大阪府泉大津市で開かれた音楽イベントで6日、カメラ機材が倒れ、観客がけがをした事故で、警察は業務上過失致傷の疑いで捜査を始めました。
【記者リポート】「カメラクレーンはこの辺に設置してありました。その高さおよそ11メートルからカメラは観客席の方に向かって落下したということです」
6日、大阪府泉大津市で開かれた音楽イベント。
午後1時40分ごろ多くの観客で会場が盛り上がる中、まさかの事故が…
撮影用のクレーンカメラが倒れ、観客に直撃したのです。
警察によると、この事故で20代から40代の女性客4人が負傷、そのうち、20代の女性が首の骨を折るケガをしました。
全員意識はあるということです。
倒れたクレーンカメラは高さおよそ11.5メートル、重さはおよそ240キロでした。
■クレーンカメラの撤去を手伝った人は
【事故を見た人】「(けがをした人は)血はちょっと出ていましたね。ほとんどの方が気づかずに、気づいた人だけが助け合い、今できることは何があるかと模索していた」
【ライブに参加した女性】「(友達が)ステージの前の方に行っていたんですけど、なかなかフェスでそういうことはないので、ちょっと怖かったって言ってました」
クレーンの撤去を手伝ったという人は…
【クレーンカメラの撤去を手伝った人】「周りは本当に騒然としてて、スタッフもあわてて救護に駆け付けて僕合わせて20人弱であのクレーンを持っていった。20人でももちあがらないくらい重かった」
■事故はなぜ起きたのか
多くの観客が集まるライブ中の事故。一体なぜ起きたのか?
ライブの参加者が撮影した事故前の映像を見てみると…
会場を走り回る観客をクレーンカメラが上下に動きながら撮影しているのがわかります。
クレーンを操作していたのは20年近い経験のあるベテランのオペレーターだっといいます。
【撮影用クレーンを手配した会社の代表】「クレーンカメラでお客様の席の方に突っ込みながら上下するにあたって、一番下の状態から急激にクレーンアップ、グッと上げる状態で力の入れすぎで土台が浮いてしまって、その反動で客席側に転倒してしまった。激しいアーティストの曲だったので、激しい動きをというところで力を入れすぎてしまった。あってはならないミスです」
■イベントの主催者は、事故後もイベントを継続
【イベントの主催者】「けがをさせてしまった皆様、またイベントに来場されていた他のお客様も含めて、多大なご迷惑とご心配をおかけしてしまったことを深くお詫び申し上げます」
イベントの主催者は原因は操作ミスによるもので事故後、残った観客の安全は確保できたとして、イベントの継続を判断しました。
【イベントの主催者】「運営会社も含めて協議をした結果、同様の事故がクレーンのカメラを完全に撤去して使用しないという判断をしたうえで、イベントの継続を判断させていただいた次第でございます」
警察は業務上過失致傷の疑いで捜査しています。
■事故後もイベントを継続していたことは問題では
【共同通信社編集委員 太田昌克さん】「まずは真相究明、再発防止なんですが、もう1つは、事故が起きたのにイベントを継続していた。盛り上がってるからなかなか止められないんだけど、有事が起きた場合にブレーカーみたいな形で、少なくとも出演者がそれを認識して、1回皆さん止めましょうと、それで救護が必要な人がいらっしゃったら、みんなで助けるということをやらないと、助けられる命が助からないのは一番よくありませんからね。是非、多くのイベント関係者は、今回のこの事態、教訓を学び取って再発防止に努めて欲しいと思います」
【関西テレビ・加藤さゆり報道デスク】「業務上過失致傷の疑いで捜査が始まっていますけれども、結局事故が予見できていたのに、注意を怠ったかどうかが問われるわけですよね。今回、想定以上の激しい動きをしてしまったかもしれないですけれども、主催者側とそのオペレーターがどこまで詰められていたか、その意思疎通がちゃんと取れていたかというところも、これから捜査で詰められていくんじゃないかなと思いますね」
(関西テレビ「newsランナー」 2024年10月7日放送)