“岡山のジャンヌダルク”とも 小野田紀美大臣は「高市総理の“目玉人事”の1人」と青山和弘氏 「“外国人政策を自民党もちゃんとやる”メッセージ性を重視」 2025年10月24日
経済安全保障担当大臣に抜てきされ、さらに今回新設された、「外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣」も兼任する小野田紀美大臣。
その抜てきの理由を関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」で、政治ジャーナリストの青山和弘さんが解説。まず、「経済安全保障」の重要さを指摘します。
【青山和弘さん】「経済安全保障担当大臣というのは、これまでもあって高市さんもやっていましたが、安全保障というのは、単なる自衛隊がいて…とかだけじゃなくて。
経済の分野も“安全保障”が大事で、例えば、軍事品に転用できるような技術などが日本から盗まれないようにしたり、重要物資の安定的な供給を確保したり、新しいものを作っても中国とか他の国がその技術を取られないようにする。
そういうところでも防衛していく必要があるということで、新しく作ったんですね。いま世界的にも、非常に大事な担当です」
■自民党の外国人政策を象徴するメッセージ性の強い人事
小野田大臣が担当するもう1つの分野が外国人を巡る政策。この分野での考え方がわかる国会でのやりとりを紹介します。
<犯罪起訴率について>
【小野田紀美議員】「法務大臣、私はもうちょっと国民が、検察のする起訴に対して、『悪いことをしたら、きちんと裁かれるよ』という、安心のもとに日本社会の治安が守られるように、(起訴率を)上げていきたいのです。
犯罪も複雑化していますし、外国人の種類も増えているので、検察の抜本的な体制の強化を。人も予算も必要だと思うので、法務大臣として今後の決意をお聞かせいただけないでしょうか」
<出入国管理について>
【小野田紀美議員】「(資料の)一番上が、外国人入国者の推移、バーンと跳ね上がっています。2番目が在留外国人の推移と、我が国の総人口に占める割合の推移。これもバーンと跳ね上がっています。
そして1番下が出入国管理の職員の定数の推移。(資料)青色の入国警備官を見てください。ほぼ横ばいです。入国警備官は不法滞在者を摘発して、強制送還なども行う非常に重要な役割ですが、これだけ(外国人が)増えている中で、全然人(入国警備官)が増えていない。
これ政治が悪いんですよ。政治がいっぱい外国人観光客を呼ぼうとか、(海外から)いっぱい労働者を呼ぼうとしている。政治が悪いんですけども、この人数で管理しろっていうのが、できるのかなって私は思っています」
こういった外国人政策について強硬な姿勢が見える小野田大臣。青山さんは、高市総理が「自民党として外国人政策を『ちゃんとやるんだ』というメッセージを打ち出す人事だった」と指摘します。
【青山和弘さん】「小野田さんは外国人政策が日本はあまりに甘いんじゃないかという考えなんです。外国人による不動産の取得や外国人犯罪の増加などで、日本人が困っている。この前、参議院選挙で参政党が外国人問題を取り上げて”日本人ファースト”と主張して非常に伸びた。
それに対して、高市政権としては、『しっかりやりましょう』というタイプの小野田さんをつけて、『自民党もちゃんとやるんだ』と。
しかもこの外国人の政策は、法務省だけじゃなくて、警察庁も外務省も色んな所にわたっているので、小野田さんに省庁の調整もやってもらうという非常にメッセージ性の強い人事なんです」
■高市総理の“目玉”のひとつが小野田大臣
【青木源太キャスター】「ということは、抜てきの理由としてはメッセージ性ということですか?」
【青山和弘さん】「『政治力よりもメッセージ性を重視した』と私は思います。小野田さんはまだ若いです。40代ですし、当選2回です。
だけれども、あれだけ国会でも答弁して、保守派の論客として非常に知られている。しかも女性で。
そういう意味で『外国人問題をやるぞ』という、高市さんの強いメッセージを担って、抜てきされたということだと思います」
【青木源太キャスター】「自民党の閣僚人事で言うと、当選何回だとか、大臣待機組がいるなんて話も聞きますが、そういった党内の反発はなかったんですか?」
【青山和弘さん】「もちろんある程度の反発はあると思うんですが、そういう配慮も一定程度、高市さんが今回やって。
新しい総理大臣ですから、“目玉”もしっかり作りたい。その“目玉”の1人であるということは間違いなく言えると思いますね」
■“岡山のジャンヌダルク”強気な姿勢が諸刃の剣に?
注目される小野田大臣。一方で心配される点もあります。
【関西テレビ 神崎博解説デスク】「強気の発言が売りですが、逆に言うと失言リスクがあり、今後、閣僚会見や国会の答弁で彼女の発言がコントロールできるのかというあたりは、経験が浅いだけに心配な所もあると思います」
【青山和弘さん】「その通りですね。これまでも、岡山の選挙区でも公明党の支持を全く受けずに当選するっていうことで、“岡山のジャンヌダルク”なんてあだ名もあって、強気の姿勢が今回どこまで出せるのか。
出しすぎると、反発も受けるかもしれない。その辺のコントロールがこれから問われることになります」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年10月23日放送)