27日に投開票が迫る総選挙。
自民王国が続く滋賀でも「政治とカネ」の逆風が。滋賀2区では、元立憲の前衆議院議員が維新公認で立候補するなど混沌としています。
面積の6分の1を琵琶湖が占める「湖国」滋賀県。
過去4回の総選挙で、全ての小選挙区を自民党が制してきた、まさに「自民王国」ですが…
■自民・上野賢一郎さん「政策活動費」の廃止訴える
【自民党・上野賢一郎候補】「自民党を取り巻くさまざまな不祥事、政治資金の不記載の問題がございました。自民党の一員として深くお詫びを申し上げたいと思います」
謝罪の言葉で選挙戦をスタートさせた、自民党の上野賢一郎さん(59)。
これまで2区では5回の当選を重ねてきました。
【自民党・上野賢一郎候補】「今問題になっている政策活動費は、きっぱりと廃止するべき。自民党が与党として主導できるように私は党の中から声を出していきたい」
自らが政治改革を進めていくと訴え、返す刀で、5期16年の実績とともに、経済対策を訴えています。
【自民党・上野賢一郎候補】「賃金がなかなか上がらない、コストカット型経済の中で、給料が上がらない状況が続いてきました。私はそのために予算や税制をフルに活用して皆さんの賃上げを応援していく。そういった政策を強力に進めていきたい」
■滋賀2区は小選挙区が4つから3つに減った影響を大きく受ける
こう訴える上野さんですが、今回、逆風だけではない、別の危機感も抱えながら選挙戦を進めています。
滋賀県では、小選挙区の区割りで4つあった選挙区が3つに減り、滋賀2区は大きな選挙区になりました。
旧4区の大部分と一緒になったことで、上野さんは初めて維新の候補と戦うことになったのです。
■維新・徳永久志さんは立憲から「くら替え」で立候補
【日本維新の会・徳永久志候補】「政治家自らが自らの襟を正す。私は政治改革とは政治家改革に他ならないと思っております」
参議院議員1期、衆議院議員1期を務めた徳永久志さん。
今回、日本維新の会に「くら替え」しての出馬です。 前回衆院選は、立憲民主党で滋賀4区から立候補し、比例復活を果たしていましたが、去年「教育無償化を実現する会」を立ち上げ。衆院解散の翌日に、維新入りしたのです。
【日本維新の会・徳永久志候補】「『これでやっと応援できるわ』と言って下さる方もおられるので、うれしいですよね」
これまで滋賀には維新の衆議院議員はいません。
初の小選挙区勝利を目指す徳永さん。一貫して「教育無償化」を訴えています。
【日本維新の会・徳永久志候補】「大学に行きたいけれども家庭の環境ではいけないといって断念するお子さんがたくさんいます。人の力をより高める、人材の力を高めることにスポットライトを当てる、政治の光を当てることをぜひやりたい」
同じく維新入りした元知事の嘉田由紀子参議院議員も滋賀での活動を後押し。
今度こそ、滋賀から維新の衆議院議員誕生を目指しています。
■立憲からは米原市長4期務めた平尾道雄さんが地方創生など訴える
その一方で…。
【立憲民主党 辻元清美代表代行】「維新はあきませんよ。皆さん」
【有権者】「そうだ!」
【立憲民主党 辻元清美代表代行】「そんなところ(維新)に走る人が滋賀にもいてるというて、びっくりしました。なんか人気のある方にすりよって、自分の議席を得たい。自分が比例復活を維新だったらできるんちゃうかとか。そんな人たちに負けるわけにはいかない」
『裏切り者、許すまじ』。
舌鋒鋭く批判するのは、おなじみ、辻元清美さん。
立憲は徳永さんの離党を認めず、除名処分に。
前米原市長の平尾道雄さんを擁立し、強力にバックアップします。
米原市長を4期・およそ16年務める間に、伊吹山で発生した大規模な土砂崩れがあり、その原因となった地球温暖化への対策や地方創生などを訴えかけます。
さらに…
【立憲民主党・平尾道雄候補】「この裏金脱税問題を含めて、今の政権・政治に対してきわめて不信。私は4期16年、地方自治、民主主義の中で行政を進めてきた立場から言うと、政治も行政も基本は、有権者や住民と国民との間の信頼関係じゃないですか」
区割りがもたらした構図の変化。
湖国の有権者たちはどう選択するのでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年10月21日放送)