異例の10時間半にも及んだフジテレビの会見。
関西の街の人は、どう受け止めたのでしょうか。
【フジテレビ 港浩一前社長】「本件は人権侵害が行われた可能性のある事案であります」
「私自身が人権への認識が不足していたこと、そのことで会社全体のガバナンスを十分に機能させることができなかったということです。このことについて心からおわび申し上げます」
会見は、会長と社長の辞任発表から始まりました。
■「当事者の女性があれ見たときにどうなのか…」
参加したメディアは191媒体、437人。10時間半に及んだ会見。
この会見を見て、関西の人は何を思ったのか、聞いてみました。
【街の人】「当事者の女性の方が、あれ見たときにどうなのかな。あまりにも長すぎて…。(女性への)対応は悪かったよね、たぶんね」
【街の人】「真実はお二人にしか分からないので。仕方のない対応だったのかなとは思いますけどね、あまり踏み込めないところなのかな」
【街の人】「真剣に女性のことを考えてたのかということも、あの会見見たら疑問ですね」
■「特殊な案件」と発言したフジテレビ・港前社長
会見で新たに分かったのは、
・2023年6月 中居氏と女性とのトラブルを把握
・7月 中居氏から報告
・8月 港社長(当時)に報告
しかし、フジテレビはトラブル把握直後、中居氏に正式な調査は行っていませんでした。
その理由について港前社長は…、
【フジテレビ 港浩一前社長】「この案件に関しては、いわば“特殊な案件”として進めてきたということが現実です」
【記者】「今回のケースが特殊だと思われてる理由は何なんでしょうか」
【フジテレビ 港浩一前社長】「特殊という言葉の使い方、僕が間違えているのかもしれませんが、女性の心身の様子を最優先に見ながら進めていかなければいけないというところ。それとその状況によって頻繁にコミュニケーションがとれる状態ではない中、進んできたというようなことが、私にとっては特殊という言葉選びになりました」
【記者】「中居正広という国民的スターだったから、そっちを守ろうということで特殊だったってことなんじゃないんですか?」
【フジテレビ 港浩一前社長】「そういう気持ちはありません」
■フジテレビ社員は自社のコンプライアンスの問題を指摘
フジテレビの報道局に所属する社員からは、コンプラ部門のトップに対し、次のような指摘がありました。
【フジテレビ 社会部社員】「遠藤副会長はコンプライアンス委員会のトップで、うちのコンプライアンス委員会は非常に力が強い。その方が去年12月に文藝春秋に直撃されたときにそのことを知ったと聞いたとき、社員としてがく然とした。
少なくともコンプライアンスのトップであり、副会長という上役である遠藤副会長に、お話をされなかった、共有していなかったということについては非常に不可解と思うんですけど、遠藤副会長どうお考えになりますでしょうか」
【フジテレビ 遠藤龍之介副会長】「やはり共有すべき問題だったと思います。女性のメンタルを考えながら、この人に知らせるこの人に伝えるよと、伝える理由も述べながらですね、広げていくということは簡単ではございませんが、可能であったと思います。非常にそういうことを思います」
■中居氏を起用し続けたフジテレビ「女性のことなんて考えてなかったんでしょう」
そして街の人からは、中居氏の起用を続けた説明についても厳しい声がありました。
【街の人】「それは対応悪かった」
【街の人】「松ちゃんの件があったから、あの時に打ち切ってたら…」
フジテレビが中居氏にレギュラー番組の打ち切りを通達したのは、トラブル発生からおよそ1年半後の、2024年11月でした。
【フジテレビ 港浩一前社長】「事案が発生してから番組終了のタイミングはいつも少人数で考えて探っていました。松本さんの案件が起きた時は、おっしゃるようにそういう形もとれたというふうに考えますが、その時の女性のコンディションがそんなに良くないという状況がありまして、動きがあることがどういう刺激になってしまうのかっていうのも、本当にはかりかねる状況で判断が難しいことでした」
【記者】「『女性の意思を尊重』だとか、『女性の体調や精神面を尊重』してこういった判断をしたとおっしゃっていたと思うんですけれども、そういったさまざまな対応が遅れたことが、女性の意思を言い訳にしているようにしか聞こえなくて…」
街の人は…
【街の人】「言い訳ですね。当然打ち切るべきだったのに、どっかのタイミングでね。漫然と継続してしまった。さらには特番なんかで起用した。視聴率、評判そういう方に目がいって、女性のことなんて考えてなかったんでしょうね」
■フジテレビ社員Aの関与
また、27日の会見で質問が集中したのは、フジテレビ社員Aの関与について。
