■大阪市が小林製薬に“サプリ回収命令”回収後…廃棄に
大阪市内の薬局をのぞくと、サプリメントがずらりと棚に並ぶなかぽっかりと空いているところが…
【記者リポート】「大阪市内の薬局では小林製薬の紅麹の商品が棚からなくなっています」
小林製薬が販売していた紅麹を原料とする機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」だけが撤去されていました。
小林製薬のサプリを摂取した人から相次ぐ腎疾患の報告。
そして大阪市は27日…
【大阪市健康推進部・亀本啓子保健主幹】「さらなる被害拡大防止をはかるため先ほど、大阪市保健所長が小林製薬に対し当該食品の回収を命じました」
大阪市は健康被害が多数報告されているなどと厚労省から通知を受け「紅麹コレステヘルプ」を含む3商品を食品衛生法に基づき回収するよう命じる行政処分を下しました。対象は、およそ100万個にのぼります。
■死者は2人に 4月1日の入社式は中止に 入社辞退の新入社員はゼロ
小林製薬は、27日「紅麹コレステヘルプ」を摂取していた高齢者1人に加え新たにもう1人死亡していたと発表。
厚労省によると新たに判明した人は腎臓にダメージがあったということですが摂取と死亡の因果関係はまだ分かっていません。
これまで腎疾患などの症状を訴えて入院した人は106人にのぼり、相談窓口には3600通を超えるメールが寄せられているということです。
この問題を受け小林製薬は4月1日に大阪市内のホテルで開催予定だった新入社員の入社式を中止すると発表しました。今のところ入社を辞退した人はいないということです。
■26日に厚労省がヒアリング 主に“2023年9月以降”摂取した人に腎疾患
また、国は27日、各省庁が続々と会議を開きました。消費者庁では連絡会議が開かれ、自見消費者担当大臣は消費者への情報開示を積極的に行っていくと話しました。
【自見英子消費者担当大臣】「関係省庁と足並みをそろえて対応していくことが非常に重要であると思いまして本連絡会議を開催し、スピード感を持って対応していく」
26日の夜には、厚生労働省が小林製薬の担当者に対して、ヒアリングを行っています。
【記者】「健康被害が出ていますが?」
【小林製薬の担当者】「それは大変申し訳なく思っています。適切に対処していきます」
厚生労働省によると、主に2023年9月以降に製造されたサプリを摂取した人に腎疾患の確認が集中しているということです。
■相次ぐ自主回収 小林製薬の『紅麹原料』使用してないと強調の企業も
一方、27日、大手スーパーのイオンは、プライベートブランド「トップバリュ」の肉まんや、高菜ピラフなど7品目で、小林製薬が製造した紅麹原料を使用していたとして、自主回収をすると発表しました。
販売停止や自主回収を発表する企業が相次ぐ一方で、小林製薬の紅麹原料を「使用していない」と強調する企業も増えています。
【大手菓子メーカー・江崎グリコ】「当社商品では小林製薬社の『紅麹』は使用しておりません」
江崎グリコには、客から小林製薬の「紅麹」を使用しているか問い合わせが相次いだため、ホームページで使用していないことを強調し、「安心してご愛用くださいますようお願い申し上げます」と呼びかけています。
大阪市東成区にあるプロテインなどを販売する会社でも…
【Ultimate Life田中久登取締役CMO】「こちらのプロテインであったりとか、アミノ酸サプリメントの一部の商品に関しては紅麹色素を使用しております。ただ小林製薬社が製造、販売しているような原料は使用していません」
こちらの会社ではストロベリー味や、ミックスベリー味のプロテインに、紅麹色素を使用していますが、「小林製薬」の紅麹ではないということです。
客から心配の声が寄せられているため、プレスリリースを出すなどの対応を取っています。
【Ultimate Life田中久登取締役CMO】「まずお客さんの不安を解消することが重要と考えておりますので、小林製薬社が製造している原料とは違うということをしっかり発表したい」
健康被害が相次ぎ、「紅麹」を使用する企業にまで影響した今回の問題。小林製薬は、28日株主総会を開くことにしていて、社長からどのような説明がなされるのか、注目されます。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年3月27日放送)