青山和弘氏「政治資金は非常にゆるい。『政治活動だ』と言ってしまえばいいというところがある」 国会議員が「スナック・キャバクラ」に政治資金支出 その背景を解説 2025年12月09日
国会議員による政治資金の使い道に疑問の声が上がっています。
スナックやキャバクラ、演歌歌手のファンクラブへの支出まで。
なぜこうしたところに税金も含まれている政治資金が使われてしまうのか。
政治ジャーナリストの青山和弘さんは「政治資金は非常にゆるい。公開すれば、虚偽の報告じゃなければ基本的に問題ない。それを『政治活動だ』と言ってしまえばいいというところがある」と現状の“ゆるさ”を指摘しました。
■問題になっている政治資金の使途
自民党の上野賢一郎厚生労働大臣資金管理団体は、2023年〜24年にかけ東京・赤坂のスナックに計4回・31万4300円、地元滋賀の女性演歌歌手ファンクラブ会費に合計2万8600円などを政治資金から支出していたことが明らかになりました。
また日本維新の会の奥下剛光衆院議員の後援会は、東京・赤坂のキャバクラで3万6300円、大阪・心斎橋のラウンジで5万7200円、東京・六本木のものまねショーパブで3万3000円を政治資金から支出していました。
さらに維新の会の国会議員団は、東京・赤坂のスナックに合計27万7090円を支出していたことも報じられています。これは2回の利用で合計した金額だということです。
日本維新の会の藤田文武共同代表は次のように説明しています。
【維新 藤田共同代表】「スナックとかバーとか、お酒の出る場所で会合するのは一般的にあると思います。 女性の接待を受けるクラブとか、そういうのは不適切だと思う。私はそういうのに使ったことはないが、いろんな業種業態で個室を使うとか、様々ロケーションがあるので、一概にそれは全部駄目だとは言えないものだと思う。実態を見るべきだと思う」
■「政治活動」の線引きはどこに?
スナックやキャバクラで政治家が会合を行うことについて、政治ジャーナリストの青山和弘さんは「正直言うとキャバクラというのはあまりないと思います。ただそういう所に行くのが、好きな政治家もいる。政治資金で行くかどうかは、それぞれ政治家の判断」と話します。
そのうえで「スナックやバー、これぐらいの所でやるのは、よくある。かつては料亭だった。料亭に比べれば圧倒的に安いので、ある意味では政治家が庶民的になったとも言える」と解説しました。
さらに青山さんは政治資金が支出されたスナックについて、「どのスナックかピンとくる」と話し、政党によってスナックの「行きつけ」があるとも説明します。
【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「かつては“この政治家がどの料亭に行く”というのがあって、その料亭の前でカメラを出して待っていたんですけど、今はスナックに行くから、かつてよりも分散して、分かりにくくなっている。でも大体、行きつけというのがあって」
■法的問題はなくても道義的問題あり?
政治の世界では“よく使われる”とは言うものの、スナックの飲食費などに税金も入っている政治資金がなぜ使われてしまうのか。
青山さんは次のように指摘しました。
【青山さん】「結局、誰と会って自腹を切るのかどうするのかという判断が、政治資金は非常にゆるい。公開すれば、虚偽の報告じゃなければ基本的に問題ない。それを『政治活動だ』と言ってしまえばいいというところがあります。
税金も入っている、年間300億も入れているんですから、国民のお金を。これでこういう所に使っていいのかという道義的な問題があると思います」
■「庶民感覚からおかしいと思えば、有権者がちゃんと声を上げて」
そして青山さんはこうした支出について、政治家自身や政党が正すとともに、有権者が声を上げることも大切だと説明しました。
【青山さん】「法律のゆるさに甘えてきているところがある。一次会からクラブやスナックに行くことは絶対ないと思う。例えば一次会までだったら経費でいいけど、二次会から自腹とか、そういう内規を決めていくのもありだと思います。
これは庶民感覚からおかしいと思えば、有権者がちゃんと声を上げて、彼らが直していくことが、大事な作業なのではないかと思います」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年12月8日放送)