高市総裁の就任後、自民党と公明党は連立の合意を結べていません。このまま“連立解消”の可能性はあるのでしょうか。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」で、元NHK政治部記者でジャーナリストの岩田明子さんは「現時点では“解消”や“閣外協力”の可能性はあるが、自民党と公明党は過去に何度も亀裂が入っては修正をしてという関係だった」と指摘。
その一方で、政策が近い国民民主党などとの協力を念頭に「いつまでも連立ではなく、政策本位で動いていくマインドチェンジも必要だと思う」と指摘しました。
■自公連立「現時点では解消だったり“閣外協力”であったりという可能性もある」
公明党の斎藤代表は9日の幹部会で「政治不信の根底にある政治と金の問題について、自民党がしっかりとした姿勢を示して欲しい」。
そして企業団体献金については「自民さえ決断すれば、大きな規制強化に結びつけられる」と話したということです。
一方で自民党は「規制強化はのめない」としていて、公明党はそれに対し、「折れる気はない、ダメなら連立リセットだ」とまで主張しています。
【青木源太キャスター】「岩田さんに伺いますが、“連立解消”の可能性はありますか?」
【ジャーナリスト 岩田明子さん】「現時点では解消だったり、あるいは“閣外協力”であったりという可能性もあるとは思います。
ただ、地方の意見を聞いて、またきょう(9日に公明党の)幹部会がありますので、明日(10日)、党首会談ということで、何とか折り合いをつける可能性もありますけれど。
これまで、国土交通大臣というポストもありましたので、『これを完全に手放してしまうのか』というところも公明党としては考えどころではあります。
これまで自民党と公明党は、何度も『亀裂が入っては修正して』の繰り返しではあったんですよね。岸田政権のときも、公明党側は『信頼は地に落ちた』ということで、選挙のときの相互推薦もやめたとかね」
(※2023年に東京都内の選挙区での候補者調整を巡って。その後、関係は修復。)
【青木キャスター】「自民党は『政治とカネ』の問題で、公明党側の意見を自民党はのめるのでしょうか?」
【ジャーナリスト 岩田明子さん】「今のところは『のめない』という考えですね。だから、どこを落としどころにするかというミクロの話し合いになると思います」
■国民民主の政策実現求める玉木代表に 高市総裁「御意」 深まる関係
公明党から“連立離脱”という声も出てきている一方、対照的に距離が近づいているように見えるのが、国民民主党の玉木代表です。
8日、高市総裁と玉木代表は会談し、その際、玉木代表がこれまで国民民主党が主張してきた「ガソリン暫定税率の廃止など、3党合意を速やかに実施して欲しい」と呼びかけたところ、高市総裁は「御意」と答えたということです。
【岩田さん】「もうここまで来たら、自民党も少数与党なわけですし、いつまでも連立ではなく、政策本位でやればいいのに、と私は思うんですね。
国民民主党は国民民主党で、支持母体の連合が反対をしていますから、なかなか連立を組みにくいとは思いますけれども、(自民党と)国民民主党はかなり政策が合致していて、日本維新の会も合致している部分が多いので、政局より政策本位でこれからは動いていかなければいけない。
ちょっと時代が変わったので、そのあたりのマインドチェンジも必要じゃないかと私は思います」
■“連立”についての話は 玉木代表「全くなかった」も…
なお連立について、高市総裁から玉木代表に呼びかけがあったのかという問いに関して、玉木代表は「全くなかった」と答えたそうです。
【青木キャスター】「岩田さん、これは字面通り受け取っていいのか、水面下ではいろいろやっているのか?」
【ジャーナリスト 岩田明子さん】「水面下ではいろいろあるのが政治ですからね。物事が固まるまでは表現にはしませんのでね。いろいろなことがあってはつぶれ、そして成就したものが言葉になってくるというのが政治だと思いますね」
■「首相指名で玉木代表書いてもいい」立憲の狙いは
一方、自公の連立が揺らいでいる中、立憲民主党は、国民民主党に対して「首相指名選挙で玉木代表の名前を書いてもいい」という姿勢を示しています。
関西テレビの神崎博解説デスクは、「立憲民主党は自公の連立が解消されたら、公明党が野党側に流れてきて、野党で多数を取って政権交代がありうるのではないかという考えのもとに、“かき回してやろう”という狙いがあるようだ」と指摘します。
しかし国民民主党の榛葉幹事長は、「異なった主義主張の正当と打算で数合わせで首相指名を一緒に行動を取ることは考えていません」と発言しています。
【青木キャスター】「国民民主の榛葉幹事長のこの発言を見ると立憲といっしょに行動することは考えていないということですね」
【岩田明子さん】「もともとの考え方が全然違うのに、数合わせで一緒に行動をとるというのは、かえって国民の不信を買うんじゃないのかというのが、榛葉さんの主張です。『確かに』という気がします」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年10月9日放送)