10月4日投開票の“ポスト石破”レースは、今週に入って動きが加速するなか、ジャーナリストの岩田明子さんに独自目線で解説してもらいました。
小泉農水相は16日の総裁選出馬の意向を示した会見で、前回の総裁選で決着をつけると明言した 「選択的夫婦別姓」を今回もテーマに掲げるかのと 質問に対し、次のように述べました。
【小泉進次郎農水相】「まず党内がしっかりまとまり、1つになれる環境づくりが非常に重要」
この発言について、岩田さんは「前回の失敗を踏まえ、保守層を取り込む狙いではないか」と分析しています。
【岩田明子さん】「前回の総裁選では、候補者間の討論をきっかけに失速してしまった面がありましたので、この部分をいかにしてクリアにするのかが、ポイントです。 それから自民党は参議院選挙で大敗していますので、とにかく党内を『まずまとめる』というところを大きく掲げているのも今回の特徴です」
■小泉氏“リベラル色の強い政策” 言及しない戦略
【青木源太キャスター】「小泉氏は自民党の中では改革派に位置するわけですが、今回は自民党の中の保守層を意識しているということですか?」
【岩田明子さん】「はい。今回、加藤勝信財務相、保守系の政治家とされていますが、加藤さんを選対本部長に据えて、選択的夫婦別姓など“リベラル色の強い政策”については、言及しないことを、かなり早い段階から決めていました」
(Q.加藤財務相が小泉氏の応援に回った影響は大きい?)
【岩田明子さん】「閣僚経験の多い人ですので、安定感があるということ、それから保守の政治家とされていますので、保守の取り込みが図れるのではないかと。ただ、まとまった塊を持っているのかというと、そうとも言い切れない部分がありますので、今後の選挙戦の運び方にもよると思います」
■若手から重鎮まで 幅広い支持を持つ小泉氏
【岩田明子さん】「党内では、菅元首相や、今回石破首相も小泉さんと林さんに票を振っていると言われていますので、重鎮がついている。
齋藤健元経産相、あと石破体制で自民党の選対委員長を務めた木原誠二さんもついていますので、議員票については支持の幅が広いという部分があります」
(Q.知名度や人気があるだけで選んでもいいもの?)
【岩田明子さん】「自分に足りない所は、加藤さんとか、齋藤健さんなど、重鎮たちに補ってもらうという戦略ですね」
■茂木氏「野党との協調」小林氏「世代交代も重鎮支援」 林氏「安定感で議員票伸ばすか」
高市前経済安保相は19日にも、政策の会見を行うということです。
またすでに出馬表明している茂木前幹事長、小林元経済安保相、林官房長官について岩田さんは次のような見方をします。
【岩田明子さん】「茂木さんはYouTubeとかTikTokなどを使って露出を増やしていく。それから国民民主党の玉木さんとYouTube動画で共演するなど、野党との連携についても強調しています。他の候補者よりも早めに手を挙げたのは、そういう狙いです。
小林さんは、選対本部長を誰にするのかがポイントです。若手を起用する方向で今、検討を進めています。世代交代感を前面に出していくのが狙いですが、ただ今回は、参議院の重鎮(石井準一・参院国対委員長)が支持に回っていますので、意外に支持の幅が広いことも特徴です。
そして林さんは、いろんな閣僚を経験していますから、安定感に定評があるところで、議員票を意外と伸ばすのではないかとも見られています」
自民党総裁選、19日に高市氏が政策発表会見を行うということです。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025月9月18日放送)