・吉村代表
実態解明は、どこまで進むのでしょうか。
【日本維新の会・吉村洋文代表】「党がやる調査に対して虚偽の申告をするとなれば別の大きな問題になります。本人の回答調査をまずしっかりやりたいと思います」
維新は回答期限を26日までとしていて、今後、結果を公表する方針です。
■「『身を切る改革』というスローガンが完全に上滑りしている」
今回の問題について、橋下徹さんは、「（維新の）『身を切る改革』というスローガンが完全に上滑りしている」と厳しく非難しました。
【橋下徹さん】「藤田共同代表の公金による身内企業への発注問題で、藤田さんや吉村さんは『実態があるから適用』とずっと言ってました。禁止ルールがなければ、『全部適法』っていうのが維新の今の雰囲気なのかなと」
今回の国保逃れについても「違法ではないが、禁止ルールがなくてもやっちゃいけないことはダメでしょっていうのが政治家だし、そこを厳しく言ってきたのが維新だと思う」と述べました。
【橋下徹さん】「やっぱり飲み食い、政治家同士の金の配り配り合い、領収書を出さない政策活動費、こういうものをね、維新は違法じゃないからいいんだって言い続けてきたわけで、世間の批判にさらされて、嫌々厳しくルールを（改正して）きたみたいな状況がある。ちょっと維新の感覚がおかしくなってきてるような気がしますね」
■維新は「永田町スタイルに染まりすぎ。行き着くところまで来てしまったな」と批判
そして、藤田共同代表が党内処分を受けていないことから、今回の問題についても「処分は何もできなくなる」と指摘しました。
【橋下徹さん】「藤田さんも公金による身内企業での発注で処分を受けてないし、あれは適法なんだって言ってる以上は、（国保逃れが疑われている維新議員の）メンバーも『ちゃんと実態のある社団法人で参加してるんだ』と言えば、処分は何もできなくなるんじゃない。
僕はそういう維新はダメだと。実態があろうがなんだろうが、『ダメなもんはダメ』っていうのが維新だと思うんですけど。
永田町スタイルに染まりすぎですよ。『飲み食いも当然なんだ』、『政治には飲み食いが必要なんだ』とかね。旧来型の政治家が言うことを、維新が言い始めてたから、行き着くところまで来てしまったなって思いますよね」
（関西テレビ「newsランナー」 2025年12月24日放送）
