19日、不信任決議が可決し、決断を迫られている兵庫県の斎藤知事。
今もまだ進退を明らかにしていませんが、運命の日となった19日の知事の映像を専門家と検証すると、ある心情の変化が見えてきました。
「不信任決議案は可決されました」 議員86人全員が賛成票を投じた不信任決議。 その瞬間、斎藤知事はジッと前を見据え微動だにしませんでした。 そんな斎藤知事に、街ではこんな声も…。
(Q.知事の立場なら?)
【30代】「辞めると思います。続けるメンタルはないですね」
【60代】「不思議な方だなぁと思っていますけど。見てて、とても」
【50代】「メンタル強いと思いますよね。強いのか、そういうの全く感じない人なのか」
■専門家は「目」に注目 「心が動いた時に無意識に反応が出る」
斎藤知事の心情は…。 不信任案が提出・可決された19日の様子を、心理学の専門家に分析してもらいました。
【明星大学心理学部 藤井靖教授】「“鉄のメンタル”、“メンタル最強”とSNSで書かれたり、表情を一切変えない様が、そういうふうに映ってるのだと思いますが、僕が注目したのは、やっぱり『目』なんですね」
藤井教授によると、まばたきや眼球の小刻みな揺れ、瞳孔の開き具合は、自分でコントロールできるものではなく、その人の心が動いた時に無意識に反応が出るそうです。
心理学のソフトで解析したところ、19日の議会では、「ある場面」で「あるワード」に斎藤知事が反応していたことがわかりました。 それは、自民党の議員が、不信任を提案した場面です。
【明星大学心理学部 藤井靖教授】「自民の議員が話し始めるんですけども。その話の中で、今回、不信任案を出した議員団の名前が、具体的に羅列された時と、その後の“県民局長”と“違法行為” というワードがある。その直後が1番、3つの指標=まばたき・眼球の動き・瞳孔の反応が強かった」
映像でまばたきの数だけを比較してみると、午前中の補正予算についての質疑では…。
30秒間に10回のまばたきでした。
一方、不信任案のシーンでは…。 30秒間に17回、まばたきをしていました。
【明星大学心理学部 藤井靖教授】「どういう感情の反応か、具体的な同定というのはなかなか難しいですが、斎藤知事にとって選挙で応援してくれた『議員団』の存在とか、『県民局長』というワード、『違法行為』、それが問われ得るということの懸念や、何らか感情があると思うんですね。目の情動反応は、なかなか隠せない」
そして、議員たちが次々と不信任案に「賛成」の票を投じていく場面は…。
【明星大学心理学部 藤井靖教授】「一言で言うと、やっぱり動揺です。なぜかというと『なだめ行動』が多かった。唾を飲み込んだり、目を触ってかくような仕草、『ふーっ』と息を吐く深呼吸のような仕草。後はかみ締めですよね、口をぐっとかむような。そういう行動が不規則に入っていた。動揺しているのを、普段は取らないような行動を不規則にとることで、自分の心を落ち着ける、そういう仕草です」
終了した後、「議会の解散」や「辞職」などの対応について、斎藤知事は明言を避けました。
【明星大学心理学部 藤井靖教授】「口の動きが変わったり、モゴモゴするような感じ。話すためにはしなくてもいい動きは、何らか言いたいけど言えない欲求不満なんですよ。何かは言いたいんでしょうね」
斎藤知事は、20日、SNSの「X」を更新し、「大きな、重い判断になります。しっかりと考え、決めます」とつづりました。 自らの言葉で、決断を明らかにする日はいつになるのでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」2024年9月20日放送)