関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」は、高市早苗総理の就任から17日間の動きを特集。
「働いて働いて働いて」という総理の言葉が、流行語大賞にノミネートされるなど、順調な滑り出しを見せたかにみえる新政権について、ジャーナリストの岩田明子さんが解説しました。
■異例の高支持率、75.4%の理由は?
高市内閣の支持率は、最新のFNN世論調査で75.4%と、前政権の約2倍にまで上昇。特に若年層からの支持が高いことが特徴です。
岩田さんは支持率の高さについて「女性が日本の政治の中で、初めてガラスの天井を破ったというところが湧いたんじゃないか」と分析。
さらに、「若い人は政策を熱心に聞いてくれている。総裁選の時からかなり細かい政策を網羅的に発信していた」と政策面での評価も指摘しました。
■「サナ活」現象が若者を政治に引き寄せる
高市総理の持ち物に注目が集まり、「サナ活」と呼ばれる現象が発生。特に人気なのは、総理が常に持ち歩いている黒のトートバッグと、就任会見で使用していたピンクのボールペンです。
黒のトートバッグは長野県のメーカーの製品で、職人が一つ一つ手作りしている牛革100%の軽量バッグ。メーカーによると「1日で1カ月分の生産量が完売になる状況で、受注数は約80倍」とのこと。現在は半年待ちの人気商品となっています。
一方、ピンクのボールペンは三菱鉛筆の「ジェットストリーム多機能ペン」。直近1週間の売り上げは通常の1.9倍に達しているといいます。
コメンテーターの村重杏奈さんからは「ファッション的な意味でも政治に関心を持つきっかけになれば」との声が聞かれました。
■安倍元総理の外交手法を踏襲した戦略的外交
就任から17日間で高市総理は外交面でも精力的に活動。
特にトランプ大統領との会談では、安倍元総理との関係性を意識した戦略的な対応が目立ちました。
岩田さんは「トランプさんの安倍さんへの親密さを踏まえて、高市さんから安倍さんが使っていたパターをプレゼントしたり、安倍さんが話していた言葉を引用したり、(アメリカ大統領専用ヘリ)マリーンワンに一緒に乗ったりしていた」と解説。
これについて「安倍さんのことを持ち出すのはトランプさんの気持ちをほっこりさせ、強い要求を回避する手段にもなるし、関係構築にも資する」と分析しました。
また、中国の習近平国家主席との会談でも安倍元総理の外交手法を取り入れたことを指摘。
「戦略的互恵関係」という第一次安倍内閣で使われた言葉を使いながらも、ウイグル問題など人権問題も差し込むなど、安倍外交の継承を明確に示したと解説しました。
■今後の課題は「失言」と「定数削減」
17日間で国内外から注目を集め、高支持率を維持する高市政権ですが、岩田さんは今後の課題として「大臣の失言が出た時にどう対応するか」「日本維新の会が提示している定数削減問題」を挙げました。
特に定数削減については「民主主義の根幹に関わる問題だから丁寧な議論、オープンな議論が必要。国政調査の結果が出るのが来年の夏で、それを元にした詳しいデータの計算も必要になる」と指摘します。
高市総理の精力的な働きと戦略的な外交手腕が評価される一方、今後の政権運営と課題への対応が注目されています。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年11月6日放送)