兵庫県の斎藤知事へ、日本維新の会からの辞職申し入れが行われた兵庫県庁から、関西テレビ・宮脇記者が報告します。
■斎藤知事の証人尋問 維新の辞職要求の契機となる
まず維新がきょう(9日)になって辞職を要求するに至った理由は何なのでしょうか。
【宮脇健也記者】「問題発覚当初から維新は、『調査で事実を明らかにすることがまず一番重要だ』としていました。しかし、先週の百条委員会が方針転換の契機となりました。 県議団の幹部によると、『知事の答弁で、これまで知事が説明していなかった新しい情報が次々と出てきて、維新としては聞かされていなかったことに不信感を持つようになった』ということです。さらには『告発文を公益通報として扱わなかったことについて、専門家が百条委員会で違法だと指摘したことで、これ以上知事を擁護できない』と判断したということです」
■維新の辞職要求 松井一郎前代表の影響もあったか
今回の判断ですが、国政政党の「日本維新の会」の幹部の意見なども影響したのでしょうか?
【宮脇健也記者】「今回の判断には、日本維新の会の松井一郎前代表の影響もあったようです。これまで、SNSでも出直し選挙の必要性について言及していましたが、関係者によると、松井前代表は、『真相究明は進めるとして、1回辞めて知事選で出直すべき』という考えを週末に馬場代表に伝え、事態が動いたという話もあります。
先週金曜日には、自民が辞職申し入れの方針を決定していますし、維新としても早急に判断を迫られる状況だったため、きょう(9日)になって事態が急転する結果となりました」
■維新・藤田幹事長 斎藤知事の今後の説明によっては厳しいスタンス示す
いわゆる『知事おろし』の動きが加速している状況になっています。維新の辞職要求について、「newsランナー」コメンテーターで共同通信社編集委員の太田昌克さんは、番組直前に維新・藤田幹事長に取材し、斎藤知事の今後の説明によっては厳しいスタンスになると話しました。
【共同通信社 編集委員 太田昌克さん】「『newsランナー』のスタジオに来る前に、維新・藤田幹事長と電話で話をして、取材しました。藤田幹事長が力説していたのは“プロセス”です。調査のプロセス、処分のプロセス。公正さと公平さを期したい。ファクトを明らかにしたい。わからないファクトがまだいくつかあるんだと。例えば、元県民局長のメールの中で若干政治性を感じさせられるような表現があったりするんです。『斎藤おろし』的な。そこも含めて真相究明したい、これが第一ですと言っていたんです。
その上で今回『辞職』さらには『出直し選挙』の申し入れ、要請をしたわけですけれど、私が藤田幹事長に『どう対応するんだ、維新中央としては?』と聞きましたら、藤田幹事長は『とにかく知事にはこれまで出てきたファクトにまずはしっかり向き合って欲しい。その上で本当に県政運営をこれからもしっかりできるのかどうか、その具体策を示して欲しい』と。私はさらにそれができなかったらどうするのかと聞きましたら、そこは結構厳しいんです。『そうなりますと出直し選挙への推薦は見送らざるを得ない』。場合によっては別の候補を立てる可能性があるのかと聞くと、『そこは可能性としては排除はしない』という比較的厳しいスタンスになるんです」
斎藤知事の姿勢がまさに今問われているという状況です。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年9月9日放送)