難病に指定され根本的な治療法がないとされる「パーキンソン病」。 京都大学は、iPS細胞から作った細胞を患者に移植したところ、一部で症状の改善がみられたと発表しました。
■iPS細胞で神経細胞を作り脳に移植「パーキンソン病」治験で改善見られる
【京都大学iPS細胞研究所 高橋淳所長】「全員ではなかったのですが、しっかり効果を確認できたのは、第一歩としてはよかった」
パーキンソン病の治験で“一定の効果”がみられたと明らかにしたのは、京都大学iPS細胞研究所の高橋淳所長です。
パーキンソン病は脳内で情報を伝える「ドーパミン」という物質が不足し、手足が震えるなどの症状が生じる難病で、現在、根本的な治療法はありません。
高橋教授らの研究グループは、iPS細胞を使って、ドーパミンを出す神経細胞を作り、患者の脳に移植する治験を実施。
その結果、患者6人の細胞でドーパミンが生成され、さらにそのうちの4人は運動機能の改善がみられたということです。
■「症状が重くなるのをゼロにしたい」
【京都大学iPS細胞研究所 高橋淳所長】「将来的に有効性、安全性がはっきりわかってきたら、早い段階で患者さんに治療を施して、(症状が)重くなるのを可能であればゼロにしたい」
■「生活の先が読めなくなるのがなくなるだけでもうれしい」と患者
7年前にパーキンソン病と診断され治療を続ける男性は、今回の治療法に期待を寄せています。
【全国パーキンソン病友の会 京都府支部 岡田孝支部長(75)】「治らない病気だと言われると、生活自体が先が読めない。それがなくなるだけでもうれしい。年齢の高い層にも(治験が)進んで、このiPS細胞の治療ができるようになったらいいなと思っています」
今後、実用化に向け、大阪の製薬会社が年度内にも厚生労働省に承認申請を行う方針です。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年4月17日放送)