小泉農水相が米のデータに関する改革案を示しました。
米の出来具合を表す「作況指数」の公表を廃止する方針を明らかにしました。
「作況指数」とはその年の収穫量と長期間の収穫量を比較して、米の出来具合を数値化したものです。
「良」「やや良」「平年並み」「やや不良」「不良」の5段階で評価します。
17日、関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に出演した政治ジャーナリストの青山和弘さんは、作況指数に関する改革について、「当たり前のことをようやく小泉農水相が踏み切った」と指摘しました。
■「農水省は計画が狂うので認めたくなかった。ようやく小泉農水相が踏み切った」と青山氏
【政治ジャーナリスト青山和弘さん】「どうしてこんなにお米が高騰したのか、この理由は未だに農水省も石破首相もわからないと言っている。誰かが高く売るために隠しているんじゃないかと農水省は言っていたんですが、本当はお米が獲れていなかったのではないかと石破首相も疑っていたし、小泉農水相も疑っているんです。
その原因は、作況指数が間違っているからではないかということなんです。 作況指数は、米の収穫量だけで、米の品質は関係ないんです。つまり夏が暑いとどうしても品質の悪いものができてしまう。粒が小さくなるとか。そうすると食料品として売れなくなる。それでも作況指数は良いという現象が起きてしまうんです。
農水省は自分たちの調査がおかしいと言ってしまうと、すべての計画が狂ってしまうので認めたくなかった。だけど、そこがわからないと、なんでこんなに米不足でお米が高くなったのかという問題の基本構造がわからないので、当たり前のことをようやく小泉農水相が踏み切ったということですね」
■歌手の石川さゆりさん 「農家の方は本当に大変。国の方でうまく進めていっていただきたい」
また、歌手の石川さゆりさんは”令和の米騒動”について、農家のサポートを国が進めてほしいと話しました。
【歌手 石川さゆりさん】「本当にお米が無い無いって言われて、スーパーにも確かに無いですけど、私たち今まで普通にお米を食べてきたのにね。でも、農家の方たちも安く安くって言われても、本当に大変だと思うんです。
やはりもっと国の方でうまく進めていっていただきたいな。農家の方たちがお米作ろうっていう、そういう気持ちになって田んぼを作れるようになっていかないと、これ(令和の米騒動)は続くんだろうなってね」
【政治ジャーナリスト青山和弘さん】「農家の方がいいお米を作ろうとして、品種改良する。でも、品種改良してもそのお米を植えられないということが起きている。 どうしてかというと、お米を作り過ぎないという国の政策があるから。
これから品種改良したものでお米を作りたいっていう農家はどんどん作れるように、そしてお米の値段が下がりすぎたら、ちゃんと農家に補償ができるようにという方向に変えていけるか、今、瀬戸際です」
■「原因が分からなければ、改革の方向も分からないということなんだと」
そして、お米と言えば、流通の”見える化”です。小泉農水相もブラックボックスになっていると話していましたが、米の流通を把握するため、卸業者への訪問調査を行う方針を17日朝、新たに示しました。
【政治ジャーナリスト青山和弘さん】「収穫量がちゃんと把握できていたのかというのが一つ。あとはやはり流通の過程で高値を狙っていた業者がいたんじゃないかと。
申告しろと言っても申告しませんから、調べに行くぞと。徹底的に見える化する、と小泉農水相は言っているわけです。相当大変なことだと思いますが、原因が分からなければ、改革の方向も分からないということなんだと思います」
■「昭和30年代から同じふるいを使っているという、まさに前例踏襲」
小泉農水相が掲げる3つの見直しは以下です。
▼ふるい目の変更
調査に使う「ふるい」を生産者が使うものと同じサイズに
▼最新技術の活用
人工衛星やAI気象データなどを活用
▼実際の収穫量で判断
生産者の収穫データなどを活用
ふるいについては、調査で生産者が使う物より「目の細かいもの」を使用していたことから、小さい米まで調査に入り、ズレが生じていたということです。
【政治ジャーナリスト青山和弘さん】「悪い米も収穫に含まれてしまう、ふるいの大きさなんですよ。昭和30年代から同じふるいを使っているという、まさに前例踏襲」
備蓄米の放出は、短期的な米価格に影響を与えるかもしれませんが、中長期的な政策にもしっかりと目を向けていきたいところです。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年6月17日放送)