11月のFNN世論調査では、高市政権の支持率が「支持する」75.2%、「支持しない」19.6%と高い水準をキープしています。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、この数字を分析するとともに、連立を組む維新の党勢低下について橋下徹さんが鋭く指摘しました。
■「働いて」で大賞、国会に若者が注目
高市総理の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」という言葉が新語・流行語大賞で年間大賞に選ばれました。 この言葉について橋下徹さんは「政治家にもう本当に一番言ってほしかった言葉」と評価します。
【橋下徹さん】「高市さんに対しては、政策の面では賛否両論あるでしょうし、僕も考え方の違うところはあるけれども、一生懸命働いてることは間違いないでしょ。それが伝わってくるから、多少の政策の違いとかはもう置いといて、『頑張ってよ』という声になると思う」
青木源太キャスターが「何より橋下さんが一番嫌いな”飲み食い政治”じゃない!会食に1回も行ってないらしいですよ」と言うと、橋下さんは力を込めて答えました。
【橋下徹さん】「そこ! もちろん人間関係を築くための飲み食いはゼロじゃなくて、必要な部分ありますけど、まさに“ルールなき飲み食い政治”をやめれば、これだけみんなの支持を得られる」
■政党支持率、維新は”大打撃”の30%減
一方で気になるのは政党支持率です。
11月のFNN世論調査によると、連立与党の自民党は27.6%(前回比-0.5ポイント)、維新は3.8%(前回比-1.9ポイント)とマイナスになっています。
関西テレビの江口茂解説デスクは「世論調査をすると、自民党の支持率はそんなに変わらない。維新は10月にやった世論調査では、連立を組んだので一瞬上がったんですけど、元に戻った感じ」と解説しました。
しかし橋下さんはこれを厳しく見ています。
【橋下徹さん】「1.9ポイントマイナスという数字は、実は割合に直すと30%減ぐらいなんですよ。どういうことかと言うと、もともとが政党支持率5.7%なんですよ。このうち、2%が減ったということは、割合で言うと30%以上減ぐらい。自民党はもともとが28%ぐらいのところから、0.5%しか落ちてないということは、率としてはそんなに落ちていない。維新は大打撃なんですよ」
■連立1カ月で”取り込まれ”の現実
橋下さんは維新の支持率低下の原因について、「自民党との差別化ができていない」ことを挙げました。
【橋下徹さん】「大阪の維新と自民党の違いって、大阪の有権者は何となく分かると思うんですが、維新の国会議員と自民党の国会議員の『違い何?』と言われても、多分ね、ほぼほぼ一緒になってきていると思う。だから、みんな『あれ自民党、高市さんそんだけ頑張ってるんだったら、自民党でいいんじゃないの?』というのが、この結果だと思うんですよ」
橋下さんは維新のアイデンティティについて持論を展開しました。
【橋下徹さん】「大阪でやってた維新は、“個人”を前面に出すけれども、国として軍事力は強化すると。だから“個人を出しながら軍事力強化”というブランドイメージでやってたんだけども、いま維新の国会議員は、“個人”じゃなくて“国家”になってるんですよ。そうするともう自民党と全く一緒だから」
さらに橋下さんは、連立政権発足時に懸念されていた「自民党に取り込まれる」という危惧が現実になっていると指摘します。
【橋下徹さん】「維新のブランドが何かっていうことを、みんな考えが浅かったような気がする」
■維新の原点と再生の道
橋下さんは維新が本来持っていた強みを「金の部分こそが、維新なんですよ。クリーンであるという」と強調します。
【橋下徹さん】「だから(藤田共同代表が)身内の企業に発注したという問題あったんでしょう。あれ僕は相当批判してたけども、藤田さんたちは、『適法だ適法だ』と言うけど、ああいう問題に厳しくいくっていうところが、自民党との違いだったと僕は思っています」
青木キャスターが「逆に言えば原点に戻って、もう一度そこに厳しくすれば、(支持率は)下げ止まる可能性もある」と指摘すると、橋下さんは維新の再生に向けた提言をしました。
【橋下徹さん】「お金に厳しいというところと、個人を重視しながら、軍事力は強化です。だから自民党と違う維新のイメージというものが、もう1回打ち出していかないといけないんじゃないかな」
■解散の可能性、高市総理と吉村代表の「信頼関係」次第
11月29日、立憲民主党の野田代表は「高市総理が安定政権を目指すためには、解散への衝動はやっぱりまだ起こるだろう。常在戦場のつもりでいきたい」と話しています。
解散について橋下さんは、「これは最後は、高市さんと吉村さんの間の信頼関係です」と指摘。
【橋下徹さん】「維新が自民党と連立するときに、『解散権は行使しないでね』という約束は当然してます。そうしないと維新は少数野党で自民党と引っ付いて、高市さんにバーンと解散やられたら、もう維新は木っ端みじんに吹っ飛ぶので。
高市さんをある意味助けるために維新が連立する代わりに、『解散はやめてね』ということを、高市さんと吉村さんで、これ政治家であれば当然やってるはずなんで」
最終的に「あとは高市さんが吉村さんとの信頼関係を崩しても、自民党の議席を増やすんだとなれば、高市さんは解散をやるでしょうね」と述べ、高市総理の決断次第であることを示唆しました。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年12月3日放送)