大阪メトロが会見で謝罪 万博会場に向かう中央線で送電線トラブルで一時全線運転見合わせ 万博来場者が会場で一夜過ごす事態に 原因は送電線の「延焼防止シート」に「鉄粉や水分」でショートか 2025年08月14日
大阪・関西万博の会場に向かう唯一の鉄道ルートである大阪メトロ中央線は、送電線のトラブルで13日午後9時半から一時全線で運転を見合わせました。 運転は万博会場の最寄り駅である夢洲駅から隣のコスモスクエア駅までの折り返し運転でまず再開し、全線での再開がおよそ8時間後の14日午前5時25分となったことから、万博会場から帰宅できない来場者が会場に留まることになりました。
大阪メトロは14日午前9時半過ぎから記者会見を開いて説明しました。
まず大阪メトロの担当者は「万博へのご来場者の皆様、そしてご利用者、そして関係者の皆様には多大なるご迷惑をおかけしたこと、大変申し訳ございませんでした」と謝罪しました。
原因については、電力を供給する「サードレール」で電力を連結するジャンパー線という電線に巻かれている「延焼防止シート」に運行で発生する鉄粉や水分などが付着し、このジャンパー線がショートしたことが考えられると説明しています。
また復旧までおよそ8時間かかったことについては、「コスモスクエア駅から大阪港駅まで、およそ2.5キロの区間で問題が発生し、不具合の箇所の特定に時間がかかった」と述べました。
また博覧会協会との連携については、午後9時半に全線運転見合わせとなった2分後には博覧会詰めの社員を通じて、協会側に事案について報告し、非常時の運転計画や代わりの輸送手段について説明したと述べました。一方で、全線再開できるメドが立たない中で、協会側と来場者を万博会場内にとどめるか、出していくのかというオペレーションについては「多くの課題があったと考えている」と話しました。
原因については、以下のような内容を説明しています。
・13日午後9時28分ごろ、コスモスクエア駅ー大阪港駅間の「サードレール」という電力を供給するレールで停電が発生し、再送電を試みたが復旧せず。
・停電発生区間を点検した結果、サードレールの寒暖差による伸縮を吸収する構造=伸縮継目の部分で電気の連結を行うジャンパー線に巻いている延焼防止シートを除去した結果、数値が向上したため再送電して復旧。
・延焼防止シートに付着した鉄粉や水分による絶縁低下が推定される。
・復旧までおよそ8時間という長時間になったことは、原因特定に時間がかかったため。
・大阪港駅からコスモスクエア駅間は約2.5キロで箇所を絞っていくのに時間がかかった。
・中央線運行の時系列(大阪メトロの発表より)
13日 午後9時30分 全列車出発抑止
午後10時10分 夢洲ーコスモスクエア間 折り返し運転開始
午後10時50分 阿波座ー学研奈良登美ヶ丘間 折り返し運転開始 午後11時 夢洲駅 会場警察から夢洲駅地上部の警備体制が取れないため、駅への進入を取りやめるよう指示あり
午後11時45分 夢洲駅 利用客の入場再開(午後11時50分 折り返し運転開始)
14日 午前0時20分 阿波座駅発学研奈良登美ヶ丘行き最終列車(その後、阿波座ー長田間で折り返し)
午前5時25分 中央線全線運転開始