橋本アナが直面した最初の壁は、野球実況特有の技術的な難しさだった。
「色々難しいんですけど、まず野球の試合って、コンパクトに行っても大体3時間ぐらいかかるんです」と話す橋本アナ。
「実況はずっとお腹から声を張り続けなければいけない」
現在5本のレギュラー番組を持つ橋本アナ。普段からnewsランナーのスポーツコーナー「ランスポ」のキャスターを担当し、野球の試合原稿を読むなど野球には慣れ親しんでいるが、3時間も話し続けることは未知の領域だった。
「最初は気合を入れてお腹から声を出しているんですけど、だんだん普通の声になっていって…」
それだけではない。野球のルールについても、意外な盲点があった。 「インフィールドフライがどんなフライでどういう時にそう判定されるのかとか、細かいルールを知っているかと言われると、恥ずかしながら知らなかったんです」
知識があったとしても、実際の試合で突然起こった出来事を即座に説明できなければ実況アナウンサーは失格だ。練習では頭がフリーズして言葉に詰まることも多々あったという。
「とにかく練習を積むことだと思っているので、ひたすらひたすらやっています」
本番まで残り3ヶ月。橋本アナの課題は、声の出し方、しゃべり続ける体力、そして目の前の状況を瞬時に伝える表現力だった。