大阪維新の会の代表を務める、吉村洋文大阪府知事の万博をめぐる2つの発言が問題視され、10日、謝罪と釈明に追われました。
問題視された発言の1つは、「コメンテーターへの万博出禁発言」。もう1つは、万博の開幕に合わせて導入を目指すとしていた「外国人徴収金」についてです。
■『玉川出禁発言』について「撤回して、玉川さんに謝罪を申し上げます」
【大阪維新の会 吉村洋文代表】「僕自身の玉川さんに対する発言についてですけど、振り返って考えて、これはいくら政治集会の場であったとしても言い過ぎたと思います。僕が間違っていたと思います。この点については撤回して、玉川さんに謝罪を申し上げます」
吉村代表が謝罪したのは、共同代表を務める大阪維新の会のタウンミーティングでのいわゆる「万博“出禁”」発言です。
【大阪維新の会 吉村洋文代表 3月 SNSで拡散している動画】「今、批判している名前言わないが、“モーニングショーの玉川徹”。批判するのはいいが、入れさせんとこうか。『入れさせてくれ』『見たい』って言っても、もうモーニングショーは禁止、玉川徹禁止」
これについて、吉村代表はこれまで、「自分には出禁にする権限はなく、公平な報道をしてほしいという趣旨の発言だ」として、謝罪や撤回をしていませんでした。
しかし国会で、経済産業省の幹部が「一定の条件を満たせば出禁にすることは可能」と答弁したほか、橋下徹元大阪府知事からも、「“出禁”とかはマズいと思っていた」と苦言を呈される事態となっていました。吉村代表は「公平な報道をしてほしい」という意図は変わっていないとしたうえで…
【大阪維新の会 吉村洋文代表】「この間、いろいろ僕もよく考えた上で、振り返って考えてみれば、いくらあの場であったとしても、言うべきではないと」
■外国人徴収金について、「これから丁寧に議論を」
さらにもう1つ、吉村代表が知事として説明に追われたのが、「外国人徴収金」をめぐる発言です。 吉村知事は3月、外国人観光客を対象に、宿泊税とは別に、大阪府として一定の金額を徴収する「徴収金」の制度を始めたいと明らかにしました。開始時期の見込みについて、次のように話していました。
【大阪府 吉村洋文知事 3月6日】「できれば僕は、万博が開催される2025年の4月から運用を開始できないかと考えています」
これに対し、来日中のBIE(博覧会国際事務局)のトップ、ケルケンツェス事務局長が10日、吉村知事との意見交換会で、「万博を期に海外から多くの人が訪れる。タイミングを考えほしい」と苦言を呈したのです。
【BIE ケルケンツェス事務局長】「私の唯一の要望としては、徴収金の開始時期を再考してほしい。万博後にしてほしい」
自らの発言を面と向かって否定された吉村知事は、次のように釈明しました。
【大阪府 吉村洋文知事】「けっして万博と絡めるとか、万博があるからというものではないです。これからインバウンドも増えてくる中で、こういう考え方もあると。これから丁寧に議論をすればいい」
吉村知事は、今月中には、外国人徴収金についての有識者会議を立ち上げ、是非について議論したい考えです。
■「維新支持に万博がブレーキ」「丁寧に説明するのが吉村さんの使命」
吉村知事の発言が物議を醸しています。
【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「維新は、この前の統一地方選などでも、政党に対する期待がすごく上がってきたんです。全国的にです。維新としても野党第一党目指すということで頑張ってきている中で、少しブレーキがかかっている感じがあります」
【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「私の感触というよりも数字として、各政党がやっている世論調査とか。それからメディアの調査とかでも、実は維新の政党支持が前はぐっと伸びていたのが、止まってるんですよね。いろんな分析があるんだけれども、理由は万博絡みのいろんなことが多い。例えば予算を増やすとか、大屋根リングの問題とか、今回もちょっと万博絡みで玉川さんへの発言とかありました。だから、やっぱり万博が政党としての支持にブレーキをかけてしまっているようなところがあるのかなっていう気が、数字を見るとします。
東京オリンピックの時もそうでしたけど、いろんな意見がある。批判が絶対あるんです。それに対して吉村さんやるべきは、とにかく丁寧にしっかり説明を続けることです。なんだかんだ言っても公費を使っているわけだから、やっぱり最後まで丁寧に説明する。これが吉村さんの使命でしょうね」
(関西テレビ「newsランナー」 2024年4月10日)