【記者】「A氏は関与してるんですか、関与してないんですか?」
【フジテレビ 港浩一前社長】「関与していません」
去年12月、一部週刊誌でトラブルが起きた日の中居氏と女性との食事会のセッティングを社員Aがしたのではないかと報じられていました。
フジテレビは、社員Aと中居氏への聞き取りや通信記録の確認を経た上で、「関与はない」と否定。女性への聞き取りは行われていませんでした。
【記者】「通信履歴を調べたという結果のみで、なぜ(関与を)すぐに断定する発言ができたのか?」
【フジテレビ 港浩一前社長】「確かに女性側のヒアリングが欠けているというところはあるかもしれませんが、当該社員と中居氏のヒアリングと履歴を精査した結果、これは関与していないというふうに信じるに足ると思っております」
街の人は…
【街の人】「(関与)してないとか言うてるやん。フジテレビの社長とか。自分とこの社員呼んで来たら、すぐ話済むのちがうの?」
さらに記者からも厳しい声がありました。
【記者】「履歴は後で消すこともできます。それを信用できるところはどこにあるのでしょうか」
【フジテレビ 港浩一前社長】「履歴を消すという余裕のある調べ方ではなかったです」
【記者】「社内で噂が広まれば、やばいと思えば履歴を消しますよね。それができなかったということを確証を持って言えるのですか」
【フジテレビ 港浩一前社長】「それはちょっと私、言い過ぎたかもわかりません…」
【記者】「言を左右にすると話がまともにならない」「しっかりしろ!」
■30分近く会見が進まなくなる場面も
会見開始から5時間が過ぎた頃。中居氏と女性、それぞれの「トラブルに対する認識」について経営陣が踏み込んだ発言をし、その後、訂正を求めた場面では、記者から批判が相次ぎました。
【記者】「訂正はできないもん、できないですよ。映像残っているんだもん。あんたの発言女性を守ってないよ!」
【司会】「プライバシーを守るということで、会見を開かせていただいております」
【記者】「ちゃんと答えなきゃ、みんな見てますよ」
【ヤジ】「中居さんをそこまで守りたいんですか?」
【フジテレビ 港浩一前社長】「違います、違います」
【フジ・メディア・ホールディングス 金光修社長】「我々の立場で言うべきことでないということで…」
【ヤジ】「記者は言うべきと思ってんだよ!」
【ヤジ】「分からないままこんな事やってるんですか!」
30分近く会見が進まなくなり、別の記者が苦言も…
【記者】「手を挙げた人が質問するっていうルールになってるんで、そこは守ってください。静かしてくださいマジで」
街の人からは、フジテレビの企業風土について、厳しい指摘も。
【街の人】「フジテレビの対応、ガバナンスがまだまだ世間とずれがあるのかな。バブル時代のころの名残、意識がまだままだ続いていたのかな」
■強い影響力を持つとされる日枝久相談役についても質問相次ぐ
また会見では経営に強い影響力を持つとされる、日枝久相談役が出席していない理由や責任について、繰り返し質問が出ました。
【記者】「(社長・会長の)辞任は正直世間からトカゲのしっぽ切りにしか見えないと思うんですね。こちら先ほどから日枝相談役への発言を、遠藤副会長含めて皆さん恐れているように見えるんですが、本当にこれでフジテレビ今後変わっていけるとお思いでしょうか」
【嘉納修治前会長】「相談役にはですね、必要な事項について報告したり、相談してお知恵を借りたりすることは当然ございます。いろいろ知見があるし。ただ、日常の業務というのはですね、フジテレビに関しては私と港で決めておりました」
日付をまたぎ午前2時を回っても質問が続きました。
【記者】「これだけドン、独裁、天皇と言われ、フジテレビ社員からこの会見への出席を求められるような重要人物と認められるのは、なぜだと考えますか?」
【フジ・メディア・ホールディングス 金光修社長】「在籍年数が長いということは、それなりに影響力も大きいと判断されるんだと思います。この案件に直接的関与していません。ただし遠因が、何らかの遠因があるんだろうということが、調査の対象になるだろうと思います」
日枝氏の責任については明言を避けました。
そして、午前2時23分ごろ
【司会者】「長時間になりましたが会見終了させていただきたいと思います」
【嘉納修治前会長】「長時間ありがとうございました」
10時間半におよぶ会見が終了しました。フジテレビの経営陣は10時間半にわたり質問に答え続ける形になりました。
異例の長さとなった会見でしたが、説明責任を果たせたと言えるのでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年1月28日放送)