南海トラフ地震臨時情報が出る中で、開催されたことしの「阿波おどり」。
参加者の中には、踊りながら防災を訴えようとする人たちがいました。
■阿波踊りに「ヘルメットを被った集団」登場
徳島の夏の風物詩「阿波おどり」。「連」という踊り手のグループが、徳島の街で圧巻の乱舞を繰り広げます。
「逃げる阿呆に逃げぬ阿呆、同じ阿保なら逃げなきゃ損々!」
元気の良い掛け声で現れたのは、オレンジ色の法被を着た集団、その名も「ひなんくん連」です。
阿波おどりを通して防災を呼びかけようと、防災士が中心となって集まった「連」です。
その先頭でヘルメットを被り、踊るのは防災士の瀬戸恵深さん。
■「防災」を楽しく知ってほしい 阿波おどりへの参加決断
瀬戸さんは「色んな所からくる方がいるので、地域住民としてはそれぞれ命も守っていただきたい思いがあって、阿波おどりで、楽しみながら、啓発ができたらと思っています」と語ります。
スタジオでヘッドホンをつけ、マイクを前に「今週もみんなで防災スイッチオーン!」と呼びかける瀬戸さん。
実は、瀬戸さんは、地元ラジオ局で防災や命を守ることをテーマに番組を作るディレクターです。
地元のイベントなどでも啓発を続けてきましたが、ハードルが高いと感じやすい「防災」を楽しく知ってもらおうと、阿波おどりへの参加を決めました。
7月末に行なわれた打ち合わせでは、演舞の中で呼びかける内容について仲間たちと確認を行いました。
「みなさんも一緒に危ないものチェック。地震が来たら、何が危ないかチェックしましょう!」
演舞の中で、地震への心構えを呼びかけることにした「ひなんくん連」。
■本番直前に「南海トラフ地震臨時情報」発表
そんな中、本番直前に南海トラフ地震臨時情報が出されたのです。
南海トラフ地震で最大震度7が想定される徳島。
地震への危機感がより高まる中、阿波おどりは、開催されました。
■楽しく伝えた「防災」の心得
瀬戸さんと連の仲間は、ジェスチャーを交えながら見物客に呼びかけを行います。
【ひなんくん連 瀬戸恵深さん】「南海トラフ地震臨時情報が出ている中、徳島市の阿波おどりに来ていただきありがとうございます!」
「連員たちのポーズ(両手を地面に置いて、片膝をつく)、地震が来た時の姿勢です」
「逃げる阿呆に逃げぬ阿呆、同じ阿呆なら逃げなきゃ損々!自分の命をしっかりと守れるように。みんなで、防災スイッチオーン!!!」
踊りながら、楽しく防災を訴えた「ひなんくん連」。
来年も、また新たな演舞で防災を訴えてくれそうです。