全国から強豪8校が集い、高校バスケットボールの頂点を決める「U18日清食品トップリーグ」。
その最終戦で、京都市の京都精華学園が見事優勝を果たした。
チームを日本一へと導いたのは、世代トップクラスと評される2人の2年生コンビ、満生小珀(まんしょう こはく)選手と吉田ひかり選手だ。
個の力と組織の力が融合し、幾多の試練を乗り越えた末に掴んだ栄光までの軌跡を追う。
■世界が認めたドリブルスキル
京都精華学園の武器の一つが、満生小珀選手の持つ世界屈指のドリブルスキルである。素早い動きで相手を翻弄し、1対1の局面では確実にシュートまで持ち込む決定力と世界が認めたドリブルが彼女の強みだ。
その実力は、今年8月にバスケットボールの本場・ニューヨークで証明された。
1on1の世界一を決める大会に出場した満生選手は、鋭いドリブルからのレイアップや、相手を揺さぶってからの背面シュートなど、圧巻のスキルを披露。
世界の強豪を相手に「ベスト4」という輝かしい成績を収めた。 チームメイトで司令塔の吉田ひかり選手も、満生選手のドリブルを「めっちゃ。もうなんか、やばいです。言葉にできんぐらい」と絶賛する。 将来についてはまだ考え中としながらも、満生選手は「アメリカでバスケットをしてみたいという気持ち、興味はあります」と、世界への挑戦に意欲を見せる。
■埼玉から京都へ、孤独を支えた出会い 耳慣れない関西弁に「おもしろい」
将来を見据え、強豪校である京都精華学園への入学を決めた満生選手は、故郷の埼玉を離れて京都での寮生活をスタートさせた。
当初は「外部生として不安しかなくて、なじめるのかなと思ってた」と語るように、慣れない環境に戸惑いもあったという。特に、耳慣れない関西弁には「なんとかやねんとか…おもしろい」と感じながらも、少しずつその響きに染まっていった。
そんな彼女をプライベートで支えたのが、1年生の時に同じクラスだった吉田ひかり選手だった。体験入学の時からフレンドリーに話しかけてくれたチームメイトたちの優しさ、そして吉田選手の存在が、満生選手の不安を和らげていった。
■「1on1」から「チームプレー」へ
吉田選手は、2年生ながら冷静沈着なゲームメイクを見せる司令塔だ。彼女の強みは「どこのチームにも負けていない」と自負するほどの視野の広さ。その能力でチームメイトを生かすプレーを得意とする。
卓越した個人技を持つ満生選手は、吉田選手と切磋琢磨する中で、「1on1だけ」にとどまらない「チームプレー」の重要性を学んでいく。
満生選手は吉田選手について、「自分でも得点できるし、周りを生かしながらアシストとか…すごい頼れます」と全幅の信頼を寄せる。
二人はプレーのことも普段のこともよく話し合うという。特に、満生選手が自信をなくしている時には、吉田選手がアドバイスを送る。
「中学の時とか、チーム内でアドバイスしあったりとか全然なくて、ひかりがアドバイスくれて意識の部分で変わったところがあります」と満生選手は語る。
個の力が、信頼できる仲間との絆によって、チームを勝利に導く力へと昇華していったのだ。
■試練の最終戦、アクシデントを乗り越えて
そして迎えた最終戦。勝てば優勝が決まる大一番の相手は、今年のインターハイを制した愛知の強豪・桜花学園だ。
吉田選手は「自分が負けないようにしないと、チームが勢いにのれへん。強気でやろうと思っています」と意気込み、満生選手も「チームを生かせるようにして、自分の100%のプレーができるようにしたい」と静かに闘志を燃やした。
しかし、試合は波乱の幕開けとなる。満生選手が下半身のコンディション不良でスタメンを外れたのだ。それでも、司令塔としてスタメン出場した吉田選手がチームを牽引。
試合開始わずか2分、自陣から一気にボールを運ぶと、シュートフェイントからの巧みなラストパスで先制点をアシストする。
第1クォーター途中からは満生選手も出場。吉田選手からのパスを受け、見事な3ポイントシュートを沈め、2年生コンビがチームに勢いをもたらした。
■値千金の3ポイントシュート
だが、第3クォーターにアクシデントが襲う。ここまでチームを引っ張ってきた吉田選手が足をつり、無念の途中交代を余儀なくされたのだ。
絶対的な司令塔を失った京都精華の隙を桜花学園は見逃さなかった。怒涛の追い上げを見せ、一時17点あったリードは、またたく間に5点差にまで詰め寄られる。
絶体絶命のピンチ。この流れを変えるべく、満生選手が再びコートに立つ。そして試合終盤、相手の勢いを断ち切る値千金の3ポイントシュートを成功させた。
この一撃で流れを呼び戻した京都精華は、その後は危なげない試合運びで勝利。見事、リーグ優勝の栄冠を手にした。
試合後、吉田選手は「全員一つのチームになれて勝つことができてホッとしています」と安堵の表情を見せた。満生選手は「全員でディフェンス、オフェンスして、京都精華らしいバスケができてよかった。自分ができることを精一杯できたので、もっとチームに貢献できるようにしたい」と、さらなる成長を誓った。
高校日本一の座を手にした京都の2年生コンビ。彼女たちの挑戦はまだ終わらない。次なる目標は、冬の選手権での優勝だ。
(関西テレビ「newsランナー」2025年11月24日放送)