■大阪市24区をいくつかのグループに分ける「ブロック化」
大阪市の横山市長は、大阪市の24の区をグループに分ける「ブロック化」について言及しました。いわゆる「大阪都構想」に似ていますが「三度目」はあるのでしょうか?
4日午後、大阪市の横山英幸市長が、意欲を示した新たな都市制度の構想。
【大阪市・横山英幸市長】「すべての自治体が、いま、見えない巨大なコストを抱えている。自治体の首長や政治家は、逃げてはいけない課題だと思う」
横山市長が提案した案は、大阪市にある24の行政区を残したまま、いくつかのグループにわける「ブロック化」。現在は市内24区の24人の区長それぞれが、防災や公共施設の維持管理などについて、個別に市と協議しています。
横山市長の案では、区長の中から選ばれた「ブロック長」が代表して、各区共通の課題について市と協議します。事務作業を効率化し、行政サービスを充実させるのが狙いだといいます。
市長は行政サービスの一例として「図書館」を挙げて…
【大阪市・横山英幸市長】「もし24区あるがゆえに、24個作らなければいけなかったがゆえに、満足度が低い施設が誕生しているのなら、課題だと思う。例えば18万人の淀川区だけじゃなくて、隣の東淀川区と30万人規模の、より巨大な図書館を置くことで、より利用率が上がったり住民満足度が上がるなら、考えないといけない課題」
■過去2回、挑戦して敗れた「大阪都構想」
大阪市の再編で思い出すのが、市を廃止し、複数の特別区に再編しようとした「大阪都構想」です。大阪府と市の二重行政の解消を掲げた維新の看板政策でしたが、住民投票で二度にわたり、否決されました。
(2015年5月17日)【大阪市・橋下徹市長(当時)】「最後、この結果は本当に悔いなし、リベンジはないです」
(2020年11月1日)【大阪市・松井一郎市長(当時)】「敗因につきましては、僕の力不足です」
そして、大阪府の吉村知事は、「僕自身が挑戦することはもうない」として、3度目を否定しています。
【大阪市民40代・主婦】「なんか変化があるのはいいのかな。ひとつでまとまって管轄した方が、いろいろ情報もそのまま使えるのかなと思うんですけど」
【大阪市民50代・会社員】「うーん…またやるのかってほどネガティブではないけど、またやるのねって感じです」
■大阪維新の会・吉村代表は「まだ相談を受けていない」
手続き上、市内24区を「ブロック化」するために、住民投票や市議会の議決は不要で、市の判断で変更することができます。
横山市長の提案に、大阪維新の会・吉村代表は
【大阪維新の会・吉村洋文代表】「大阪維新の会で進めていく所には至っていないし、まだ相談も受けていないです。公約に前回選挙で大阪維新の会として掲げていないから。もう一度、法定協議会を立ち上げて、住民投票は筋論として違うんじゃないかと思っている」
「都構想」に反対していたある市議は「ブロック化」について「市民の使用する施設を減らすのは論外で、市民の利便性に影響はないか議論すべき」と話しています。
横山市長は、任期中に、「ブロック化」の導入案をまとめたいとしています。
■「形を変えた都構想かもしれない」
横山市長は、行政サービスの効率化が狙いにあるということですが、これから進めるにあたっての争点・焦点というのは、どういうところになるのでしょうか。
【関西テレビ 神崎報道デスク】「やはり、都構想でやりたかったことを、形を変えてやろうとしているという見方もありますし、これがうまくいって実績が積み上がってきたとしたら、『じゃあ更に前に進めたかったら、次は都構想ですよ』という形で3度目の挑戦をすることも、考えられなくはないと思います」
やはり3度目の挑戦も視野に入っていることになりますか?
【関西テレビ 神崎報道デスク】「それはわかりません。まずは、自分たちのやりたかったことの第一歩を形を変えてやろうという段階で、どう転ぶかによってこの先が変わってくると思います」
そういう意味でもやはり、このブロック化のメリット・デメリットを、しっかり洗い出した上での議論が必要になってくると思います。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年4月4日放送)