■男子生徒が歯科治療中に死亡
去年7月、特別支援学校に通う男子生徒が、堺市の歯科診療所で治療を受け、その後死亡した事故で、歯科医師の男女2人が書類送検されました。
堺市にある、重度障害者のための歯科診療所。 去年7月、大阪府内の特別支援学校に通う富川勇大さん(17)がここで治療を受け、その後、命を落としました。
【亡くなった勇大さんの父親】「前日まで元気だったし、ある日突然いなくなってしまったのでね。つらいというか絶望というかね」
■父「『人為的ミス』と聞くといたたまれなくなってしまう」
発達障害がある勇大さん(17)は、痛みに過敏に反応してしまうため、親知らずを抜くために全身麻酔を受けました。
その治療中、呼吸のために肺につなげるチューブが正しく挿入されておらず、勇大さんは呼吸不全になり、およそ1か月後、死亡しました。
【亡くなった勇大さんの父親】「向こうの人為的なミスによるものでっていう話を聞くと、いたたまれなくなってしまいますね」
■歯科医師2人を書類送検 「チューブの位置を確認しなかったことや、救護要請が遅れた」
勇大さんの死から1年。
チューブが挿入されている位置の確認を怠ったり、勇大さんを死亡させた疑いなどで、警察は8月26日、歯科医師の男女2人を書類送検しました。
男らは、調べに対し「チューブの位置を確認しなかった。救護要請が遅れた」などと供述しているということです。 書類送検されたことを受けて、勇大さんの父親は「助かるタイミングは何回もあったと思う。息子の命を無駄にせず、二度とこのような事故が起こらないように対策をして欲しい」と話しています。