日本中を震撼させた「地下鉄サリン事件」。
朝の通勤ラッシュ時に東京の都心で無差別に人の命が狙われた事件から、3月20日で30年を迎えました。
今もオウム真理教の後継団体の活動が続いているほか、いまだに被害の後遺症に苦しむ人がいて、事件が終わりを迎えたとは言えそうにありません。
【菊地幸夫弁護士】「あの朝、私は横浜地方裁判所で朝10時に法廷に立つために、霞が関の駅を事務所に行くためと、事務所から横浜に行くために2回通っています。その間に事件が起きているので、少し時間がずれていたら、私もここで倒れたかもしれません」
【菊地幸夫弁護士】「それからオウムによって殺された坂本弁護士は、私と同じ年に司法試験に合格して、一緒に研修などを受けた仲間です。怒りがまた少しこみ上げてくるんですけれども」
【菊地幸夫弁護士】「宗教団体ということで、信教の自由、宗教の自由を理由になかなか捜査が進まなかったという事情が、このような事件を起こした原因かなと思うんです。破壊活動防止法や宗教法人法にもとづいて、解散命令とかで活動停止させようという法律上の努力もされましたけれども、それでも犠牲者は戻らない。悔しい限りです」
■3つの後継団体は巧みな勧誘で若い信者を獲得し続けている
現在も後継団体が勧誘活動を行っているという状況があります。
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「後継団体が3団体ありますが、新規の信者獲得状況をみると、実はこの10年で、10代、20代、30代の若い世代が7割を超えているということです。3団体の信者数は約1650人で、実はこの30年間ほとんど変わらず、衰退することなく1500人レベルをずっと維持している」
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「若い人がどんどん入ってきている。中にはやはり巧みな勧誘方法があって、例えば大学のサークルであったり。メンタルヘルス講座みたいな形をとったり、間口を広げた上で後継団体から勧誘を受けるというのがよくある手口です」
事件を知らない世代にどう語り継いでいくのか、問われています。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年3月20日放送)